第15話 性学習っていいよね♡

 実は私、ラブコメを書いた事がない。『Proverbs 』という自主練作品で色々なジャンルを書いているのだが、そこでに挑戦しようと思った。


 まずはカクヨム内を探索する。タイトルってどんな風に付ける? どんな風に書き始める? 初めて挑戦するときはいつも見よう見真似だ。


 タグで探す。うーん、どれにしようかな? 面白そうな物を探す。探す。探す。


 インパクトのあるタイトル発見! ポチッとする。あらすじをチェック。


───エッチな事に翻弄される高校生三人組によるラブコメ───


 そうなんですよね。中学生とか高校生の三人組っていうのがラブコメの王道ですよね。そう思いながら一話目をポチッとする。


 いきなり学校での性教育から始まる。うん、大事だよね。高校生だもの。知識だけじゃダメだよね。しっかりコンドーム着ける練習もしておかなくちゃ、えっ?! 袋から出すの? 水風船にして遊ぶんじゃないの? (昭和)


 性学習の時間ですもの。コンドームを手に取る必要ありますね。ここからラブコメに発展するんですよね? 好きな女の子をデートに誘って……。


 続きを読み進めていく。ユウ、ゲンキ、ソラタの三人組がコンビニに寄る。お菓子を買うのかしら? なんと買った物はコンドーム。ドット入りとかイチゴの香り付きとかスベリ止めとか迷って、結局、レギュラーサイズを手に入れた。


 うん、女の子とデートする時の必需品ですもの。大事よね。好きな女の子がそろそろ登場するのかしら? 私は期待しながら読み進める。だってラブコメですもの。告白したり、されたり、軽くキスしたり……。最終話で結ばれるのよね。


 おーい! 勃ててどうする! 三人組がコンドームを着ける練習を始めた。毛を巻き込んで痛いって騒いでるし、コンニャク温めてるし、正直、どうしましょう。焦る。笑う。迷う。読まなかった事にしちゃおうかな。フォローしてないし。うん、コメントも書いてないし。いいよね。……けど無理だった。


 続きが気になって、オナニー合戦を見届けたくなった。いや誘惑に負けた。気がついたらこの三人組のおバカで純粋な所に好意を持ってしまった。


 おーい、刺激が欲しいからってコンニャクの表面、フォークで刺したらダメよ! 案の定、シュウ酸カルシウムでチン◯腫れちゃったでしょう。痒いね。


 えっ! TE○GAって何? ごめんなさい、おばさん見たことないんですけど。一個千円近くするの? 赤と白のシマシマなの? 派手。どうやって使うの?


 まじですか? うん、一回きりじゃ高校生には高い代物よね。けど、使い回ししようとしてるね。衛生的に大丈夫かしら。∑(゚Д゚)老婆心ながら心配して初コメントしてしまった!


『煮沸消毒したらいいと思います』ドヤっ! 星都ハナス


 TENG○を見た事がないおバカな私に、丁寧なお返事を下さった作者さま。



 さて今回ご紹介するのは、狐月燿藍さま。『僕らはみんな生きてイクっ!〜

「性学習の時間」以来、ツレの様子がなんだかおかしいんだけど』です。


 完結まで追い続けて良かったと思えた作品です。下ネタ路線ではありませんでした。狐月さまのこの作品への思いをお伝えしますね。


───ひとがひとらしく生きていく道を選ぶために迷う姿を描いたちょとエッチなラブコメです。本当の意味で個性を尊重される、そんな社会に近づいて行ってほしいと思っています。『SOGIE の考え方を表現したくて、この作品ができました』───


 ソジー? もう一回言うね。SOGIEです。私もこの機会に調べ、こう思います。


 SOGIE(ソジー)とは、性的指向(Sexual Orientation)、性自認(Gender Identity)、ジェンダー表現(Gender Expression)を組み合わせた用語です。


 それは人間の性のあり方を形作る構成要素で、誰もが持っているものです。自分には関係のない話ではなくて、自分の生き方を考える姿勢で、性表現の多様性について正しく理解したいものです。そうするなら互いに認め合う事が出来ると思います。


 この作品から人が人を好きになる事、認め合うことの大切さを読み取る事ができました。


 ユウ、ゲンキ、ソラタだけではなく、友達や学校の先生、親、社会がどう真摯に向き合っているかも丁寧に書かれていて、涙したり、笑ったり、癒されたりしました。とても真面目で深いテーマでした。爽やかな読後感です。


 もっと紹介したいのですが、ネタバレになるのでここまでです。作者さまの遊び心も隠れていて、読了した時に天晴れって思いました。


おすすめです。ぜひ一度お読みください。


 https://kakuyomu.jp/works/16816700426915995707

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