第3話
「おーい!ここにも人が倒れてるぞー!」
灯りを持った人がそう叫ぶと、数人が集まってきた。
「…!まだ息がある!外傷はないようだな。しかし、見ない顔だな…とりあえず運ぶぞ!」
(頭がぼーっとする…なんだか騒がしいな。)
「おい!意識が戻ったぞ!大丈夫かおい!」
「ここは…いったい…。」
「お前、旅人かなんかか?見ない顔だが…どこからやってきた?」
「僕は…くそ…何も思い出せない。」
「おいおい無理するな!しっかし最悪な時に来ちまったな。」
「最悪?なにを言ってるんだ?」
「お前…なんもしらんのか?ハ〜おめでたいやつだ。今はな、モーの大移動の時期でよう、今年は魔人達のせいで通り道が村を半分飲み込んじまったんだ。」
どうやらこの村人が自分をここまで運んで、救護してくれていたようだ。
「モー?魔人?いったいなにを言って…。」
「お前、裸じゃ寒かろう、これを着なさい。」
村人が服を持って来てくれた。
「俺が着せてやる。ほれ背中を…そ、その紋章は…魔人だぁー!!」
村人は背中を見るなり叫びだし血相を変えて逃げ出した。
「おい!ちょっと待て!クソ…なんなんだ。」
(とりあえず、服は頂いてここを出よう。)
村人の家なのだろう、窓には干し肉が吊るしてあり。
テレビも無く、電気も通っていないようだ。
まるでゲームのような、異世界に…。
(異世界!?そうだ、あの神とかいう奴に!)
だんだんと記憶が蘇って来た。
(なんかルールがどうとか言っていたな…思い出せない。)
「待て!」
目の前に鎧を着た騎士らしき男が剣をこちらに向けて対峙していた。
「貴様、魔人だというではないか。何が狙いだ!」
「次はなんなんだ…俺は異世か…」
–– 転生したこと、の一切忘れろ。––
何かの力が働き言葉を発する事ができなかった。
「災いしかもたらさぬ魔人の分際で、私と言葉を交わすか!––我が剣に魔を貫く光を授けよ––」
騎士剣が光輝き出したと思うと、先行の如く斬りかかって来た。
「やめろ!うわぁ!」
「!?なぜだ…なぜ我が剣技が効かない…いったい何者だ…!?」
身体に多少の痛みは有ったが無傷であった。
(今斬られた感触がしたけど、なんともない…いまのうちに!)
「ま、待て!」
物凄い速さで駆け出した。
「うひょー!身体が軽い!しかも何だこの速さは!」
次回は②Wis@mo-rusu
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