あらすじ セブンゲート・オンライン1 消失事件

仲仁へび(旧:離久)

第1話



 仮想の世界で冒険する事ができるゲーム。


「セブンゲート・オンライン」


 その世界では、火・水・木・土・氷・雷・光の七つの国が用意されていた。


 そんな世界に降り立ったのは、一人の少年・樹田託斗(タクト)と、その友人・芦原依(ヨルン)だった。


「なあなあ、よりりん! 面白いゲーム見つけたからやってみねぇ?」

「誰がよりりんだ。勉強しろよ! 赤点だろ!」

「気分転換にちょっとだけ! いいだろ?」


 彼らは、話題沸騰中のオンラインゲーム「セブンゲート・オンライン」を始めた。


 しかし、そのゲームに慣れた頃、彼らはゲーム世界に閉じ込められてしまう。


「えっ、これって事故で閉じ込められてるんじゃねぇの?」

「当たり前だろ、この馬鹿」


 タクトを始めたプレイヤーたちは、突如聞こえたアナウンスから、「ゲームで死亡したら、精神も死ぬ」と言われてしまう。


 それを証明するように各地で死亡したプレイヤーが、再ログインする事なく消失。


 各プライヤーたちに保存されているフレンドリストからも、消失したプレイヤー達の名前が消えていった。


 そんな中、事態を重く見たトッププライヤー達が立ち上がり、「セブンゲート・オンライン」からの脱出方法を探る事になった。





 初心者プレイヤーであるタクト達は、トッププレイヤーの足元にも及ばない。


 そのため、彼等は彼等で日々を生き抜く事を目標に掲げた。


 だからタクト達は、プレイヤーであふれて、宿に泊まる事も出来ない現在の街から離れて、比較的人口密度の低い町・かつモンスターのレベルが低い場所へ向かう。


「これ、何やればいいんだ。えーと」

「僕より長くゲームやってるくせに、それくらい見当つけろよ」


 当面の目標は、生き抜くために情報収集をしながら・装備やアイテムの調達、それから安全確保しながらのレベル上げ。


 しかし、そんな彼らの前に外の世界からやってきた、レスキューという組織が接触。


「我々レスキューは、この世界からプレイヤー達を助けるために組織されたものだ」


 任意の場所に出現できなかった彼らは、バラバラにフィールドに出てしまったらしい。


 レスキューのリーダーが言うには、まだ付近に仲間がいるはずという。


 そのためタクトたちは、彼らの仲間を探す事になった。


「まあ、困った時はお互い様っていうしな」

「はぁ、仕方ないな。この世界全体にかかわる事だし」

「うむ、かたじけない」


 レスキューのリーダーはゴンドウ。


 人情に厚い昔のおやじというイメージの人物だった。


 ゴンドウの手によってタクトたちは、外の人間達も自分達の救出に動いてくれている事を知る。


 しかし、なぜこのような事故が起こったのかは明らかにされていないようだった。





 時間をかけて、周囲に出現したレスキューのメンバーを探し出したタクト達は、彼等とトッププレイヤー達を合わせる事になった。


「でも、トップと顔をあわせるなんて、緊張しねぇ?」

「緊張してるっていう顔じゃないお前が言うな」


 顔も知らないプライヤーにメールを送る事はできないため、トッププレイヤーたちが拠点としている街まで移動しなければならない。


 そのために、自分達より高いレベルのモンスターと戦うはめになって、四苦八苦するタクトたち。


「げっ、ライフがやばっ。あっ、囲まれた!」

「この馬鹿。だから一人で前に出るなって言っただろ!」


 それでも、全プレイヤーの救出のためと、乗り切った彼らは、無事に目的としていた拠点、悠久都市・罪無(ザイナ)に到着。


 知る人ぞ知る高レベル女性プレイヤー・キャンディと面会する事に。


「うむ、アタイに何かようかい。この女王キャンディ様に!」

「なあヨルン、この女の人あれだよな」

「しっ、目を合わせるな。椅子にされている男性プレイヤーなんていない。いない物として扱っておけ」


 無事につなぎを付けて一安心、かと思ったが彼らは次の騒動に巻き込まれる事になる。


 死亡してもいないのに、突然プレイヤー達が消失する事件が相次ぐ。


 世話になっている鍛冶師の少女・シェリカが消えたのを見たタクト達は、その謎の解明に挑むことになった。





 ゴンドウ達と協力して調査した結果。プレイヤー達は、その場から消失したわけではなく、見えなくなって、触れられなくなってしまっただけである事が分かった。


 ゲームの閉鎖空間化によって、セブンゲート・オンラインでは使えなくなっているアイテムがある。


 それはワープアイテムだ。


 登録した場所へ瞬時に移動できる便利なアイテムだが、今は誰も使う事ができない。


 しかし、それでもアイテムを持ち続けていると、何らかの拍子に誤作動を起こし、プレイヤーをどこかへと移動させようとしてしまうらしい。


 それで、移動できないはずだけど、移動させようとして、プレイヤーがその場から消失したように見えてしまったのだ。


「ふむふむなるほどな」

「その説明で分かったのか? 本当に?」

「実はさっぱりだ」

「やっぱりな」


「セブンゲート・オンライン」の世界には、一般のプレイヤー達が行動する、通常世界と、管理者たちが手をかける管理世界がある。


 アイテムの誤作動で消失してしまったプレイヤー達は、その管理世界へ移動してしまったらしい。


 タクト達はその調査結果を、キャンディに報告。


 外の世界の者達から介入してもらって、管理世界へ移動する事になった。


 救出方法は、例のアイテムを持ち物リストから消去する事。


 管理世界をうろつくプレイヤー達を発見し、タクト達はアドバイスを送っていく。


 その最中、彼らの行動を邪魔するように高レベルモンスターがでてきた。


 初めて驚異的な命の危険にさらされるタクト達だが、力を合わせてこれを撃破した。


「俺達コンビが力を合わせればざっとこんなもんだよな」

「調子にのるなよ」

「そこは照れて、そうだなっていう所だろ!」


 そして、無事に元の世界に戻った彼らは、シェリカや他のプレイヤーの復帰を確認して一安心する。






 根本的な仮想世界脱出には役に立っていないが、トッププレイヤ―達から人目置かれるようになった彼らは、それからも各地で起こる不思議な現象の調査を任される事になった。


 時にトラブルに巻き込まれたりしながらも、彼等は「セブンゲート・オンライン」の世界から脱出できる時がくるまで、頑張ろうと誓い合った。






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あらすじ セブンゲート・オンライン1 消失事件 仲仁へび(旧:離久) @howaito3032

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