どこにもいないクマ  6話

 

 きさらさんのぬいぐるみのお店の前に、大きくて黒い自動車が止まりました。

「きさらさん、スゴイ車に乗ったお客さんが来ましたよ」

 ねこのミューミューが、目を丸くしていいました。

 きさらさんがミューミューの横にならんで窓から外を見ると、ちょうど黒い毛皮を着た女の人が下りてくるところでした。

「ひへ~、あれは、豹ですか? ぼくは、恐いです」

 ミューミューは出窓から飛び降り、テーブルの下の潜り込んでしまいました。

 きさらさんも、黒豹だとは思わなかったけれど、ちょっと恐いと感じました。

 カランカラン

 ドアが開けられ、黒い毛皮のお客さんが入ってきました。

「い、いらっしゃいませ」

 きさらさんは、できるだけの笑顔を作って迎え入れました。

 お客さんは、背をピンと伸ばし、お店の仲をぐるりと見回しました。

「ここに、おしゃべりをするクマがいるときいてきたの。どれがしゃべるクマなの?」

 お客さんは、そういってまつげとアイシャドーにかこまれた目できさらさんをにらみつけました。

 きさらさんは、にらまれるまま後ろに一歩下がりました。

「しゃべるクマはどれなの?」

 お客さんはもう一度いいました。

「しゃべるクマ……?」

 きさらさんは、お客さんの言葉を繰り返しました。

「そうよ。いくらお金を出してもいいわ。売ってほしいの」

 お客さんは、重そうな黒いバッグをテーブルの上にどさっと置きました。

 テーブルの下のミューミューは、ますます小さくなりました。

「しゃべるって、どういうことですか?」

「とぼけてもだめよ。ちゃんと、情報は持っているの。この店に話しができるクマのぬいぐるみがいるってことをね」

「そんな、クマはここには置いておりませんが……。電気屋さんにいかれた方がいいんじゃありませんか、ロボットの人形とか……?」

「人をバカにして、ずいぶんなことをいうのね。私は、クママニアよ。家には数えられないぐらいのクマがいるわ。少しでも変わったクマがあれば、私はそれがほしいの。そのためには、ありとあらゆるところから情報を集めているのよ。ここにしゃべるクマがいるというのは、知っているの。うちの運転手が、この店の前を通る度にしゃべっているクマがいるのを見ているのよ。あなたと話す気はないわ。さあ、早くそのクマをちょうだい」

 きさらさんは、このお客さんがいっているクマが、クマ子さんとレオンだということはわかっていました。けれど、この人におしゃべりをするかどうかはわからないので、だまっていました。

「いいわ。いいたくないなら、私がさがすわ」

 お客さんは、端からクマを一つずつ見ていきました。

 眼鏡をかけたクマ子さんの前に立ちました。じっと見てから、きさらさんを振り返りました。

「これね?」

 私にはわかっているのよというように、お客さんはききました。

「い、いいえ。それは売り物ではありません」

 きさらさんは、つっかえながら答えました。

 お客さんは、口の端をまげてニヤリと笑い、クマ子さんのとなりのレオンをちらっと見ました。

「眼鏡のクマがだめなら、これをいただくわ。ピンクのクマね。私好みだわ」

 お客さんは、レオンのほほにかるく手をあてました。

「い、いえ、それも、売り物ではないので、売るわけにはいかないのです」

「お店に置いておいて、売れないはないでしょう。私はお客よ。私はこれが気に入ったの。さあ、いくら出せば売ってくれるの?」

「だから、それは、お売りできません」

 きさらさんは、レオンの前に立ちました。

「私は、それがほしいの。あ、わかったわ。売値をつり上げるつもりなのね? いいわ。いくらでも出すわよ」

「そんなつもりは、まったくありません」 きさらさんは、だんだん腹が立ってきました。売りたくないものを売れといのもひどいと思いましたが、なんでもお金を出せばいいと思っている態度が好きになれませんでした。

