第1話
「僕に居場所なんてないんだ…こんな世界、無くなってしまえばいい。」
とあるビルの屋上で、彼は星を見たさに空を見上げていた。
しかし、輝きを放つ星はひとつだけ。
そして彼もまた、この闇の中では
見下ろした先には小さな黒い点が集まって、河のように流れている。
「むかつく…。」
昔、蟻を観察していた時を思い出し、好奇心で夢中になっていた自分の中に絶対的な強者であることへの優越感が堪らなかった事に気づく。
行き場のない苛つきに、衝動が抑えられない。
「踏み潰してやる…。」
彼は片足をその黒く流れ続ける河に差し向け、身体を預ける。
彼は
(ここは…なんでまだ生きているんだろう…。)
重く、冷たい海の中に落ちる感覚がした。
身体の感覚は無く、動かすことは出来ない。
(このまま、僕はどうなるんだろう…。)
< …転生プロトコルを開始。>
(!?)
突然、頭の中に聞き慣れない言葉が現れた。
< 対価となる物を差し出してください。>
(対価?いったい何の話を…。)
< 対価となる物を差し出してください。>
(うるさいな…ほっといてくれ…。)
< 対価となる物を差し出してください。>
(わかったから、僕の頭の中で騒がないでくれ!)
< 対価となる物を差し出してください。>
(はいはいはい。もう好きにしてくれ…。)
< オートメイションコントロールに移行しますか? >
< はい・いいえ >
(なんだこれ…ゲームみたいだな。)
< 移行しますか? はい・いいえ >
(はいはい。)
< 要請を受理。>
< オートメイションコントロールに移行。>
(なんだか…急に……意識…が……。)
< 転生プロトコルに必要な対価、〝魂〟を抽出。>
< 特性、〝闇〟を獲得。>
< 闇無効、光耐性、物理耐性を獲得。>
< 条件を達成。ユニークスキル〝静かなる者〟を獲得。>
< 〝静かなる者〟の効果で、基本ステータスが上昇。光耐性が光無効に進化。>
< ステータス値、無効耐性により条件を達成。>
< ユニークスキル〝獅子の申し子〟を獲得。>
< 条件を満たしました。>
< エクストラスキル〝強者〟を獲得。>
< 転生プロトコルを完了。>
< 転生完了。>
< 再起動。>
・・・・・。
次回は②Wis@mo-rusu
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