第2話
初日のバイトを終え、精神的にやられながらもなんとかバイクで家に帰る
「ただいまぁ。」
「おにぃお帰り!!早く合わせよ!!」
「ちょい休ませて、お姫様。」
「やだぁ〜、私、欲求不満!!」
「アホか!」
と話しながらリビングに歩いていくと母親が
「橙李おかえり、華帆、ご飯食べた後にしなさい!!」
「はーい」
「なら食べ終わったらお前の部屋にベース持っていくわ」
バイトを終え、出迎えてくれたのは母と妹の
兄同様少し変な所があり、学校では頼まれた事は何でもこなす優しくて可愛い優等生だが、家や幼馴染の前ではマンガ、アニメなどが好きなヲタクであり、我儘、世界は自分を中心に動いていると本気で思っている奴、今もこうして学校で隠している分、家で兄相手に趣味を楽しんでいる。
今はマンガの影響で、ギターを始め、バンドがしたいと言いはり僕にベース、幼馴染の裕也にドラム彼女の香澄にキーボードを強制的にやらせると、やりたい放題している。
ただ華帆の凄い所はこれをやると決めたらすぐ行動に移す所で、漫画を買って読んだ日に元々ピアノが上手な香澄を引き込み、彼氏の裕也を説得、後日ドラムを知り合いに貰い提供、最後に俺に母と一緒にギターを買いに行く時に、みんなやるからおにぃベース買えと無理矢理買わせてバンド結成させるという力技をみせるという最強の妹である。
裕也と香澄曰く、あれは次期、女王様だなと言わせるほどの妹である。ちなみに父は小6の時に心臓の病気で亡くなっていて今は父の残した一軒家に3人で暮らしている。
「おにぃバイトどうだった?」
ご飯を食べていると華帆から質問があり大丈夫だったと答えると、
「あんまり無理しないようにね、おじさんがまた仕事後に夜釣り行こって言っていたからまた連絡入れといて。」
と母から言われ適当に返事をして華帆と練習をする。
「おにぃなんかいい人いなかったの?」
「んーめっちゃ美人の双子がいたよ」
「え!?それ実は6つ子だったりしない??」
「そんな6等分の花嫁みたいな事はないけどアレくらい美人ではあるよ!てか今度はラブコメに手を出し始めたのか?ちなみに鬼の双子メイドみたいな感じでも、妹がねーさま、ねーさまって言ったりせんぞ!」
「異世界もいいけどラブコメもおもしろいよね!ってか私はエクスプロージョンが打ちたい!」
「意味がわからん、てか色々混ざりすぎて何でもアリになってきてる」
「大丈夫!世間は許してくれる!! でも実際どうなの??何かいい感じになりそうとか無いの?」
「ない!!ビックリするほど!!、ってかめっちゃ俺と話すの嫌そうだったし。」
「それってツンデレじゃない?」
「ほぼ絶滅したあの?もしそうなら堪らんな」
「確かに美人双子で自分だけに見せるデレ顔…堪らんな」
「おっさんかお前は」
「だってぇ学校で誰も知らないからここで発散するしか無いもん、じゃぁそろそろ行きましょう、伝説を作りに!」
「もぅなんでもありか!?」
「2人とも厨二病なのは仕方がないけど、橙李バイト問題なさそうなの?
その先輩と上手くやらそう?」
「親に厨二病と言われる高2ってダサっ!!」
「お前だってかわらんが!!」
「だって私まだ中学生だもん」
「…なんも言い返せん!
んーバイトはとりあえず何とかなりそうかな?
その人以外は結構仲良く話出来たし、まだ初日だから何とも言えないけどね」
「ならいいけど余り遅くまで遊んだりしないのよ?」
「お母さんそんな事言ってたらおにぃ何時迄も童貞だよ!彼女出来ないよ!魔法使いになっちゃうよ?」
「親の前でいらん事言うな!」
「まぁ香澄ちゃんは裕也くんに取られちゃったしアンタみたいなの貰ってくれる人中々現れないと思うけど頑張りなさい!」
「…本気で心配しないで凹むので」
「っぷっっ…ダサ!!」
「うっさいわ!ほらご飯食べ終わったし合わせるならやるぞ?まだ課題もあるから!ごちそうさま」
「はいはい。かまってちゃんのおにぃはしかたがないなぁ相手してあげるよ、ごちそうさま。2階いくよ?」
こんな会話をしながら一年ベースをやり続け、さらには母が昔バンドの追っかけをしていたほどで下手だと酔った勢いで罵倒されたりするので、メキメキと上達、この前スタジオでやった時はそろそろライブ出てみないと声をかけられたが、華帆はダンス、裕也はバスケ、香澄は陸上と皆んな忙しく、僕もケガがありそのリハビリがてらだったので趣味の域を超えなかった。
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