第91話






「松原くんの事が好きです私と付き合ってください!!」


「あ、ゴメンね…俺彼女いるから気持ちはすげぇ嬉しいけど付き合えないんだ、勇気出してくれたのにゴメンね」


階段を降りていく女子を見送り、はぁと項垂れていると裕也がやってきた



「おっつ。何人目?」


「んー3人??宛名無しのラブレターは捨てたから分からん」


「俺さっきので10人、部室までくるから練習にならんから今先生にお願いしてどけてもらってる」


ガチャ


「あ、ここいたんだ…何か凄いな」


「お、香澄お前もまた??」


「…うん、まぁ裕也ほどじゃないけど…でも女子から私も紹介してってうるさくて…」


「まさかあんな広まるとは…」


俺達は屋上で項垂れていた…こうなったのも月曜日に発売された雑誌にこの前のモデル写真が掲載され告白されたり、他学年の女子から私もモデルしたいなど意味もわからない声がよくかかるようになっていた


確かに結月に、『週明け多分学校で騒ぎになるからがんばってね』と言われていたがまさかここまでとは……


「てか橙李が告られるのはわかるけど何で私と裕也もなのよ!!」


急に香澄がキレはじめた


「だって私と裕也入学した時から付き合ってんのよ!!しかもずっと一緒にいるし!!私自分で言うのもアレだけど顔悪い方では無いと思うの、確かにおっぱいは発展途上だけどそれ以外は中々いい女だと思う、なのにぽっとでの奴が私の裕也を取ろうとするなんて…」


まぁ確かに美人だしモデル体型だと思うよ…あと発展途上じゃなくてもう発育終わってますよね?華帆が笑いながら香澄のカップ数が中3から変わりないっていってたぞ…


「いや雑誌にも書いてあるけど俺だって彼女いるのに告白されるからそこは仕方ないだろ…てか結月彼女って書かれててよく告白してくるよな…」


「…あんたのはデマだと思われてるからよ!!あと誰にでも優しいからあわよくばとか思ってんじゃない?」


「あー確かに、俺ハッキリと香澄以上いい女いないから無理って言うもんな」


「ゆーくん…好き」


「香澄…俺もだよ…」


「今度待望の女王様プレイしてあげるね」


「あのー友達の前でプレイの話やめてもらっていいですか?」


「「!!ッゥゴメン」」


コイツらまだ高2だぞ…将来どうなる事やら……


ちなみに結月には今の状況をちゃんと話している。最初は少し拗ねていたが沢山愛してあげたら満足そうにキスマークを沢山つけて帰っていった…お陰で体育の時の着替えが難しい…


「ま、もうじき落ち着くだろ…てか俺らはインハイあるから教師も動き出しそうだしな、それ以外はほぼ一緒にいるから問題ないし」


「確かに!橙李も落ち着いてきたんでしょ?」


「まぁ後今日の放課後に一件呼び出しがあるだけかな…後は特にラブレターとかも捨てたしIDとかも教えてないから終わりだと思う」


「あと少しで夏休みだしやり過ごそう」


そう香澄が言いながら肩を叩かれて3人で教室に戻っていく

髪型変えてバスケしただけでここまで周りの評価が変わるのはビックリするがどれも外側ばかり褒められて中学と同じでいい気分にはなれなかった



放課後になり呼び出された場所に向かうと見た事ない女性がまっていた、ネクタイの色から3年生という事はわかるが


「あ、橙李くん待ってたよぉ、よくきてくれたねぇ」


と言いながら馴れ馴れしく体を触ってくるので少し嫌悪感を覚える。

手を払いのけて改めてよくみると清楚系な感じの人だった


「ちょっと近いんで離れてもらって良いですか…でセンパイですよね?何か様ですか??」


「アレ?私の事知らない??3年の梨里杏って言うんだけど?美人で有名だと思うんだけど?」


知らんし結月を普段見てるせいで普通に見えてしまう…まぁアレは美人すぎるが…


「すいません、知らないですね」


「!!…まぁ2年って可愛い子多いもんね、桃谷さんとか聖沢さんとか後目立ってないけど中村さんとか色々いるからねぇ」


「そうですかね…で何か用ですか?この後予定あるんで出来れば話してもらえるとありがたいんですけど」


「中々せっかちだねぇ、ねぇ橙李くん私と付き合わない??」


「すいません彼女いるんで無理です。ゴメンなさい」


「いや彼女いるのは知ってるよだから浮気しない?」


は!?何言ってんのこの人??色々生理的に受け付けないタイプかも…


「いや「あー大丈夫バレないってだって相手社会人でしょ?色々溜まってると思うし私が気持ちよくしてあげるからさぁ」別にまにあ「そんな事言ってまだやった事ないんでしょ?それに相性いいかもよ?私達」」


あー全然人の話聞かないタイプだ…清楚系ビッチ本当にいるんだ…


「いや間に合ってます」


「えぇいいじゃん試しに今からホテル行こ」


「いや用事あるって言いましたよね?」


「そんなのほっといてさぁ、橙李くんカッコいいから色々してあげるよぉ」


「あー大丈夫です。間に合ってます。」


「大体ホントにあの雑誌の人彼女なのぉ??それに私の方が絶対いい女だと思うよぉ?」


…我慢我慢


「あの人雑誌たまに載ってるけど何時も笑ってないし何か楽しく無さそうじゃない?」


…我慢


「だからさぁ私が楽しい事色々教えてあげるよぉ、どうせ浮気してもバレないんだし試しにさ、でホンキになったら捨てちゃえばいいんだし」


…あー無理かも


「大体モデルしてるからって偉そうにしてる女なんかより絶対私の方がいいよ!!ほら毎日一緒にいれるしあんな女より私のほうが可愛いしカッコいい橙李くんにはお似合いだよ!!」


「…だまれや…」


「え!?何か言ったァ?じゃ遊びにいこ??」


「触んな、後俺の女バカにすんのも大概にせぇよ。」


「何でよ!!」


「はぁ、邪魔じゃ、これ以上喋んなや、はがゆいのぅ」


「私をふるの!?ありえなくない!?」


「うるさぁのぉ、…もう行くけぇ」


あー女の子に対してキレてしまったぁ……最低だな俺…

考えながら帰っていく俺を悔しそうに見ながら見送る女がいた


「…おぼえてろよ…明日絶対言う事聞かせてやる…」


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