第11話

 マイグはナリーナの中を堪能する。自分のモノに吸い付いてくる感触は今までにないくらい気持ちよかった。気づけば腰を振り続けていた。


「やめろっ!」


 ウィルがマイグを蹴飛ばし、ナリーナを見た。ナリーナの目には涙が溢れ、下半身からは……。それを見たウィルはぶちぎれた。


「俺の大事なナリーナに何しやがる。お前殺す!」


怒涛の叫びに周囲の家具は破壊され、威圧だけでマイグは飛ばされそうだった。しかし、マイグの前にはなぜかナリーナが立っていた。


「なぜ? ナリーナどうした」


フッと色っぽい笑みを浮かべているのを見て、マイグはどういうことか理解した。


「マイグ、待たせたわね。あなたの舌使いは相変わらず気持ちいわ。腰の動きも激しくて素敵。相変わらず最高だったわよ」


マイグは女王だと確信したが、なぜか覚醒したというのに嬉しくなかった。


ウィルは混乱している。マイグとやってしまったから女王が目覚めてしまったのだろうか。頭の中でマイグとナリーナが交わっている姿を想像してしまう。怒り狂うウィル。


すると、女王はウィルに駆け寄り、ウィルの頬を優しく撫でる。


「ねぇ、ウィル。私のこと愛しているわよね……?」


女王に変わっているというのに、ナリーナの声と顔で言われてしまえば、何も抵抗できない。


「……」


「ふふふ。正直ね。ウィル、私はマイグのモノなの。わかる?だから、見逃しなさい」


「……それはできない。ナリーナ。戻ってこい」


と口づけをしようとしたが、ひょいと逃げられてしまう。


しかし、女王の様子がおかしかった。ワーワーといきなり叫びだしたのだ。錯乱状態になっているのだろう。


マイグは、そんな女王になど興味がなかった。今はただ、どうすればナリーナ自身に戻るかどうかを考えていた。


 ウィルは苦しむ女王を魔法で拘束し、ナリーナに戻そうと口づけする。しかし、唇を噛まれてしまい、血がにじんできた。鉄の味しかしない。やはり、昨夜のうちに最後までしとくべきだったと後悔した。一瞬魔力の乱れが女王に生じたのを感じる。


そして、女王がとろんとした顔つきでウィルにおねだりした。


「ウィル……もっとぉ……ちょうだい」


煽られたウィルはもう女王だろうか、ナリーナだろうかどうでもよかった。深く口づけをし、先ほどは触れずに終わった部分に指を入れる。


 濡れているので卑猥な水音が響く。その音を聞き、マイグは興奮してきた。この音はナリーナのものだ。なぜか本能で理解したマイグはウィルに突進した。


 しかし、ウィルはマイグが邪魔しないように結界を張っていた。格下のマイグは邪魔することができない。マイグは、今の実力ではナリーナを取り戻すことができない。


 2人が抱き合っているのを横目にナリーナの淫らな姿を目に焼き付けた。そして、長期戦に向けて魔界へと行き、魔王の力を借りることにした。


 ウィルは、そのまま抱いていた。ナリーナの甘い声、艶っぽい顔にマイグがどこかへ行ったというのに追いかけることすらしなかった。今はもうナリーナをただただ抱きたいだけだった。気付けば抱きつぶしていた。



※※※


 次の日、ナリーナはベッドの上で目覚めた。なんか記憶が曖昧だが、マイグやウィルにあんなことやこんなことまでされていた気がする。思い出すだけで、顔から火が出てきそうだった。テーブルに準備してあるカップの水を1杯のみ、落ち着く。そして、指輪へと話しかける。


「お父様、いつかはお父様の復讐を果たします」


すると、指輪が光り輝いた。


「ナリーナ、君はそんな復讐するような子ではないだろう」


久々のお父様の声が聞こえたナリーナは嬉しくて涙がでてきた。


「うっ、お父様……復讐するしか私には生きる意味がありません」

「……なら、本当に愛してくれる者を大切にしなさい」

「どういうことですか……それに私は黒女王なのですか?」

「あぁ、知ってしまったんだね。でも、本当の悪をお前はまだ知らない。誰が何のためにお前をここにやったのか……」

「え? 何の話ですか……マイグではないのですか……?」

「よく考えなさい。おかしいことがたくさんあるはず……」


指輪の光が消え、お父様の声が聞こえなくなった。そこに慌てた様子でウィルが部屋に入ってきた。


「ナリーナ、今の光はなんだ……」

「え? なんでもありません」

「そうか、ナリーナ俺と結婚してくれ。君が目覚めそうになれば何度でも抱く」

「すみませんが、やはり元の国に帰ることにします」

「なぜだ……俺は……何のために……」

「今……何と……?」

「いや、何でもない」


ウィルは、逃げるようにごまかすようにナリーナに口づけをした。やはり、温かい魔力が送られてくる。心が落ち着く。


「ハハハ、これで大丈夫だね」

「え? はい」


何にナリーナは了承したのか理解できない。ウィルに唇を奪われると判断力が著しく下がる。


 復讐の扉はまだ開かれたばかりだという真実に、ナリーナはまだ気づかないのであった。



       ~完~


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無実の罪で国外追放されたので、復讐してもいいですか? SORA @tira154321

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