第56話 7-6



「今から食べるの?」


「はい、さすがに朝に全部は無理なんで、いくつか食べておこうかと。」


「・・・私も食べるわ。」


「え、大丈夫ですか?」


「自分で選んだんだから食べるわよ、・・・朝食べられないかもしれないけど・・・」


「あはは、まぁ、食べられるの食べたらいいですよ。持って帰れないアイスとかスイーツ食べます?温かいのがいいなら中華飯温めますけど。」


「中華飯食べるわ」


「お腹すいてたんですね」


「・・・・・・」


「チンするんで待っててください」


「ふふ・・・」


「・・・なんですか・・・?またそうやって笑う・・・」


「甲斐甲斐しいなぁと思って・・・それに、チンするって・・・」


何がツボだったのか、肩を震わせて笑う蓮見さんが、ベッドに転がった。


「ふ・・・ふふ・・・あはは・・・」


「もぉ~~蓮見さん」


チンッ。


「ほら、チンて鳴りましたよっ」


「はぁい」



え、返事した。


かわい・・・ッ



起き上がってテーブルに置いた中華飯を開けて、


「いただきます」



あぁぁぁぁっ!


かわいいぃぃぃ・・・っ


両手でスプーンを持って、ちゃんと手を合わせて「いただきます」。


はふはふとしながら、口へ運んでいく。



「蓮見さん、なんかリミッターおかしくないですか?俺、喋ってること今までと変わってないと思うんですけど。」


俺はいつも買わない豪華なのり弁を開けて片付けていく。


「・・・たぶん、私が忽那君を見る目が甘くなったのよ・・・不本意だけど・・・」


「それって・・・?」


「・・・・・・かわいく見えるのがムカつくっていうこと。」


「は・・・蓮見さんっ俺は前からずっと蓮見さんが可愛いですよ!」


「はいはい」


「・・・さっきのお願い、忘れてないですよね?」


「・・・・・・お願い?」


「手、つないで寝てもいいですか、っていうの。」


「・・・本当に言ってるの?」


「本気じゃない事は俺は言いません。」


「・・・・・・嫌じゃなかったらね。」


「!やったっ!」


「・・・そんなに喜ぶほど?」


蓮見さんは目尻を下げて、最後の一口の中華飯を口に運んだ。


「そんなにもどんなにも、嬉しすぎるので早く寝ましょっ」



呆れる蓮見さんとアイス、シュークリームを半分こして、「朝ごはんなんて食べられない」と、重いお腹を抱え、二度目の歯磨きをして2人でベッドに寝ころんだ。




1つのベッドに蓮見さんと。


・・・やば・・・ドキドキが半端ねぇ・・・


なんでさっき、あんなに触らせられたんだろう。


見えてなかったからかな・・・




俺は、今、心臓の音がうるさいくらい緊張している。







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