「あなたのような人に売るクマは、ここにはひとつもありません。お帰り下さい」

「そう、では帰るわ。でも、覚えておいて、私はほしいものはかならず手に入れる主義よ。そのクマを絶対いただくわ」

 そういうとお客さんは、サッとお店を出て行きました。

 あまりのお客さんの迫力に、きさらさんは圧倒されフラフラになって、イスに座りこんでしまいました。

「なんですか、あれは?」

 テーブルの下からミューミューが、のそりと顔を出しました。

「さあ、どういう人なのでしょうね……」

「恐かったですね。まるで、魔女のようでしたね」

 うん、ときさらさんはうなずきました。

「それにしても、どうして、私がしゃべるクマだとわかったのかしら?」

 クマ子さんがいいました。

「そうですよ。ぼくもしゃべるとわかったみたいだった。もう少しでぼくはひめいをあげるところでしたよ」

 レオンもいいました。

「ひめいをあげなくて良かったな。そんなことをしたら、そのまま連れて行かれちゃうぜ」

 ミューミューは、ひらりとテーブルに飛び乗りました。

「ええ、ぼくも、ガマンをしました」

「それにしても気持ちが悪いわ。絶対いただくって、どういう意味かしら?」

 きさらさんはブルッとからだをふるわせました。


 それから、三日後のことでした。きさらさんがお店に出て行くと、レオンのいたところが空っぽになっていました。

「クマ子さん、おはよう。レオンはどうしたのかしら?」

「え、レオン?」

 クマ子さんは、やっと目を覚ましたのか、目をしょぼしょぼさせて、ぐるぐる首を回しました。

「レオンがいない! きさらさん、ごめんなさい。わたしってなんてことをしてしまったのかしら」

 クマ子さんはなきだしました。

「なかないで。クマ子さん。どうしたっていうの?」

「昨夜夜中に覆面をした男がお店に入ってきたんです」

「えっ?」

「で、レオンを連れて行っちゃったんです」

「どういうこと? 警報機はなっていないわ。わたしも物音には気づかなかったけど」

 きさらさんは警報機を調べました。線が着られています。

「あら、どろぼうが入ったのね。でも、お店は荒らされていないわ」

「そうです。その時、私は大声で叫ぼうと思ったんです。でも、こわくて気を失ってしまったんです。ああ、きさらさんごめんなさい」「いいのよ、それはこわかったでしょうね。それで、レオンがつれていかれちゃったっていうことかしら。どろぼうの目的はれおん……」

