これはデートですか? 1

はい。私です。アリシアです。先日というより昨日あんなひどい目にあわされたアリシアです。

昨日は最悪と言っていい一日でした。朝からファーストキスを奪われて。その後魔術を吸収するという荒業を習って。その後ダンジョンでぷれいをしてしまったり。挙句の果てには空から落ちました。


気絶していた私をミカさんがお姫様抱っこをして運んでくれていたようですがそんなの知ったこっちゃないです。その場で説教をしました。途中から反省してうなだれるミカさんは可愛かったです。萌えです。


さてそんな私はミカさんに謝罪の意が込められた『何でもしてあげる券』というものを貰いました。文字通り何でもです。ならば明日ミカさんを一日中私のものにしてやろうではないかと思い、「明日私の彼氏になって、デートしてください!」と言いました。





その結果。



「あ、ようやく来た。おはよ、アリシア」


「お、おはよざいます。ミカさんですよね?」


「そうだよ、君だけのミカだよ?今日はデート楽しみにしててね?」


「はうっ!可愛いとかっこいいが言語化できないことに…。これが…尊い!?」


「なにブツブツ言ってんの?早く行こ?まずは朝ごはんから食べよー!」


「ふぁ、ふぁい!上目遣いは反則ですぅ…」







私は今、とてもイケメンで『美男子』という言葉がこの人のためにあるのではないかと勘違いするほどのミカさんとデートしています(ミカさんは女子です)。


           ★  


それは昨日の攻略後のことになる。私がアリシアに怒られて何かプレゼントをして許してもらおうと浅はかな考えでアリシアに何でもしてあげる券を渡した。ちなみに前世でも何かあったときはこれで許してもらえていたので、どうにかなると思ってたんだ。家族や春兎にはこれで許してもらってた。




甘かった。アイスクリームに砂糖、はちみつ、メープルシロップ、そしてチョコレートをぶっかけたように甘かった。



アリシアがお願いしたのは一日中彼氏だった。私、男じゃないのに。でもそれ以外聞いてくれなかったから私はデートに向けて準備をした。



まず、ローズとエントにデートのおすすめコーデを教えうことにした。が、まともな服装ではなかったので創造魔術で作った。

ユーラさんにデートのための外出届を提出。ユーラさんにおすすめのデートスポットも教えてもらい、準備。朝早く起きて待ちあわせをするために、王都の商人街の広場で待ち合わせすることを置き手紙に記して、アリシアより早く外出。置き手紙の封筒に外出届も入れておいた。


私は朝早く商人街の広場に着き、アリシアを待つことにした。ちなみに今は7時。広場の時計が小気味よいオルゴール音を奏でる。

ちょうどアリシアが起きる時間だ。もうそろそろ来るだろうからそんなに待たなくてもいいだろう。



アリシアが見えたとき、それは天使が降臨したのかな?と勘違いするほど尊かった。

白色のワンピースにゆったりとした大きめの帽子。ちょっと見える黒髪のギャップ!

革のポーチが白色に映える。


やっばあぁぁぁ。かわいいの過剰摂取。同性の私でも襲いたくなるくらいに可愛い。




軽い挨拶を交わした後、私は商人街で人気の喫茶店に入った。







「はい、ここに座るといいよ」


「あ、ありがとうございます。ちょっと恥ずかしいけど、嬉しい…」


そんなこと言うもんだからもう可愛くて直視できない!とりあえず服装を褒める。



「かわいいね、アリシア。その白いワンピース。

とっても似合ってる」


「み、ミカさんこそ!とっても似合っています!」


今の私はアリシアの彼氏。服装も完璧に仕上げている。この世界の勝負服?がわからなかったから、前世のイケメンをイメージして創造魔術で作った。


白色のシャツに黒色のジーンズ。スラッとしたシルエットに淡い水色のパーカー。この世界では珍しいからか、とても視線を集めるコーデ。



「ありがと。気に入ってもらえて嬉しいよ」


アリシアは照れたように私の彼氏…とつぶやき始めた。



「今日は楽しみだね。何か食べたいものでもある?美味しいモーニングセットがあるみたいだけど」


「そうですね、それを食べましょうか」


二人分を注文し、できるのを待つ。

アリシアは少し落ち着きがない。私の方を見て視線が合うとすぐに目を逸らしてしまう。会話が続かなくて困ってるみたいだ。



「当店自慢のモーニングセットです。どうぞごゆっくり」


「ああ、ありがとう」


店員さんが持ってきてくれたモーニングセット。

スクランブルエッグにトースト。トマトやハム、サラダ、そしてコーヒー。



「「いただきます」」


何気なく言った挨拶がハモり、二人揃って笑ってしまう。

モーニングセットは美味しかった。

「コーヒー苦い」と言った子ども舌のアリシアが可愛かった。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー少し短めの話でした。というより一本にまとめると長くなりそうだったのでここで切りました。

また後日後半パートを書く予定です。


いつも『安藤ミカさん!手加減してください!世界が滅んでしまいます!!〜手加減してもチート級!?な転生ハーフエルフの異世界魔術師物語!』

を読んでいただきありがとうございます!

応援よろしくお願いしまーす!

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