19話目 ダンジョンハプニング!?とミカさんのバトル。
前回のあらすじ。
ミカさんはアリシア、イグニス、エマの4人でパーティーを組み、ダンジョン攻略が始まった。
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「ひぅぅ、ミカさん、こんな暗い中を移動するんですかぁ?」
「そうだよ。配られたランタンとかつけてると灯りでモンスターが誘き寄せられるからね。他のパーティーはこれで時間取られてると思うよ?」
「なら私達のパーティーが一番はやいってことね!?こういうのでしっかりボーナスを稼がないとやってられないのよ!」
「落ち着け、エマ。騒げはモンスターが来るぞ。 はぁ、全く。これでは先が思いやられるな…」
それぞれが様々な考えを巡らせる中、ひたすら私は魔術を使って敵を倒していく。出会い頭の火魔術。それでも十分効果がある。これなら力を抑えてダンジョンを攻略できる!
私が8歳の頃。アリスに連れられて私はロットタウンの近くにあるダンジョンを攻略することになっていた。なんでもダンジョンにいるモンスターが溢れて農作物に被害が出ているらしい。この調子だと人に危害が及ぶ危険性があるとクエストに出された。それを見つけたアリスが私を連れてそのダンジョンの攻略させるつもりだったらしい。
私は幼いながらに上級魔術を使えた。だけどあんまり被害が出るから封印してたけどアリスにいいよって言われて本気で魔術を作ったんだよね…。
ダンジョンに入らずになんとかできると思っていました…。
そしたらダンジョンが崩壊しました。
私は地絶魔術Lv10『メテオ・インパクト』を使った。そしたらとてつもなく大きな隕石がちょうどダンジョンにドカン!と落ちた。
その威力があまりにも強すぎてダンジョンを潰すというえらいことをやってしまったらしい。私もあの狩り場は残しておくべきだったと後々後悔してる。
そんな過去もあるため上級魔術は使わない。というよりここで使うと未来ある若者もプチッといきそうだから自重してるんだよ…。
だから火魔術!火魔術!どんどんと狩っていく。
と言っても皆は手出しをしようとしない。というよりできない。私の索敵能力があまりにも高すぎて3人が武器を構えたら終わっているというカオスが起こってしまったからね…。
3人が仲良く会話する中、私は延々と火魔術を撃っていく。まぁ、こうなるって予想はできてた…。
そんな中、私の魔術を食らって生きてるやつが私の前に現れた。
「こ、これってヒュージスライムです!みんなが集まって倒すレベルのモンスターですね、ミカさん」
「私の魔術食らってまだ生きてるのか…しぶといな…」
面倒いしパパッと倒そうともう一度魔術を展開したらエマが前に躍り出た。
「待って待って!私がやる!いい?いいでしょ?」
「それは構わないけど…エマは倒せるの?」
「大丈夫に決まってるじゃない!任せておきなさいよ!」
自信満々でスライムに剣を向けて駆ける。
その時だった。
魔術陣が展開される。その魔術陣から光が漏れる。これって…。
「陣式魔術ッ!?トラップ系の!?」
「み、ミカさん、これってまずいんじゃ…」
「ぐっ!光が強くなって…」
「うえぇぇ!?ど、どうすればいいの!?」
こうなってしまっては為す術もない。
「「「「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」」」」
私達は陣式魔術の光りに包まれた。
★
「イタタタ…。まさかあんなところで陣式魔術が発動するなんてね…。私が見逃したってのもあるけど、エマが不用心だったな…。後で説教しちゃろうか…」
周りにアリシアやイグニス、エマはいないらしい。
多分あの陣式魔術はトラップ系でパーティーの分断を狙うものか…。アリシア大丈夫かな?
陣式魔術とは魔術を詠唱したり、媒介を用いて魔術を展開するものとは異なり、ある一定の条件を満たすと展開される魔術だ。ダンジョンにあるようなトラップ系は魔術陣を踏む、触れるなどの条件で展開される。
そんなシビアなものを発動させるなんて…。エマは相当ドジだということがわかったかな……。さすが
残念ガール。
「とりあえずやることは…このダンジョンを攻略することだな。合流を考えるのもいいけど、どれだけ時間がかかるかわからないし、他のパーティーに一番を譲る気はないね!」
私は気を入れ直す。目指すはダンジョンボス!
ならここがどこか知らないと始まらないかな…。
探知魔術Lv10!『ルート・マッピング』!
今いる位置情報をまとめてくれる便利な魔術。
現在位置は……………。『魔樹の祠』?
え?学校から入ったダンジョンは確か…『試練の場』だったはず…。ならこれはもしかしなくても…そういうことか…。
私は深くため息をつく。
私は、いや私達は多分それぞれが別のダンジョンにとばされた。
これはまずいかな?アリシアたちがソロでダンジョン攻略とかできるはずがないし、このままほっとくのもなんかまずい気がする。
とりあえず私はこの『魔樹の祠』を攻略する!
