第10話

だが、

この後は。地獄だった。

今度、

俺はナツに手を引かれ、

「ジム行こう...」と無理矢理連れて行かれた。

正直、行きたくない。美容室はただ、座ってれば事が済むけど。ジムで椅子に腰掛けてるだけでいいわけがなかったんだ。


「おとーさん!彼、友達のお兄さんなんだけどー、運動してなくてー、もう、なよなよして、筋肉がないからー!身体大きくしてあげたいの...!」


「任せなさい...!!」


滅茶苦茶ごりごりのマッチョで、

パッと見、ヤーさんかと見紛うような強面の

おっさんに、俺はバシーンとうっすい背中を

叩かれて、思わず冷たい床につんのめった。


「お、お手柔らかにお願いします...」


そう言うのが精一杯だった。


このあと、筋トレを散々したんだけど。


俺は死んだ...。




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