「ああ、レオンが連れて行かれちゃったのに、私はなにもできなかった……。きっと、あの、あの魔女のようなお客さんにやとわれたどろぼうだわ」

 クマこさんは、泣きくずれました。

「まあ、クマ子さん、大丈夫よ。あなたのせいじゃないわよ。かならず、私がレオンを助けるから、泣かないで」

 きさらさんは、そういってクマ子さんを抱き起こして座らせました。

「泥棒はどこから入ってきたの?」

「ドアをガチャガチャやって、入ってきました」

 きさらさんは、ドアのノブに手をかけました。ノブを回すと、するりとドアが開きました。

「かぎが上手に明けられているわ。きっとプロの仕業ね」

「警察に知らせた方がいいんじゃありませんか?」

「そうね。でも、取られたものが、クマのぬいぐるみ一体だけだといったら、真剣にさがしてくれるかしら? あら、ミューミューは、どこへいったのかしら?」

「さあ、テーブルの下にいたようですが……」

 クマ子さんが、そういうのと同時にドアを開けてミューミューが、帰ってきました。

「ミューミュー、どこへいってたの?」

「泥棒を追いかけていったのです。車につかまっていたんですけど、途中で車からふりおとされてしまいました……」

「まあ、危ない。けがは?」

「ぼくは、ねこですよ。そんな、まぬけじゃありません。くるっと身をかわして道路に着地しましたよ」

「ああ、良かった」

「それで、レオンはどうなったの?」

 クマ子さんが聞きました。

「連れて行かれました」

「どこへ?」

「わかりません」

「じゅうぶんまぬけだと、私には思えるけど……」

 クマ子さんがつぶやきました。

「恐くて気を失ったひとにいわれたくないね」

 ミューミューもいいかえしました。

「あ、今はそんなことを言い合ってないで、レオンを助けることを考えましょう」

「犯人は、やっぱりあの魔女のような気がします」

 クマ子さんがいいました。

「ぼくも、そう思います」

「そうねぇ。家がどこにあるかわかれば返してもらいに行けるんだけど……」

 きさらさんは、思案顔で手をほほにあてました。

「ミューミュー、どっちの方に車が走っていったの?」

「あっち」

 ミューミューは、大きな道路の方に向かって手をあげました。

「あっちじゃわからないわ。もっとしっかりした方向を教えて」

「だって、車にふりおとされないように必死でしがみついていたんだもの、どっちの方向に走っているかわかりませんよ」

「ああ、あの時、住所だけでも聞いておけば良かったわねぇ」

「そうですね」

「あ、ぼく、車の番号を覚えています」

「それはよかたわ。それを、警察に行って車の持ち主を教えてもらうわ」


 きさらさんは、近くの交番所に行きました。交番所には二人のおまわりさんがいました。おまわりさんに、泥棒に入られたこと、その泥棒が乗っていた車の番号を覚えていることをいいました。

 おまわりさんは、ていねいにきさらさんのいうことを紙に書き取ってから、二人できさらさんのお店にやってきました。お店のドアや警報機を調べて、レオンのいた棚も調べました。

 そのうちにおまわりさんの携帯のベルが鳴り、おまわりさんは、は、は、といいながら何かメモを取っていました。

「おっしゃって下さった車の番号の持ち主がわかりました。でも、……」

「逮捕して下さい!」

 きさらさんは叫びました。

「え、それは無理です。何の証拠もありませんし……」

「じゃ、私をその家に連れて行って下さい。私が調べます」

 きさらさんは、胸を張っていました。

「そ、それは……」

 二人のおまわりさんは顔を見合わせました。

「あなたたちにとっては、たかだかクマのぬいぐるみ一体だと思っていらっしゃるのでしょうけど、私にとっては、家族がいなくなったのと同じなんです。お願いです、その家の方とお話しさせて下さい。もし、おまわりさんが、私の方が間違っていると思われたら、私もあきらめて静かに引き下がりますから、どうぞ、その家の人と話させて下さい。お願いします」

「じゃ、話だけですよ」

 おまわりさんはそういって、二人でかるくうなずき合いました。


 魔女のようなお客さんの家は、木がぐるりと取り囲んだ大きな洋館建てでした。

 頑丈そうな鉄の門の横にある呼び鈴を押すと、誰もいないのに門が静かに開きました。お屋敷まで白い道が続いています。きさらさんをのせたパトカーがその道をゆっくり、入っていきます。

 お屋敷の大きなドアの前に立つと、きさらさんもちょっと気後れがしそうでした。

 ドアについている丸い輪っかをカチカチいわせると、ギギーと音を立てドアが開きました。

 黒い服を着た男の人が「何かご用ですか」といってでてきました。

「この番号の車をお持ちですか?」

 おまわりさんがききました。

「いえ、こちらの奥様は、三台お車をお持ちですが、この番号のお車はお持ちではありません」

「でも、この人が、この番号の車をこちらで見たとおっしゃっているのですが?」

「こちらのご婦人は、どなたですかな?」

「クマ屋です。三日前に私どもの店にこられましたよね」

 きさらさんは、私を見たことがあるはずだというように黒服の人の前に立ちました。

「さあ、初めて目にかかるご婦人かと……」

「うそ、女の人といっしょにうちへ来たじゃない。私は、よく覚えているわ。あなたは、運転をなさっていたわ」

「さあ、何のことかわかりかねますが?」

「奥様という人に合わせて下さい」

 きさらさんは、黒服の男の人を押しのけて部屋の中に入ろうとしました。

「だめですよ。きさらさん。不法侵入になりますよ」

 おまわりさんがきさらさんの肩を押さえました。

「でも、私、この人を覚えているんです。私のクマをほしがった人といっしょにお店に来たんです」

「なんですか、この人は。知らないといっているのがわからないのか。君たちは警察だろう? こんな人間を突然連れてきて、何をしているんだ。これが、警察の仕事か!」

 黒服の人は大声で怒鳴りつけました。

「は、失礼しました」

 おまわりさんは敬礼をしました。そして、きさらさんに帰るようにうながしました。

 その時、きさらさんは、奥の部屋にずらりとならんだクマのぬいぐるみを見ました。やっぱりこの家にレオンがいると思いました。

(絶対にレオンを取り戻してみせるわ)

 きさらさんは、小さくこぶしをにぎりしめました。

 パトカーまでもどったきさらさんに

「もういいでしょう。この家の人は知らないといっているんだし……」

と、おまわりさんはいいました。

「本当にあの番号の車は、ここにはないと思っているんですか?」

 きさらさんは聞きました。

「いえ、きっとここにその車はあると思いますよ。でも、その車があなたのクマを盗んだとは言い切れない」

「そんな……」

「いいですか、もう少し調べてから、もう一度来ましょう。今日は、これ以上は無理です」

「はい」

 きさらさんは、小さい声で答えましたが、おまわりさんにはもう頼まない、私が取り戻すわと心にちかいました。


 おまわりさんが帰ってしまってから、きさらさんは、もう一度、自分の車で魔女館に戻ってきました。レオンを取り戻すためです。今度はミューミューもいっしょです。

「ミューミュー、どこかこのお屋敷に入れるところを見つけて」

「はい、ちょと見回ってきます」

 ミューミューは、走り出してすぐに戻ってきました。

「きさらさん、こちらです。ガレージのところから忍び込めますよ」

 きさらさんはミューミューについていきました。

 森のような生垣に沿っていくと、ガレージの横の金網が小さく穴があいていました。

「私には無理だわ」

「じゃ、乗り越えて下さい」

「え?」

「何を考えてるんですか、考えるより行動ですよ。レオンの危機ですよ」

「そうね」

 きさらさんは、金網によじ登りました。ちょっとからだが思うようにはあがりませんでしたが、レオンのことを考えると力がわいてきました。手や足に擦り傷を作りながら、やっとの事で、ガレージに忍び込みました。

 そして、車の影からそっと顔を出すと、目の前には、黒い服の男が立っていました。

「何をしてるんですか?」

 きさらさんは、男の前で小さくなりました。

「君は、防犯カメラというのを知らないのですか? 何もかも見えていますよ。奥様が、およびです」

 男はそういいました。

 きさらさんは「すみません」といって男についていきました。

 玄関のドアから入ると、奧の間から女の人の声が聞こえてきました。

「こちらへ、お通しして」

「はい、奥様。君、こちらへ」

 きさらさんは、奥の間へ通されました。

「きっと、もう一度もどってこられると思っていましたわ」

 あの魔女が黒いドレスを着てソファーに座っていました。

「やはり、レオンはここにいるのですね?」

「レオン?」

「とぼけないで下さい。あなたがさらっていったクマのぬいぐるみですよ」

「さらった?」

「そうです」

「あら、どのぬいぐるみかしら?」

 魔女は長いキセルを吸って、フーッと煙を吐きました。

 きさらさんは、部屋中壁いっぱい天井まで飾ってあるクマのぬいぐるみを見回しました。レオンのようなぬいぐるみはどこにもありませんでした。

「ねえ、見て下さる。このクマたちは1920年代シュタイフのアンティークベアよ。そして、みてみて、もっと高価なベアがいぱいいるのよ。あなたならわかって下さるわよね。これたちがいかに手に入りにくいものか」

