第4話 オタクピンチ

剣先が明らかに俺に向いている。

ゆっくりとだがジリジリと間合いを詰めて近づいてくるのがわかる。


(やばい訳もわからずいきなり切られるなんて)


剣を大きく振りかぶりそして止まった。


「その肩から下げている物はなんだ!?」


恐怖に怯えて銀髪ちゃんが何を言ったのか全く耳に入ってこなかった。


「おい聞いているのか?人の話を聞け!」


やっと何を聞かれているのかわかった。


「あっこっこれはカッカメラって言うんです。」


慌てて肩からカメラを取り前に差し出すと


「あわぁ、わわ、わ、何だそれは武器か新しいぶきなのか?それで私を倒そうと言うんだな。」


ものすごい慌てようでさっきまでの凛々しく頼もしいくもあり格好よかった姿とはほど遠い非常に可愛らしい女の子の表情になっていた。


僕は冷静さを取り戻したと共に、その可愛らしい姿に少し微笑んでしまう。


「あのねこれはカメラって言うんだよ。見たことないかなー?んーないだろうなその感じだと。」


「それと銀髪ちゃんが言っている武器とかじゃないから。勘違いしないで。」


焦りながらも興味津々な顔に変化した様子で少し近づいて来た。


「ぶっ武器ではないのだな。」


少し安心した表情になったところで


「ならばそのキャメラというのは何なんだ?」


僕は「そのキャメラってメチャクチャ発音がいいんだけど、まーいいか。んーとカメラね。」


カメラを銀髪ちゃんに向けて覗き込みシャッターを押した。


「カシャシャシャシャシャシャシャシャッ」


どこかでスイッチを押し間違えたのか連写モードになっていた。

 

ビクッと驚いた様子で一歩引いて固まってる銀髪ちゃん


「ごめんごめん、連写モードになってたよ。ハハ。」


「ハハッではない。なにを笑っている!」


「これはね、写真と言ってその時の情景を残しておく物なんだ。被写体が人だったり物だったり景色だったりね。」


と言いながら今撮ったばかりの連写モードを見せてあげた。


銀髪ちゃんの興味津々な可愛い顔から、驚きの顔へと変わっていくのは圧巻であり凄く笑えた。


「えっ何?私が中に入ってる〜?!もー何なんなの?」


困った顔をしながらも次から次へと出てくる写真を覗き込んで見ている。


(かっ顔が近い。。)


吐息が聞こえるほど近くに来て見ているので、緊張してしまった。


「わかった?だからこれはカメラと言って写真を撮る物。武器じゃないんだよ。」


カメラの電源をオフにして肩から掛け直した。


「なるほどね。嘘をついている感じじゃないから一応は信じてあげる。」


またさっきまでの可愛い女の子の顔に戻ったようだ。


僕は周りを見渡して改めて尋ねる。


「あのー聞いていいかな?」


んっといった表情の銀髪ちゃんがこちらを見た。


「なに?」


困った顔で「ここはどこですか?」と一応は聞いてみた。



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