第27話 グリム童話っていいよね♡

 実は私、グリム童話が好きである。美しいお姫様が王子様とラブラブしちゃうから。ほら、ディズ◯ー映画で有名なシンデレラ、白雪姫、美女と野獣、ラプンツェルの原作はグリム童話なんだよ。


 ヒロインたちが幾多の困難を乗り越えて、王子様と結婚する王道パターンが好きなの。小人や妖精も出てくるから好き♡ 魔女や継母が敵設定もいいわ。


 しかし、幼い頃、一つの疑問を持った。シンデレラのお父さんはなぜあんな意地悪な女と再婚したんだろう? 


 王子様とのキスシーンに酔いしれている友達やどのお姫様が好きかキャッキャッしている妹たちに聞いた事があるの。みんなドン引き。無視。スルー。


 十九才、幼い頃の疑問に自分で答えを出した。王様だって男だもの。お妃様亡き後、独身を貫けないわ。あの憎たらしい継母とのエッチが良かったのよ。


 シンデレラをいじめたように、きっとホウキで叩かれるのが趣味だったんだわ。性的嗜好は人それぞれね、納得。うん、童話の楽しみ方が間違ってるね。


 それから少しして、私は立原えりか先生の童話塾通信講座を受ける。グリム童話、アンデルセン童話についても学ぶ。学ぶ。学ぶ。


 グリム童話ってグリム兄弟のオリジナルじゃないのよ。ヨーロッパで広く語り継がれてきた伝承を物語にアレンジしたの。えっ! 知ってる? じゃ、1812年の初版から1857年第七版まで増補改訂を繰り返してきたのは何で? 


 そもそも、グリム兄弟がこの童話集を出した目的は? 当時ナポレオン率いるフランス軍からの解放運動が盛り上がり、民族的遺産を再評価しようという目的だったから。一言で言うと、を取り戻そう運動。


 グリム童話の原題は『子どもと家庭のための昔話集』といって略してKHM ね。メルヒェン集。この童話集を通して親は子どもに言葉や文字、価値観を教え、善悪の判断、想像力、美的感覚を育てる目的があったの。


 自然文学を通しての情操教育よ。グリム兄弟は教訓と幸福に満ちたもとなる事を願い、子どもと女性に捧げたの。だから増補改訂を繰り返したってわけ。


『本当は怖いグリム童話集』ってご存知? 私はこの本を読んだ時、めちゃくちゃ興奮した。何度もって思ったわ。


 グリム兄弟は風潮と目的を鑑みて改訂したのよ。結婚こそが女性の幸せだっている中で、伝承話は未婚の出産、重婚、近親相姦、実母の虐待がてんこ盛り。


 シンデレラや白雪姫をいじめていたのは実母かもしれないし、ラプンツェルは王子様とやりまくって子供作ってるし……。本当はエロいグリム童話よね。


 ラプンツェルって言えば、ほら、映画版は少し違うわね。あらすじ覚えてるかしら?


 ヒロインのラプンツェル、実は、幼い頃に連れ去られたコロナ王国の王女で、長く美しい金髪を持つ明るい性格の少女で、その髪の長さは21メートル。長く美しい髪には、どんな病気ををも治す黄色の花の成分が含まれているのよね。不思議な魔力の力を持ったお姫様。


 ヒーローは王子様じゃないのよね。イケメンだけどキザな性格で、悪名高き泥棒で指名手犯。塔に侵入したことから、ラプンツェルと出会うの。18年間外出したことのないラプンツェルの外に連れてってという頼みを聞き入れて頑張るのよね。


 誘拐犯はゴーデルっていう養母。ずる賢く執念深い性格で、若さを保ちたいが為に、ラプンツェルを閉じ込めておくのね。魔女よ魔女。


 色々あってもラストまで清らかで賢くて、結婚してめでたしめでたしね。


 原作はエロいのよ。塔の上からラブビーム。王子様がラプンツェルの胸を食べちゃうシーンがあるの。うん、簡単に言うと、エッチしたよってことね。


 さて、今回ご紹介するのは、風鈴さん『ちょっと大人な昔話や童話などはどうでしょう?』です。第一話はオリヒメとヒコボシ。(こちらも最高)


 第二話にがあります。少し試し読みしてみます?!

 

 ☆☆☆

 むかしむかしのお話です。


 魔法が使えたり、お城には王子様が、森には魔女などがいた頃のお話です。


 ある森の中に、ラプンツェルという、それはそれは綺麗な若い女性が、とある高い塔の上に住んでいました。


 この女性は、初めの頃は、その長い金髪を、魔女がラプンツェルと呼んだら塔の窓から垂らして、魔女を塔の中に入れていました。


 ラプンツェルは、塔から出られません。

 そのため、魔女が塔を出入りして、ラプンツェルのお世話をしていたのです。


 なぜ出られないかは、そのお世話をしている魔女さえも良く知りませんでした。

 そして、一階の扉も閉まったまま、開けられないのは、なぜかも知りませんでした。


 ただ、魔女は、怖い魔王の命令を実行するだけです。


「もう、良いでしょう。魔女が髪の毛を手繰って登ってくるのは、とても首が疲れて、頭痛や肩凝りが酷くなるのよね。そして、これからは・・うふふふ」


 そう呟いた時、塔の下から声が聞こえました。

「ラプンツェル、ラプンツェル!貴女の綺麗な髪を垂らしておくれ」


 魔女がやってきたのでした。


 ラプンツェルは髪の毛を垂らしました。

 ☆☆☆


 はい、ここまで! もうラプンツェルでしょ? 肩こりがリアルよね。


 続きは、ご自分の目でお確かめください。


 大爆笑しました。風鈴さんのこの作品をグリム兄弟が読んだらひっくり返ると思います。私も笑い過ぎて、お腹痛くて、面白すぎてしばらく忘れられない作品でした。


 


 ぜひご一読ください。



https://kakuyomu.jp/works/16816452221284401593

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