第10話 冒険者、死線をくぐる

2ラウンド目、カールがコボルド魔神王の尻尾(=コボルド)に二回攻撃し、一度だけ命中させてかなりの痛打を与える。

続いてヴィーノが本体に命中させるも、ダメージが奮わない。

アラーイスも本体を狙ってファイアボルトを撃ち込むが、抵抗を打ち破れず、ダメージは半減してしまった。

ダナは後方エリアからヴィーノに回復魔法を飛ばして9点回復させたものの、結果として前線エリアを支えるのがヴィーノのみということになり、厳しい戦況のまま、コボルド魔神王の手番を迎える。


GM:本体の攻撃はヴィーノに12(ヴィーノは6で回避失敗)で当たって、11点の物理ダメージ。尻尾はアラーイスを狙ってエネルギーボルトを撃つようです。真語魔法行使判定の達成値は11です。

アラーイス:12で抵抗成功。

GM:おおー! ダナのカウンターデーモンが早速効果を発揮しましたね! では効果半減になって、3点の魔法ダメージです。

アラーイス:僕に魔法が飛んできてくれるのが一番マシだね。精神抵抗力も高いし、HPもたっぷりあるから。


3ラウンド目、カールはヴィーノを「かばう」構え。

ヴィーノの攻撃は当たらず、アラーイスはファイアボルトの攻撃対象を尻尾に変更したものの、行使判定の出目が悪く、こちらも抵抗されて効果半減となった。

ダナの攻撃は尻尾に当たり、そこそこのダメージを与える。

先に守備の弱い尻尾を落とす考えのようだ。その結果……


GM:尻尾はあとHP1点となりました。

ダナ:1足りない……

GM:惜しかった! ではコボルド魔神王の攻撃です。本体はヴィーノに行くようです。命中力判定は14。(ヴィーノの回避力判定は10)では当たって、12点の物理ダメージです。

ヴィーノ:カールが庇ってくれたけど……、あとHP2点。

アラーイス:大丈夫?(はらはら)

GM:続いて尻尾が(ころりん)ヴィーノに(笑)。畳みかけるように攻撃します。命中力判定は9です。

ヴィーノ:うわあ……! ヤバイヤバイヤバイ! (ころっ!)回避力判定は9で成功! 「あぶねー!」凄い綱渡り。

GM:すれっすれでかわしましたね(こっちもドキドキ)。これで次のラウンド、「かいくぐり」が発生しますよ。

ヴィーノ:あ、そっかそっか。


4ラウンド目。なんと、カールが尻尾に齧り付いて、討ち取ってしまった。


ヴィーノ:無理矢理に変な粉を食べさせていたコボルドを、実は許してなかったんじゃないのかな。

GM:(笑)。「うおお……! こんなところで、この俺が、終わるなんてええ………」ぱたっ。コボルドの下剋上計画は失敗に終わりました(チーン……)。

ヴィーノ:「ダナ、俺に回復をくれ!」

ダナ:「了解です」ではヴィーノにキュア・ウーンズします。成功して9点回復です。

ヴィーノ:ふぅ……。結構、頻繁に死にかけてます。

アラーイス:「ヴィー、大丈夫?」


ヴィーノが本体を攻撃するも、ギリギリかわされてしまう。アラーイスのファイアボルトも抵抗されて、効果半減となる。


ヴィーノ:もうもう、むかつくー!(良い目を出したのに、同値回避されてしまって悔しがっている)

GM:当たれば回ったかも知れなかった! 惜しい。アラーイスの魔法は、抵抗されても半減ダメージがじわじわチクチク来てます。ではこちらの攻撃。ヴィーノに11で攻撃。

ヴィーノ:全くもう! 回避は失敗。

GM:(笑)。しっかし何でしょうね、このランダム攻撃対象の偏り具合は。13点の物理ダメージです。

ヴィーノ:また残りHPが2点になった。「変な粉、浴びておいて良かったぜ……」

アラーイス:厳しいね。


5ラウンド目。カールの牙2回攻撃はどちらも回避されてしまう。


ダナ:(回復か攻撃かで迷い)ヘビーマレットで殴ります。当たると信じて……えい! 15。

GM:回避力判定は12。当たってます。

ダナ:ダメージは7点です。

ヴィーノ:自分にヒーリングポーションを使う。これがラストポーション。8点回復。

GM:ラストエリクサーみたい(笑)。

アラーイス:ファイアボルトばっかりしてるけど。行使判定は9。

GM:16で抵抗しました。半減ダメージが……、5点ですね。じわじわ焦げてます。では魔神王の攻撃は、ダナに命中力15です。

ダナ:避けられる気がしなーい! 4で当たりました。

GM:物理ダメージは……8点。しょぼっ!(ダメージダイスが1、2だった)

ヴィーノ:!? 俺の時は14点とか来てなかったか?

GM:ダナからあふれ出る魅力にちょっと、魔神王の爪も手加減気味に?

ヴィーノ:あー、なるほど。

GM:(納得してるし。笑)では6ラウンド目に入ります。


カールの攻撃は炎のブレス。本体の抵抗を抜いて大ダメージを与える。


GM:熱いー! 痛い! カールはフェローなのにちょっと活躍しすぎでは? そしてまたしてもHPが1点だけ残っています。謎の踏ん張り。

一同:(笑)

ヴィーノ:「とどめを!」

ダナ:「殴ります」えいっ。14です。

GM:16で回避。まだやれる! もう一矢くらいは報いたい、けど。

アラーイス:「ファイアボルト~」

GM:それ絶対終わるやつーー! アラーイスが1ゾロを振らない限りは、倒せます。


抵抗は抜けなかったものの、ダメージ決定でも1ゾロが出ることはなく、冒険者一行は無事にコボルド魔神王を倒した。


ヴィーノ:「やったー!」

GM:あっさり勝てましたね。テストプレイでは皆さん全滅してたんですが(カール無し、変異無し、アイテム無しで)。

一同:あっさりではない!(キッパリ)

アラーイス:「ポーション無かったら死んでるよ……」

GM:いつも通り、これは流石に勝てないかもな、くらいの敵で丁度良いみたいですね。緊張感があって愉しかったです。コボルド魔神王が倒されると、その死体に剣のかけらが3つ、浮かんできます。そして……


からくも勝利を飾った冒険者たちの目前に、漆黒の剣状の結晶体が現れる。話に聞いていたとおりの姿――奈落の核アビスコアだ。

しばしアビスコアを三者三様に見つめていた一行だったが、やがて息を合わせてこれをたたき壊した。

破壊の衝撃で空間がゆがみ、渦を描き始める。程なくしてそれは、元の世界への脱出口として固定された。

砕けたコアの欠片は奈落の欠片アビスシャードとなって、それぞれの手に落ちる。


アラーイス:「わーい! 嬉しいー! 僕たち、依頼を果たせたんだね」

ヴィーノ:「犬を返すまでが依頼だ。帰ろう、早いとこ」

ダナ:「無事に帰還できることを、盾神に感謝します」


三人と一匹は、脱出口に飛び込んでいく。

ところが彼らが帰還した場所は、入った場所ではなく―――?

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