第3話


メイク道具、多分、

ビューラーって名前のやつをカタンと小さな音を立ててテーブルの上に置き、

四人の中で一際露出がひどくて、

髪の毛は金色の目でか女が、俺に言った。


「ああ...!あなたの妹のアイリ?買い出しに行ったよ。

アイスとかお菓子とか買ってくるって」


続けて、ベッドのへりに腰掛けてる、

髪の毛赤毛のショートカット女が、

少し冷たく俺に言った。


「もうそろそろ帰ってくるんじゃない?

駅前のスーパーに行ったから」


「.....あ、そう...」


「それにしてもさ、随分と綺麗にしてんのね。

男の部屋なのにさ。ベッドの下にエロ本の一冊も見当たらなかったよ...!」

と金髪ギャル。


「おい、おまえら、いいか、人の部屋を勝手に

我が物顔で使ってだな、更にベッドの下まで覗くとか、やめてくれよ...」


「物色したのはハルだけよ。

あ、その派手な金髪の子の名前がハルね。

で、赤毛の私は冬の子と書いてトウコって

言うの」


「そんで、ベッドですーすー寝息を立ててかわいい寝顔して寝てる茶髪のボブの子が

ナツで...」


「今、机でめちゃくちゃ集中して勉強してんのが、アキよ」




「春夏秋冬....」


俺はそう呟き、頭が痛くなった。


何だって俺の部屋を女子会の会場?

にしちゃってんの、アイリときたら。


くそっ。帰ってきたら

問い詰めてやる...!


幸いにも。


大人向け雑誌は、昨日の資源ゴミに纏めて出してしまっていたから、俺の部屋にはなかった。


それだけはまぁ、救いだった。







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