エピソード43 Mr.Hyde made
「好きだ」
「殺す」
「好きだから殺す」
「殺したいくらい好き」
「生まれてきてくれてありがとう」
「ふふ、嬉しい。信也くんにそこまで思ってもらえてるなんて、私わかってなかった」
「生まれてきてくれてありがとう。だから死なれる前に俺が殺す」
「うん、いいんだよ」
彼がゆっくりとこちらに向かってくる。足元に転がる指の第一関節程度の大きさの薬瓶を踏み潰して。
彼はもう、私を愛するだけのモンスター。この世には害をもたらす悪魔の存在。
だからこそ、私が彼と一緒にこの世を去るの。
彼のあのたくましい手に抱かれて。
「どうして泣いてるの?」
「俺、もう自分が分からない………」
「大丈夫、もう一回、お薬のも?」
「うん」
彼は私を殺したいほど好いているけど、それって異常だよね。
だから――――
「私が普通の信也くんにきっと戻して見せるから。だからそれまでは私で我慢してね」
「俺にはもうお前しかいないよ」
好きになった方が負けなんだよ?
負けた方は、勝った方に好き勝手されるのは、歴史が証明してるよね。
「信用してくれてありがと。私にも信也くんしかいないよ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます