第6話 冒険者、綱渡りする
ヴィーノ(魂):気絶は戦闘が終了しない限り、回復できない?
GM:いえ。神聖魔法のアウェイクンか、アウェイクポーションで戦闘中でも回復させられます。
ダナ:アウェイクンは使えるよ。
GM:でもアウェイクンで気絶から回復しても、HPは1点に戻るだけなので注意して下さい。
ダナ:そう。だから、回復させるのは戦闘が終わってからの方がいいのかなって。
ヴィーノ(魂):アウェイクンを掛けて貰ってすぐに、自分でポーションを飲むことは出来るのかな?
GM:それは可能です。手番内の行動順は任意なので。
ヴィーノ(魂):ポーションでどれだけ回復させられるかは分からないけれど……
ダナ:数を少し減らしてからにする?
アラーイス:こういうの、綱渡りって言うのかな……
一同:(笑)
ヴィーノ(魂):命がけの(笑)。
GM:(良い緊張感だ)3ラウンド目の後攻で、コボルドA、B、Cは前線に移動してきます。数で優勢のため、調子に乗ってます。共通語で「ひゃっはー! 生きの良いのが来たぜぇ!」「全員ミンチにして犬の餌にしてやるー!」と。このラウンドは武器を構えて終わり。(攻撃しても良かったけど、ちょっと酷かな、と)。では4ラウンド目、そちらからどうぞ。
ダナ:Aにヘビーマレットで攻撃。命中力判定は14で当たり。ダメージは7点。
アラーイス:ではそのAに畳みかけるようにファイアボルト。そろそろ良い目が出そうなんだけれど。妖精魔法行使判定、えいっ。8。むしろ出目が悪かった。
GM:こちらの精神抵抗力は10なので、抵抗しました。効果半減です。
アラーイス:ダメージは8点の半分で4点。「これで魔法は打ち止め。僕には何も出来ることがなくなったよ」
GM:それと、先ほどコボルドの方は魔物知識判定で弱点値を抜けてますので、魔法ダメージは+2になります。よって、6点くらいます。……ああっ、あと1点だった!(惜しい) ではこちらの攻撃が行きます。ヴィーノのことは死んでると思っているので、三匹ともダナに攻撃します。こう、わらわらと群がって。「弱い者いじめ、サイコー!」ぼかぼか。命中力は9です。
ダナ:「弱くないです!」(ぷんっ)回避力判定、三連行きます。4、8、8で、全部当たりました……(しょんぼり)
ヴィーノ(魂):ダイス目に殺される。
アラーイス:「…………」(何かを決意した様子)
GM:では、9点、10点、5点の物理ダメージです。
ダナ:三つ目のダメージは防護点で消えます。他はちょっと痛い。残りHP10点にまで減りました。
アラーイス:今、かつてないモテ期が来てるよ、ダナちゃん!
ダナ:こんなモテはいりません。
GM:では5ラウンド目です。
アラーイス:前線に通常移動します。
GM:……なんて?
アラーイス:「僕に今できるのは、これだけだから」(コマを前線エリアに)
ヴィーノ(魂):ちょっと待って! 武器持ってないよね!?
ダナ:大丈夫なの!?
アラーイス:平目でも回避できるよね? 少しでも攻撃を分散できればと思って。
GM:平目で振れますが、こちらの命中力は9ですよ? 平目で9以上出さないと回避できないですが。
ヴィーノ(魂):HPはでも、一番高いのか。
GM:自己犠牲だ……(尊い)
ヴィーノ(魂):いい人だ。折角こんな友情シーンが繰り広げられているのに、自分は気絶してるから知らないという(笑)。
GM:ほんとだ。良いシーンが見られなかった。
ヴィーノ(魂):見てたら人間不信が治ったかも知れなかったが。そんなことは知らな~い(笑)。
ダナ:ではヴィーノにアウェイクン。1ゾロは出したくない!(ころんっ!)行使判定は12で成功。
ヴィーノ:起き上がるのは、どうすればいい?
GM:転倒状態から起き上がるのは補助動作で出来ます。ただし、起き上がった後でも手番内の全ての行動判定に-2のペナルティがつきます。
ヴィーノ:寝たまま飲んだ方が良いの?
GM:どちらにせよ、行動判定には-2のペナルティがつくよ。あれっ? ポーションを飲むのは、行動判定なんだろうか。レンジャー技能が関わってくるんだけど。
みんなでルールブックを確認し、ポーションの回復量にレンジャー技能レベルと知力ボーナスが関係してくるものの、2dで振るのは威力表のみのため、これは「行動判定」には当たらないと判断。ペナルティはなし、という結論にいたる。
GM:サンキューです! 一緒に調べてくれて助かりました。全員がルールブック持ってると、こういうときに助かります!
