第9話 冒険者、驚愕する

湖は謎の建造物から見ると西の方角にある。湖岸に移動した一行は、湖上に建つ怪しい城と、そこへと続く砂州を見つけた。


ヴィーノ:歩いて行けそうなのか? コボルドは舟で行くって言ってたけど。

GM:コボルドのいた実験場は湖の西岸で、そちらからだと舟で行くしかないです。砂州はこちら側(湖の東岸)にしかないので。

ダナ:砂地は乾いてますか?

GM:乾いています。

アラーイス:「翼が生えていれば、飛べたのにね」


冒険者一行は、「湖の上の砂州」という逃げ場のない地形にかなり警戒心を抱いていたが、意を決して渡り始めた。


GM:(しかしここには特に何もないんだよね)特に何もなく渡ることが出来ます。城が近づくにつれ、その詳細が明らかになって来ます。(立派な城の外観を背景画像に)

ヴィーノ:「魔神王になってからこれを建造したのか?」

GM:(ふふっ)だけどねー? さらに接近していくと、城の外観に違和感を覚えます。あの城、なんだかやたら平面ぽいよ、と。

ヴィーノ:あれぇっ!?(笑)

ダナ:書き割り的な?

GM:そばまで来てはっきり分かります。張りぼてですね、完全に。段ボールに絵を描いただけ、みたいな感じ。

ヴィーノ:「なんだってー!?」魔神王はどこ行った。

GM:城の扉は閉まっています。

ダナ:張りぼての?

GM:張りぼて城の、入り口扉らしき部分です。

ヴィーノ:解錠を試みる。

ダナ:罠を心配した方が良いのかな?

GM:解除判定の目標値は驚きの、……5です。

ヴィーノ:技能いる?

GM:(笑)

ヴィーノ:先に聞き耳をしてみたい。

GM:ではそちらは目標値10で。

ヴィーノ:11で成功。

GM:ガサガサ、コンコンコン。ガサッ、コンコン。工事中みたいな音がする(笑)。

ヴィーノ:もう張りぼてな時点でヴィーノの気は大きくなって、扉を蹴破りそうな勢いだけど。「わかんねーけど、ちゃっちいから行こうぜ!」

アラーイス:「いこー♪」

ヴィーノ:蹴破りたい。それとも解錠した方が良い?

GM:お任せします。どっちでもどうぞ。

ヴィーノ:じゃあ、解除に失敗したら蹴破る。……成功した。

GM:はい。では普通に開きまして(内部の様子を準備。壁がもろに段ボール※アルフレイム大陸にはないかも知れませんが、イメージ重視です)、中はまだ仕上がっておらず、塗装も調度も何もないです。ただ、あちこちに資材が散乱しています。

ヴィーノ:段ボール感がすげえ!

GM:吹き抜けの広い空間になっています。そこに、コボルド魔神王が。(渾身の雑コラ画像のコマを置く)

一同:(笑)

GM:(フロアに置くだけで笑いが取れるラスボス)巨大な狼に似た姿ですが、尻尾がコボルドになっています。

ヴィーノ:なんじゃこりゃ……(笑)。

アラーイス:「なっ、なんだアレは!」

ダナ:部位は二つあるってことですね。(冷静)

GM:知名度12、弱点値15。

アラーイス:魔物知識判定の達成値は13。

GM:弱点は抜けませんでしたが、何かは分かりました。本体部分はアザービーストで、尻尾がコボルドです(※以下、アザービースト=本体、コボルド=尻尾と記述します)。しかし尻尾もただのコボルドではなくて、真語魔法を3レベル使える。

ヴィーノ:「なんか……、やっちまった感がすごいな」

GM:コボルド魔神王は張りぼて城の補強作業をしていましたが、冒険者達が入ってくると気がついて……

GM(コボルド魔神王):「わーっはっは! 良く来たな、冒険者ども! 俺がコボルド魔神王……イテ、イテッ、ちょっと! 魔神さん、俺が喋ってるときは立ち止まって貰えませんか!?」

一同:(笑)

GM:本体が構わずにうろつくので、尻尾が床や壁に身体をぶつけています。

GM(コボルド魔神王):「……んと、冒険者ども……あイタッ! この魔神王の配下になるなら許してやるぞ」

ダナ:あまり言うこと聞いてない感じなんだ?

GM:はい。ですが本体は皆さんに敵意むき出しです。頭を低くして牙を剥きだし、ぐるるる……と喉奥で唸っています。

アラーイス:(魔物データを確認してた)「こいつ強そうだ。みんな、気をつけて!」

ヴィーノ:ついに念願の、魔神の力を手に入れたぞ! って、コマの説明欄に書いてある(笑)。

GM:そんなの書いたっけ……、ホントだ!(仕込んだネタを完全に忘れているGM)コボルド魔神王の先制値は12です。

ヴィーノ:先制判定の達成値は15。

GM:ではそちらの先制です。(コボルド魔神王を前線エリアに)

アラーイス:カールは僕が動かすね。「行け! カール!」

GM:フェローはPCと同じ場所にいることしか出来ないので、位置的にはダナと同じ場所ってことにしようか?

ダナ:1ラウンド目、魔法を掛けようと思っているので。

GM:あ、では、ヴィーノと同じ場所にいる扱いにします。ヴィーノは移動攻撃の予定で良いんだよね?

ヴィーノ:そのつもりです。

カール:(行動や攻撃対象等、全てランダムにて決定。※以降同様)「ワン!」牙で尻尾を2回攻撃。

GM:2回目だけ当たって、物理ダメージは? 8点ですね? 貰います。

ヴィーノ:犬頑張った。

ダナ:カウンター・デーモンを「魔法拡大:数」してPC3人に使います。あれっ? カールにも掛けた方が良いのかな?

GM:おおー! いいね! 盾神の特殊神聖魔法だ! いえ、フェローはHPがなくて、ぶっちゃけ無敵なので不要ですよ。

アラーイス:そうなんだ。ここでカールが死んじゃうパターンも心配してたよ。

GM:カールは死なない。なぜなら……魔犬だから!

ヴィーノ:負けん! えっ、そんな理由?(笑)

ダナ:行使判定は成功してます。コボルド魔神王が使う特殊能力に対して、生命力・精神力抵抗が+2になります。

ヴィーノ:通常移動して、本体にレイピアで攻撃。命中力判定は14。(本体の回避力判定はダイスロールの結果13)当たったから、ダメージが5点。

GM:ちくっと来ました。

アラーイス:尻尾にファイアボルト。行使判定で1ゾロ出たー!

GM:魔法が発動しませんでした。経験点を50点どうぞ。ではこちらの攻撃です。フェローには攻撃しないので、本体は問答無用でヴィーノに行きます。命中判定は12。

ヴィーノ:回避力判定4。当たってる。(物理ダメージ14点をくらい)残りHPが9点になってしまった。

GM:尻尾が何をするかは、ランダムで決めます。結果、武器で攻撃。ということは、前線にいるヴィーノに攻撃が行きます。おっと!? 6ゾロです。

ヴィーノ:回避力判定……6ゾロは出ない。

GM:物理ダメージはおとなしめの6点。では2ラウンド目です。


一人で前線に出ていたヴィーノが、早くもコボルド魔神王にズタボロにされる!

ダナとヴィーノの戦士系技能は共に1レベル。対するコボルド魔神王の本体(アザービースト部分)は4レベルの強敵だ。

笑える外見に反して笑えないダメージを繰り出してくる魔神王に対し、駆け出し冒険者達に勝ち目はあるのか!?

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