第7話 刺青っていいよね♡

 実は私、刺青が好きである。もちろんのこと、私にはない。そして好きなのはオシャレなタトゥーではない。唐獅子牡丹、鯉、虎、龍、天女、鳳凰など和彫りデザインが好み。


 二十代前半、職場で刺青を見る事が出来たが、腕だけ。背中も見せて欲しいなと思っていた矢先、「ヤクザの愛人になる気のある人手を挙げて!」公募があった。野球選手、俳優、記者の愛人公募より魅力的。(どんな職場やねん) 笑


 父親に相談。「お前は薬打たれて、海外に売りとばされるだけだ! やめておけ」父親の一言で断念した。(どんな親子やねん。会話が普通じゃない) 笑


 しかし、健全な場所でやっと見る事が出来た。科学博物館の人体の不思議展にそれはあった。保存された人間の背中。剥いだ皮に美しい刺青。見惚れる。


 ヤクザ殺害後、山中に埋められ、腐乱しても刺青は綺麗に残るそうだ。


 さらに、私は『人間の証明」が好きである。原作を何度も読んだ。映画も観た。ドラマでも感動。有名なのであらすじなどは割愛。


「キスミーに行くんだ」西条八十の詩。「母さん、僕のあの帽子どうしたでしょうね」だけでも、感動がよみがえる。


 さて、今回ご紹介するのは、mono 黒様 『幻のせな


 舞台は繁華街。ビジネスホテルで殺人事件が起きた。ただの殺人ではない。刺青の部分が剥ぎ取られていた。「刺青皮剥殺人事件」の捜索が始まる。

 

 容疑者の一人として、近くの花屋の青年が事情聴取される。撫川と名乗る青年を取り調べていくのは、新米刑事、久我。


 撫川は、ヤクザ鹿島の愛人。情夫だ。二人の取り決めとして、鹿島は撫川を抱くときは、服を脱がす事が出来ない。


 新米刑事、久我は撫川に張り付くうち、彼の過去を知り、恋心を抱き、そして……。

 

 全部言いたい。話したい。紹介してしましたい。ネタバレになるので我慢。


 刺青の話に戻るが、皆様は化粧彫りをご存知でしょうか? 白粉彫りとも呼ばれるこの刺青、普段は見えないが、皮膚が熱を孕んだ時に、浮かび上がる妖艶な彫り物の事。都市伝説、または幻の彫り物とも言われている。


 スリリングな展開、ミステリーラブサスペンス要素ありで、一気読み間違いなしです。刑事と容疑者のBL 要素もありです。


 ヤクザ鹿島がカッコよすぎます。背中が見たい。いやいっそ抱かれたい。



 誰の背中に幻の彫り物はあるのか? それはいつ表れるのか? 幻の背中を必ず見たい。もう興奮しながら読み進めてしまいました。読了後、

 

♪───Mama, Do you remember 〜♫ の歌詞を、Brother に置き換えて歌っている事でしょう。


 ヒューマンドラマです。何度も読み返したくなります。是非ご一読を!


https://kakuyomu.jp/works/1177354055058479704

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