25話目 私は強くなった!
大魔術大会。それは魔術学校の生徒が参加する大会である。そこで優秀な成績を残した生徒は将来が安定するとかなんとか。100年近く続いている由緒ある大会だそうだ。
私はそれをぶっ壊す!
ランキングが発表されてから一ヶ月、私は勉強していた。でも、それだけではない。とにかく修行。どれほどの威力であれば相手が塵も残らずに消えてしまわないか、実験を繰り返していた。実験をする相手はモンスターだ。なら、どうやってモンスターに出会う?答えは簡単。
学校が終われば冒険者ギルドに行ってモンスターを狩る。狩る。狩りまくる。
これを繰り返していると、私のレベルがやっと上がったのだ!更にこれを繰り返して1ヶ月。
私はとても強くなりました。
【個体名 アンドウ・ミカ・ゼルディア Lv10
職業:魔術師見習い 種族:ハーフエルフ
HP:10000 MP:☓
攻撃:8000 防御:4000
魔攻:☓ 魔防:6000
俊敏:8000
スキル:魔術の神聖(成長途中:80%)
:鑑定Lv10
:社畜精神
:ホープ・インフィニティ
:器用貧乏
:斬Lv10
:繰糸術Lv10
:マナドライブ
称号:魔術師の神聖
:働き者(社畜)
:想い
:龍を統べる者
:ジャパニーズニンジャ!
加護:龍神の加護 】
とまぁ、こんなふうに。
…………違うんです、こんなに強くなるはずではなかったのに…。
とにかく強いモンスターと戦って実験を繰り返したのは覚えてるんだけど…。その後のモンスターどうしたの?と聞かれたら、倒したよ、としか答えられない…。
こんなふうに、成長しました!
新しいスキルとして器用貧乏、斬Lv10、
繰糸術Lv10、マナドライブの4つをゲット。
器用貧乏とは響きは悪いが、まあまあ使えるスキル
だった。隠匿や気配察知、遠視など、冒険者がよく使うスキルを纏めたスキルだった。
斬Lv10は剣術スキルを一纏めにしたやつ。超級剣術以外の剣術スキルは使えるようになった。
繰糸術Lv10はその名の通り、糸を操るスキルだ。
火魔術みたいに、周りに被害が加わる魔術は使いづらいので、どうにかして使えたらなーと思っていたら、「あ、糸みたいに使えばいいやん」という画期的な発想から鍛えてゲットしたスキル。
これを魔術と合わせて使えば、炎の糸が出たりする。割と使いやすいので当たりスキルだったと思う。
ただ、繰糸術をLv10まで上げると、『ジャパニーズニンジャ!』という謎の称号が贈られる。私は忍者ではありません。
そしてマナドライブ。これはMPを消費して自身を強化するスキルだ。ただ、他のスキルと毛色の違うスキルだった。
一度発動すると、文字通り強化される。その強化は絶大だが、欠点がある。発動しにくいのだ。
スキルは「使う!」と思って使っている人が多い。極めた人は無意識にスキルを発動させているのだろうが、新しいスキルは馴染みがないため、意識してしまうことが多い。発動するのに時間がかかる。
といっても2秒位。されど、一流の魔術師はこの2秒で魔術を完成させてしまう。
更にこのスキル、常時発動することができない。
戦闘中だけこのスキルが使える。だから不意打ちとかは防げない。
そして一番の問題が強化の内容だ。
このスキルは…感情によって強化される内容が決まっている。
例えば、興奮、怒り。攻撃的な感情は攻撃、魔攻、俊敏が100000上昇する。
庇護欲、忠義。守りたいと思う気持ちはHP、
防御、魔防、を100000強化する。
あまりにも偏っているため、使いづらい。
重要なポイントで使えば、それは切り札となる。
この切り札をいつ使うか…ポイントになってくるだろう。
大会で思いっきり暴れてもいいように、結界魔術の練習もしておいた。理の魔術は使う。使用するのは、決勝のときだけにするけど、基本使わないようにしておきたい。
この大会でストレスを発散させるために。
努力はした。後は結果を出すだけだ!
そして。魔術学校。ドームに生徒たちが集まる。
日差しが照りつけ、生徒たちの親が客席からこちらを覗く。
エントとローズも観客席でポップコーンを片手にしっかり構えている。一応、アリスやヘンリーも呼んでおいた。
折角の娘の晴れ舞台なんだから見に来てほしいなぁ〜と連絡したら絶対に行く!とヘンリーから返事を貰った。情けない格好は見せられない。
いよいよ。
大魔術大会が始まる。
「これだけ強くなれば余裕を持って戦える!」
意気込むわたし。
「ミカさぁん、き、緊張してきましたよぅ…」
ひよるアリシア。
「この大会に優勝したら告白するんだッ………」
フラグ建築1のイグニス。
「この大会に優勝したら辞職するんだッ………」
フラグ建築2のエマ。
そして飛ぶ鳥を落とす勢いのわたしたちを落とそうとする先輩達。
様々な感情が交わる中、ユーラさんが壇上に立ち、宣言する。
「これよりッ!第106回大魔術大会の開始を宣言する!」
てめぇら全員、ぶっ○す!
頭のおかしいハーフエルフがついに動き出した…。
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応援よろしくお願いしまーす!少々短めでした。
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