ステ振り失敗して本当によろしいですか?の選択に永遠と『はい』と応えていたら最強になっていた
ごまみそ
ー本当によろしいですか?って何気に上から目線じゃね?
残業、明日も残業、何なら早出で残業、じゃあ寝る時間は?
そんな事を考えながら家へと向かう36歳の中年社畜、神城(カミシロ)龍信(リュウシン)。
身長186cm程の長身にスラッとした身体つき、普通はこの後サラサラの髪に甘いマスクとかなるんだろうがそんな事はない。
鋭い目付きに疲れきった顔、何なら既に歩いてるだけで女性から避けられている。
只でさえツイてない人生だったのは自覚してる、家族は……元々俺の存在に興味がなかった。
加えて入った会社は超絶ブラック企業、10数年働いて給料なんざ一度も上がっていない。
「ふふっ……ハハハ!!」
何か笑いが出てきた。現代のステ振り失敗したわ、身長極振りでラックゼロだよこれ!
「おいっ!!あんた逃げろ!!」
「ああやべえマジで笑える!神様なんてもんがいんなら今絶対俺見てオ◯ニーしてるわ!ああっ!龍信良いぞ!良いではないかぁ!とか言ってよぉ!」
ガンッ!!!!と鈍い音ととてつもない衝撃で俺の意識は一瞬にして彼方へと消えてしまった。
『異世界より来た者よ、起きなさい』
何か変な声が聞こえる、目を開くとそこは真っ白な空間であった。
自分の手とか確認しようとしても何もない、意識だけがあるといった感覚であった。
『私は貴方達人が呼ぶ神と呼ばれる存在、貴方は暴走したトラックに轢かれてしまい死んでしまったのです』
「うん、良かったじゃん。で?ゴッドだっけ?で?」
『…………えらく態度が悪いですが見逃してあげましょう。貴方の死は本来あの場所ではなかったのです、これはいわば手違い。
よって貴方は特別に異世界へと転生を果たす権利が与えられました。何とステータスを振り分けられるという特典つきです!』
何かえらくハイテンションではしゃぎだした姿も見えないゴッド(笑)、いやいやそれって結局お前等のミスでしょ?
何自分のミスを棚にあげて権利とかほざいてんの?やっぱ神死ねだったわ。
『おや、どうしたんですか?神城龍信さん!異世界ですよ!剣と魔法の世界でやり直しですよ!嬉しいでしょ?さあ、ステータスの振り分けを……』
「上……」
『……へっ?』
「一番上のステに全部極振り」
『えっ?……いやいや!剣と魔法の世界ですよ?!てか貴方寝転がってステータス画面見てないですよね?!ちゃんと選ばないと!』
ゴッド(笑)から言われてやっと身体の感覚が分かってきた、そう俺はゴロゴロ寝転がっていたのだ。
「ああうるせえ……糞みたいな人生手違いで終わらせて何か上から目線でおめでとうとかほざく神うぜえ……絶対言いなりにならねえ。上だよ上!上に極振り!」
すると機械的な声が聞こえてくる。
『ステータス振り分けを終了します、本当にこれでよろしいですか?』
『ちょっと君!流石にこれマズイって!今すぐやり直して!』
「へへっ……ひゃははははは!!いいね!やっと糞神共に仕返し出来るぜ!思い通りになると思うなや!!」
『本当にこれでよろしいですか?』
「はい!はい!はい!はい!」
そこから始まった永遠ともいえる無限ループ。
本当に……
はいー!
ホンはいー!。
ホ、上から目線でほざくなよ!はいー!
次第に何も聞こえなくなってきた。意識が吸い込まれていく感覚、勝った。訳の分からん意地の張り合いで俺は勝利した。
数億年ボタンを連打していたような展開、達成感に酔いしれ意識を失う瞬間であった。
『ハハハハハ!!いやぁ、君最高だな』
…………誰だ?さっきのビッチ臭い糞神とは違う女の声。
『向こうについてもこれだけは良く覚えておいてほしい、もし君が……』
正体不明の女の言葉を聞いている内に意識が吸い込まれてしまい、目の前が真っ暗になった。
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