第2話クラスの知らない可愛い子!

「待って、山田優作」

え?僕は振り向いた。

そこには僕より少し背の低い綺麗な女の子がいた。

僕は考えた。なぜ、僕を止めたのかを。

クラスの中で目立ってなく、特に面白い要素もない僕を女の子が止めるか?いや、止めない。多分僕が何かしてしまったんだ。謝ろう、とりあえず謝ろう。

先手必勝だから。よくお母さんが言ってた。

優作「ごめんなさい!何かしたならほんとに申し訳ない。許して欲しい。何でもするから!どうか、警察は勘弁してください!」

?「え?何言ってんの?面白いこと言うのね。

優作は何も悪いことしてないよ。ちょっと部活のことではなしたくてさ!私田中冬美!(たなかふゆみ)

よろしく!」

優作「よろしく、僕の名前は山田、あっわかってるみたいだよね。ところで部活の話って?」

冬美「そう、部活の話!優作なんか、入りたい部活とかないの!?」

優作「特にはないかな。」

冬美「そなの!じゃあさ!私と

「軽音部」入らない?」

え?軽音部?なんで?僕が部活にましてや軽音部に誘われてる?まさか、いや、そんなわけ。

とりあえず理由を聞いてみよう。

優作「お誘いは嬉しいんだけど、どうして僕を軽音部に誘うの?自己紹介の時も音楽好きって言ってないんだけど?」

冬美「あはは、たしかにそうだね。わかったじゃあ優作!この呼び方で呼んだらどうかな?音楽の天才

作詞の天才って!」

はい?今なんて。何でその呼び名を知ってるんだ!?

この学校にはいないはずなのに

優作「何を言ってるの?冬美さんは?」

冬美「なにって優作の昔のあだ名じゃない。」

優作「僕わかんないなー。人違いじゃない?」

冬美「ううん、絶対あってるよ。写真もあるし、なんなら表彰されてる時の動画もある!」

冬美さんって恐ろしい子。関わっちゃいけない。

絶対関わりを持っちゃいけない人だ。

優作「ごめん、他の人あたってください」

冬美「そうやってまた逃げるの?優作の書いた歌詞で喜んだり、励まされたりする人たくさんいるのに。」

………

優作「昔のことだよ。今の僕にそんなたいそうなもの書けないよ。それに今の呼び名は落ちた天才、書けなくなった天才だよ。」

僕は冬美さんに背を向けその場を去った。


優作の部屋


優作「あー」

今日の冬美さんとの会話が頭をよぎる。

また逃げるの?その言葉が永遠に僕に問いかけてくる。

逃げて何が悪い。もう書けないんだよ。

そう思ってしまう自分が情けないと思う。

優作「よし、気分転換にアニメでもみるか」

僕はテレビをつけて好きなヒーローもののアニメを見た。

ヒーローものアニメ

主人公「僕には小さな女の子1人守ることはできないんだ。僕には才能なんてない。ほっといてよ!」

びたーん!

主人公「いたっ」

ヒロイン「何弱音はいとんの!うちの知ってるゆうくんは、そんなんじゃなかった!笑顔で人助けて

みんなを安心させ取ったのに!また逃げるん!?

そんなゆうくんうち大嫌いや!」


優作の部屋

うわーいやなタイミングで見ちゃったわ

普通こんなドンピシャに当てはまる?

僕こういうのに影響受けやすいんだけど。

もう知らん寝よ。

時間が経ち、20時過ぎ

うーん、寝過ぎた頭痛い。

ピロン!(携帯の着信音)

なんだ?

「優作、学校ではごめん。いきなりびっくりしちゃったよね。もっと詳しくちゃんと話したいから。明日の放課後第二音楽室で待ってます。冬美」


え?こんなの来たら断れないよ!どうしよ。

あ、でも僕についてどれだけ知ってるかわかるチャンスか。よし!明日暇だし行って話だけ聞こう!


次の日の放課後

掃除が長引いちゃったな。冬美さんは先行ってるっぽいし、急ごう。

第二音楽室

ガチャ、僕が扉を開けるとそこは軽音部の体験入学中でした。

優作「え?」

僕は頭が追いついてなかった。そんな僕に後ろから

冬美「あははは、ほんとに来てくれたんだね。

嬉しいよ。」

僕はこの言葉で理解した。

うわー騙された。普通に考えればわかるじゃないか

僕のバカ!


軽音部の部長らしき人「はーいみなさん一回席についてください。

これから体験入部をしてもらいまーす。」

チャラい人「部長!なんか、そこにバンドメンバーに捨てられた可哀想な人いますけど、ここはそんな人でも入れるんですか?」

え?そんな人いんの?誰だ?

指の先を確認するとそこには冬美がいた。

え!?どゆこと!

よくみると冬美はとても悲しそうな顔をしていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る