 魔女はそういって、溶けてしまいそうに笑った。

「返して下さい。レオンを」

「レオン?」

「ピンクのクマです。返して下さい」

「ああ、あれね。あれは失敗だったわ。しゃべるなんてやっぱりうそね。表情一つかえやしない。まるで、安物のおもちゃだわ」

「はい、そうです。レオンは、これらのベアには足下もおよびません。だから返して下さい」

「あら、ごめんなさい。どこへやったかしら? 何しろ数が多くて、管理できないの。お安いベアはどんどん処分してしまうから……」

「私のレオンを処分してしまったというのですか?」

「ごめんなさい。後で、それなりのお代をお送りするつもりだったのよ」

「そんなものはいりません。返して下さい」

「そういわれても……。あ、捨てるクマたちを詰め込んだ袋どこへやったかしら?」

 魔女は男にききました。

「外のゴミ箱です。ゴミの収集車がまだ来ておりませんので、まだそこにあるかと」

「えっ、そんな! どこ、どこにあるの?」

「奥様、教えてもよろしゅうございますか?」

「いいわよ」

「こちらです」

 きさらさんは、男の後ろをについてその部屋を飛び出しました。

 すると、ありました。日当たりの悪いゴミ箱の横に詰められたクマたちが苦しそうにしているビニール袋が。

 きさらさんはビニール袋を大事に抱え、魔女の部屋に戻ってきました。

「この子たちを連れて帰ってもいいですか」 魔女にききました。

「え、どうぞ。そのかわり、お代は払いませんよ」

「そんなもの、初めからいらないといってるでしょう」

「あら、そう。そんなもので良かったら、どうぞお持ち帰りになって」

 魔女は手をひらひらふって、帰れ帰れといっているようでした。

「帰らせていただきます」

 きさらさんは、クマのつまったビニール袋を胸に抱き、きりっと魔女に向かい合いました。

「あなたは、悲しい人です」

「あら、そう?」

「あれだけあっても、まだ、クマがほしいのですか?」

「ええ、ほしいわ。悪い?」

「こんなにたくさんいるのに……」

「もっと、もっと、もっと、ほしいわ。それも、どこにもいないような……。えっと、えっと、どういったらいいのかしら……。ええ、何しろ、ほしいの!」

 魔女が立ち上がって叫びました。

「きっと、あなたのほしいクマは、どこにもないと私は思いますよ」

「帰りなさい。そのクマを持って、さっさとお帰り。私は、手に入れてみせるわ。どこにもいないようなクマをね。ええ、絶対に手に入れてみせるわ」

 魔女はきさらさんをにらみちけ、ニヤリと笑いました。

 きさらさんは、信じられないとじっとその様子を見守っていました。そして、少し頭を下げて、魔女の館から出て行きました。

 ミューミューが、きさらさんを見上げてついて行きます。

 車の中で、きさらさんはクマたちを袋からだし、シートに座らせました。

「ああ、苦しかった。やっと息ができますよ。きさらさんありがとう」

 助手席にミューミューといっしょに座ったレオンがいいました。

「恐かったでしょう。もう大丈夫よ」

「ええ、恐かったですよ。でも、どうして、あの人はぼくとお話してくれなかったのかな? ぼくは恐いから、いっしょうけんめい返事をしていたのに、少しもわかってくれなかったんだ」

 レオンは腕を組んで真剣に考えていました。

「あら、そうだったの?」

「なぜですか?」

「そうね。あの人は、耳が病気の人だったのかもね」

「あ、ぼく、字を書いてあげたら良かったのか……」

 レオンは、まゆをしかめていいました。

「レオンは良い子ね」

 きさらさんは、うふふと笑ってちょっと悲しそうな顔をしました。

 きさらさんの運手する車がスピードを上げ、魔女館がだんだん小さくなっていきました。

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