擬音って難しい

「ふいぃ…疲れた…」

朝っぱらからずっと働き詰めで、とても疲れていた私はすぐ家に帰ってさっさと寝よう。そう思っていたけど、ふと見たスマホを見て私はその場で凍りついた。なんと友人からの不在着信が100件以上もあったのだ。折り返し掛けてみると、10秒足らずで繋がった。早速このおびただしい量の着信を問いただすと、

「だって、繋がらなかったんだもん」

と、意味の分からないことを返された。いつもの友人は暇な時に電話を掛ける程度で、なぜか今日はこんなに連絡を寄越したのだ。昨日、私は早朝から仕事と言ったはずなのだが…。小言というか説教をしていると、こちらが話しているタイミングで

「そういえば、教えて欲しいところがあるんだけど」

と話を遮られた。人が話している時は黙る、話を遮ると嫌われるぞ、とかいろいろ文句垂れていようが友人は喋り続け、こちらの話を聞こうとしない。諦めて話を聞いていると、大体まとめると、擬音がどうもしっくりこないので教えて欲しい、との事だった。だが私は1日まるまる同僚の愚痴を聞いて上司が出す理不尽な命令と押し付けられた仕事、これらを乗り越えてやっとこさここまで来れた。今日はもう帰って寝たいというと、数分ごねたあと諦めてくれた。

そして次の日、私は仕事終わりの体に鞭打って友人の家に向かった。早速、友人に擬音について説明を始めたが、問題が1つある。それは私自身があまり擬音について知らず、更に普段からあまり使っていないことだ。それを予め伝えると、

「じゃあ分かる範囲で!」

と言われたので、ごく少ない分かる範囲で説明する。

「まず、擬音というのは2回繰り返すものが多い」

「そういえばそうだね、2回繰り返さないものはあるの?」

「知らん。多分あると思うけど、あんまり分からん」

「他には?」

「使いこなせるとめちゃくちゃ便利。ただ、友達が言ってたけど使う時は理屈とかは無く、感覚みたいな感じで使ってるらしい。ちなみに私は使い所があまり分かんないし、極力というかあまり積極的には使ってない」

「じゃあいろいろやってみる」

「だけど気を付けろよ。使い所間違うと最初のお前みたいに見るに堪えない文章が出来上がる(経験談)」

と、ここら辺で眠くなってきたので帰ることにした。時計を見るともう11時を回っていて、私は急いで帰路に着いた。

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小説の先生 海鮮かまぼこ @Kaisen-kamaboko

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