第5話 冒険者、追い込まれる
森を抜けた先は、広場になっていた。奥に小屋が一軒、手前には大小の檻が散在していて、犬が閉じ込められている。
有翼犬の他に、鱗が生えている犬もいた。
ダナ:「犬が……」
ヴィーノ:「カールはいるか?」
GM:はい。ボーダーコリーの姿を探してみたところ、広場の奥にそれらしき牧羊犬が見えます。
アラーイス:「あっ! カールだ!」ぱああ……。(花が咲いた音)
ヴィーノ:檻の中に?
GM:檻の外ですが、全身を縛られた上に口を開かされた状態で固定され、虹色に光る奇怪な顆粒を注ぎ込まれています。
ヴィーノ:なんだとー!? 人はいない?
GM:いますね、カールを虐めている人型の何かが。知名度6、弱点値11です。
ヴィーノ:「そこまでだ! その犬に何かをしようものなら、容赦しないぞ! ……こいつらが!」堂々と宣言したあと、さっと二人の後ろに隠れる。
GM:隠れるんかーい!(笑)
ダナ:「カール!」と、名前を呼んでみます。こっちを見たりしないかな?
GM:名前を呼ばれると、カールは皆さんの方を見ます。
アラーイス:「カールー!」(呼んだあとの反応を見て)「やっぱりカールだ。助けよう」
ダナ:「クリスが待ってますよぉ~!」
GM:皆さんがカールのところに駆け寄ろうとしたところ、行く手に大きな犬がぬっと立ちはだかります。知名度8、弱点値11です。
ヴィーノ:その犬を何とかしないと近寄れない感じ?
GM:そうなります。
アラーイス:まず人型の魔物を良く見てみるよ。魔物知識判定の結果は14。
GM:ばりばり分かりますね。コボルドです。
アラーイス:えっ? コボルドごときが?
ヴィーノ:(コボルドのデータを見て)よぉし、オレより小さいぞ!
GM:(ヴィーノ、嬉しそう)
アラーイス:大きな犬の方、魔物知識判定の結果は9だった。
GM:では正体だけ分かります。大型の猟犬が変異させられ、双頭になったものです。データはパックリーダーのものですが、双頭になったせいで混乱していて、回避が固定値で11に下がっています。代わりに特殊能力「〇2回攻撃」を得ています。同一目標を1ラウンドに2回攻撃するよ。
アラーイス:顆粒を注ぎ込むの、止められないのかな……?「カールはちゅ~るしか食べないんだよ!」って言いながら、ヴィーノを押しだそう。
ヴィーノ:「って、オレかよ!?」
GM:ヴィーノちゅ~る。双頭の猟犬の先制値は13です。
アラーイス:コボルドは?
GM:コボルドはカールに顆粒注入中のため、戦闘エリア外です。
ヴィーノ:先制判定は14。やったー! 「こいつを早いとこ倒して、カールのところへ急ぐぞ!」
GM:ではそちらの先攻です。(猟犬のコマを前線エリアに配置) カール、今、めっちゃ餌与えられてますね。「強くなれよ~」って。
ヴィーノ:とりあえずレイピアで斬りかかるぞ。命中力判定は11でギリギリ外れ。
ダナ:ヘビーマレットで攻撃して、12で当たりました。ダメージは、ああっ、低い! 4点。
GM:2点貰います。
ダナ:あれ? 思ったより硬くないね。
アラーイス:ファイアボルトします。12で抵抗を抜けて、ダメージは6点。
GM:そのままくらいます。ではこちらの攻撃、行きます! ランダムで……、ヴィーノに攻撃するよ。「手早い斬撃」という特殊能力で、命中力は13。
ヴィーノ:それは出目9以上出さないと当たる。10で回避失敗。
GM:さらにもう一回攻撃が行きます。こっちは命中力12。
ヴィーノ:二撃目も10で回避失敗。
GM:では、10点と7点の物理ダメージをどうぞ。
ヴィーノ:ろ……6点残ったが、「痛ぇぞ!」(がぶがぶ)「あ、イテ、イテテテ!!」
アラーイス:本当に良く噛まれる人だなぁ。(のんびり)
ダナ:(bot使って攻撃対象は)ランダムで決まってるのに、偏ってるね。
ヴィーノ:「何故だ!?」そんなに美味しそうなのかなぁ? 体格、貧相なんだけど。
GM:(実は本当にちゅ~る疑惑)柔らかそうに見えるのかな? ダナの方が防護点高いから、とかげとか犬が本能的に「あっち、かたそう。こっち、やわそう」みたいな?