ヴィーノ:OK。ではそのまま振るよ。12点回復して、起き上がった。
GM:ってことは。コボルドの攻撃対象は三人からランダムですね。……うっそーん!? 全部ヴィーノに行った。回避、三回振って下さい。
アラーイス:ちゅ~るでしょ! ヴィーノ、ちゅ~るで出来てるでしょ!?(悲鳴)
ヴィーノ:(ころころ)最後だけ12で回避成功した。
GM:では、AとBの攻撃は当たりですね。それぞれ8点と6点の物理ダメージです。
アラーイス:心配で花が真っ青になってるよ……
ヴィーノ:うう……。残りHP3点。
GM:「ひゃっはー! 弱った奴はひたすら叩けー!」とコボルドが調子に乗りまくってます。「弱い奴にはひたすら強いぜー。俺たちー!」
ヴィーノ:「なんだとぉ!?」(怒)「オレと同じじゃないか!」
GM:逆に親近感湧いたり?(笑)ヴィーノは今、回避に成功したから、次の手番で戦闘特技「かいくぐり」が発動しますね。クリティカル値が8に下がります。では6ラウンド目に移ります。
ヴィーノ:これはもう、もう一回気絶することを視野に入れて、殴りに行くか。
ダナ:(殴るか回復か迷った後)ダナは殴っても打撃力が低いので、ここは回復することにします。「魔法拡大:数」を使って自分とヴィーノを同時に回復するよ。
GM:おおー!! いいね! このピンチにダナの得意技炸裂と言った感じで!(盛り上がってキター!)
ヴィーノ・アラーイス:いいぞいいぞー!
アラーイス:僕の戦闘特技はそう言った感じじゃないから……(羨ましそう)
ヴィーノ:戦闘特技なんだっけ?
アラーイス:ターゲッティング
ヴィーノ:それ、めちゃくちゃ重要じゃん!
GM:今までさんざん使ってたよね。ファイアボルトで。
ヴィーノ:ターゲッティングなかったら、我々に当たっていたかも知れない。
GM:むしろ、毎回攻撃対象をランダムで振ったら、ヴィーノに集中砲火だったろうね。
一同:(笑)
アラーイス:ありそうすぎて否定できない(笑)。
ダナ:神聖魔法行使判定は12で成功。2回振らなくて良いんだよね? MPは2倍減らしましたけど。
GM:行使判定は1回で良いですが、回復量はそれぞれ振って下さい。
ダナ:了解です。ヴィーノは6点回復、自分は8点回復しました。
ヴィーノ:「よしよし、良くやったぞ、ダナ」こっちも弱っているコボルドAに攻撃するぞ。
GM:どうぞー。
ヴィーノ:レイピアで、どりゃー! 7で外れ。
アラーイス:平目でパンチしてみていい?
GM:やるのか!? ど、どうぞ! そうしたら、もしもパンチがあたったら、そのコボルドは次のターン、アラーイスに攻撃することにするよ。
アラーイス:「よぉし! えいっ!」平目で5。
GM:誰もいない空間に、えーい、しちゃった(笑)。
アラーイス:ごめーん。「僕は無力だよ……」
ヴィーノ:「大丈夫だ。お前は無力だけど、丈夫だ!」
GM:じゃあこちらの攻撃は、結局全部ランダムで。あ、でもAはアラーイスに行った。BとCは……、そのままヴィーノに行くそうです。
ダナ:大人気だなぁ。
アラーイス:回避、平目で8。
ヴィーノ:6と12で、片方だけ回避成功。
GM:はい。ではアラーイスに物理ダメージ7点、ヴィーノに物理ダメージ5点です。7ラウンド目に入ります。このラウンド、ヴィーノは「かいくぐり」が発動します。
ヴィーノ:そうだった。まずは当てないと。忘れる前に先に攻撃して良い? (ころころ)Aに11で当たって、C値が8に下がった状態で、威力表。2回転して13点ダメージ。
GM:おっ! かいくぐった!! コボルドAが倒れました。さて、ここで!
アラーイス:(びくっ)何っ、また敵!?
GM:(笑)。数の上で劣勢とみたコボルドが、降参してきます。みんな、尻尾が脚の間に入っちゃって、共通語で「お、俺たち、別にあの、そんなつもりじゃなかったんですよ~~。へぇへぇ」ってへいこらしてきます。
ヴィーノ:「どんなつもりだったんだよ」(すごんだ声)
GM:(ブルブル)「ちょっと、あの、え~、不審な奴が来たかな、なんて思っちまって……」「別に、その、怪我ぁさせるつもりじゃなかったんですよ~」じりじり下がっていく。
ヴィーノ:「あ”あっ!? ここで何してたのか、洗いざらい喋って貰おうか」優勢とみればいきなり偉そうになるヴィーノ。
GM:「ヒッ! サーセンっしたっ!」流れるようにスライディング土下座。こっちは劣勢とみればどこまでも下手に出ます。
ピンチに次ぐピンチを、それぞれが知恵と勇気を振り絞ることで乗り切った冒険者一行。
降参したコボルドが語った、魔域の秘密とは―――!
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