約1時間が経過した。とりあえず雑魚たちは片付けた。Lv60のモンスターが湧いていたけど簡単に倒せた。すると私はLv20まで上がった。ドロップ品はそれなりに集まったけどいらないものばかり。ダンジョンは初めてだしわからなかったことも多かったけど、気づいたことがあった。
ダンジョンは階層ごとの広さが違う。一階は数分で終わったのに二階は10数分かかった。深くなるにつれ、モンスターのレベルは上がるし、トラップも多くなる。
でも私はとうとうダンジョンボスの部屋に来た。
扉を開くと奥にモンスターが現れる。
扉があるのにダンジョンボスの部屋は外、つまり森のようなフィールドだった。
それと同時に扉が閉められ、バトルが始まる。
『魔樹の祠』のダンジョンボスはドライアド・クイーン。Lv80の強力なモンスターで髪に生える草のムチと花粉による状態異常で敵を追い詰めるモンスターだ。
ドライアドは私にムチを叩きつけようとする。
とても速いスピード。ブォンという低い低音が私の
頬のすぐ横を抜けていく。私は火魔術Lv10『ファイアアロー』を5つ展開。避けにくいように軌道を曲げて追い詰める。
ドライアドが5体に増えた。増えたドライアドが『ファイアアロー』に当たる。
ドライアドは…消えた!?違う、これは幻影!?
鑑定スキルで見るとやっぱりそうだった。
影魔術『幻影』じゃないか!ドライアドか影魔術覚えるとかどんなユニークな進化してるのか…考えたくないな…。いや…でももしかしたら…もしかするかも…。
鑑定Lv6!
【個体名 なし Lv80 [使役中]
種族ドライアド・クイーン
HP:4000 MP:4000
攻撃:3000 防御:2800
魔攻:2800 魔防:4000
俊敏:1000
スキルが鑑定できませんでした】
使役中!?誰かがテイムしているモンスターなのか!?こんなモンスターをテイムしているとなれば…考えたくないけど…魔族の仕業になるのか…。
だとすると…これとアリシアたちが戦うのか…。
ならなおさら迷ってる暇がないな!
幻影を作るならそれの動きを封じ込めてしまえば手っ取り早い!
大地魔術Lv10!『グラビティ・プレス』!
『ロックチェイン』!
周囲の重力が強くなり、大地から石でできた鎖が分身よドライアドたちを縛る。完全に動きを封じた!
これでドライアドは次の分身を作らないといけない。この間に私は追撃準備。
氷絶魔術Lv10『フリュージング・ゼロ』!
息すら凍るほどの吹雪が辺りを凍てつかせる。
氷絶魔術の中でも範囲が広い魔術。
周りは森。隠れられると厄介だし、下手に火魔術系を使えば、私まで被害をくらう。
隠れる敵をどう倒すか。どうすればドライアドを見つけられる?
なら…全てを凍てつかせてしまえばいい!
木が、川が、鳥さえも凍てついていく。
そしてその氷の世界には一輪の氷の花が咲いていた。
分身のドライアドも本体も凍てついているだろう。
私は氷の花に近づき、花に触れる。
すると花にひびが入り、そのひびが周りの氷に広がり、最後には氷の世界がキラキラ光り壊れていった。
「使役されていたモンスターとはいえ、これでダンジョンクリアになるかな?皆と合流できそうだ…ってうおっ!デカっ!宝箱!?」
目の前に大きな宝箱が。いつも見るドロップ品とは違ったことに驚きつつも私は宝箱を開ける。
中にはエグいものが入っていた。
【アイテム、『ドライアド・クイーンセット』を獲得しました】
[ドライアド・クイーンセット…Sレア。
防御+1000 魔防+6000
とてもエッチで過激な大人の全身装備。
そのムチで叩かれた者は性嗜好関係なくドMになる。ドライア・クイーンセットを装備した者は性嗜好関係なくドSになる。
装備するとドライアドのスキルである鞭術Lv10と誘惑魔術Lv10が使用可能]
【アイテム『ドライアドのムチ(蔦)』×2、『誘惑粉』×5を獲得しました】
【アイテム『ドライアド・クイーンセット』を装備可能です。装備しますか? yes/no】
こ、こんなもの装備しません!私はエッチでも大人でもありません!
セットは仮面マスクと黒色のボンテージ。ムチはドライアドのムチ(蔦)からできており、ゴツめのロングウィップは圧倒的な背徳感を醸し出している。
叩かれるとドMになって、装備するとドSになる装備とか…嫌だ…。
と、とりあえず私はクリアかな…?アリシアたちは大丈夫かな…?心配だし、助けに行かなきゃ!
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