ヴィーノ:子どもの肉に見えるのか? マトンよりラムみたいな感じ?
GM:ドワーフ女性のダナの方が、見た目は子どもっぽいのにね。では2ラウンド目です。
ヴィーノ:殴るしか出来ないぞ。15で当たって……
GM:くるっと行けばばたーんと行くと思いますが。
ヴィーノ:……ダメージが5点。
GM:なんだー、しょぼいですぞ。ぴりりっとだけ来ました。
ダナ:ヴィーノにキュア・ウーンズ。行使判定は成功。7点回復して下さい。
アラーイス:もう一度、ファイアボルト。12で抵抗を抜いて、ダメージは6点。
GM:威力表、さきほどとはうって変わって、急に誰も回らなくなりましたね。それでも魔法ダメージはそのまま通しなので、割と痛いです。あとちょっと。ではこちらの攻撃がまた二回。どちらに行くかな……、またヴィーノ!
ヴィーノ:回避力判定は7と10で、両方当たった。うぅ~ヤバイ。
ダナ:ここでダメージ決定のダイス目が低ければ……!(ハラハラ)
GM:14点の物理ダメージ&9点の物理ダメージ。
ダナ:反対に大きかった!(※1撃目、出目が5、6でした)
ヴィーノ:それは……、お亡くなりになる。HP-4になりました。
アラーイス:良い奴だったのに……
GM:いやいやいや! まだ生死判定があるからね? -4だと目標値4だから、1ゾロ以外は生きてますからね?
ヴィーノ:生死判定は10で成功。気絶しました。ばたっ。後は頼んだ!
アラーイス:なんか、墓場ってやつあったよね。
ダナ:(焦)まだ死んでないよ!
ヴィーノ(魂):「早く戦闘終わらせて、オレを回復しろーー!」
GM:では3ラウンド目。
ダナ:攻撃します。11だから外れ。
アラーイス:なんかする?
GM:これはもう、アラーイスが何とかするしか! 魔法行使判定で1ゾロ振ると、今度はダナが危ない。
アラーイス:ええーっ!?(ドキドキ)ダナを一人で放ってはおけない。「とりあえず、がんばるよっ! ファイアボルト!」12で抵抗抜けた。良かった。ダメージは8点。
GM:魔法ダメージ8点。それで倒しました!
一同:やったーー!!
GM:おっと、喜んでいるところすまない。3ラウンド目の頭に、コボルド達が後方エリアに出現していたのです。配置するのを忘れてました。
一同:なんだってーーっ!!(悲鳴)
GM:(みんなのリアクションが楽しい)戦闘は継続しています。
アラーイス:コボルド3体もいるの!?
GM:はい。(本当は増援はPC数+1体なので4体の予定でしたが、ヴィーノが気絶しているため、3体に減らしました)
ダナ:多いなぁ!
アラーイス:「僕の魔法も、流石にもうあと1回で打ち止めだよ!」疲れて花が萎れてきてる。
前線にたった一人で立つダナ。倒れたままのヴィーノ。そしてあと1回で魔法切れのアラーイス。
絶体絶命のピンチ到来で、卓に重苦しい雰囲気が漂う!
大丈夫なのか、冒険者。ここで終わってしまうのか冒険者!?
(でもさっき、コボルドごときがって言ってませんでしたっけ――!?)
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