13話目 安藤さんと夢と酒場の憧れを…。後半パート
皆のお口がぱっかーん。ベテランっぽい人から魔女っ子にまで見られてる。
そんなに注目せんでください、恥ずかしい。
「ええっと、私はどうすれば…」
「………。ハッ!私ったら驚きで固まってしまうなんて……」
「これっていくらぐらいになるんですか?素材とかで売ったらいいと思って持ってきたんですけど…」
「ブラックウルフの牙が計2本。ブラックウルフの皮が1枚。魔石は…。ッ!?Bランク!?この大きさは群れのリーダーほどの大きさ…」
「ん?あぁ!なんかデカかったし、そうじゃないかなと思ってたけどやっぱりそうか〜」
「!?あの…群れのブラックウルフ達は…」
「?捨ててきた。重いし」
「「「「「「何やってるんだ!!??」」」」」」
うおい、すごい大声。シスさんたけでなく、周りの冒険者からも言われた。
だっていらないじゃんあんな狼もどき。ブラックウルフって言ってもリーダーじゃないやつだよ?ふつーに倒せるし、いらんやん。
「あれは初心者の武器の素材の一部で、大事な素材なんですよ!?」
「いらないと判断したから」
「………そうですか、そうですね。わかりました」
「わかっていただければそれでいいです」
「はぁ…。とりあえず換金させていただきますね。まず、素材についてですが、牙の状態がいいため、1000リーンとなります。続いて、皮ですが一部穴が空いているものの、素材の状態がいいため、800リーンとなります。モンスターの肉も買い取りますので750リーン。計2550リーンとなります。どうぞ、お受け取りください」
わお、結構稼いだのかな?いい入りだ。
私はお金を受け取った。
「2550リーン。確かにもらいました」
「こんなに小さい子がブラックウルフを討伐するなんて……」
「シスさんも小さいですよ?」
「!?小さい言わないでください!!」
「えー、小さいですよ。私の近くに来てください。背比べしましょうよ〜」
「!!いーやーでーすー!!したくないです!」
ノリが悪いな、シスさん。
「そうだった。シスさん、ユーラさんの宿ってどこにあるんですか?」
「ユーラさんを知っているんですね。まぁ、あの人は良い意味でも悪い意味でも目立ちますしね…。ユーラさんの『風龍亭』まで案内しましょうか?」
「!!是非お願いします!」
シスさんに案内され約3分。どうやって倒したんだ〜とシスさんに聞かれていたら、いつの間にか着いていた。
「ここですね。ユーラさんの宿、『風龍亭』です。早速チェックインしますか?」
「そうします!」
やっと宿だ!こういうところは酒場とかが一緒にあるんでしょ!?楽しみだな〜。
私はシスさんに連れられて店の中に入った。
チリリン♪とベルが鳴る。
「いらっしゃいませ!」
出迎えてくれたのはユーラさん…ではなく小さい子供。どっかで見たことあるような…。
「フーラさん。お仕事頑張ってますか?」
「シスさん!おかげさまで!そちらの方は…」
「ミカです。よろしくおねがいします。あの……ユーラさんはどちらにいるんでしょうか?」
「ユーラ姉なら買い出しに出かけましたよ」
そうですか、そうですか………。ってええ!姉!?
……雰囲気とか全然違うけどどことなく似てる。顔とか。こう、ユーラさんを小さくするとこんな感じになりそう。ユーラさん、どこか男前なところもあるから、正反対のように見えるな…。
「そうですね。性格はだいぶ異なると思います」
!?私の心を読んだの!?そういうスキル?
こんな時こそ鑑定Lv6!
【個体名 フーラ Lv15
職業:商人 種族:人族
ステータス・称号が鑑定できませんでした。
スキル:ココロノメ
スキルの一部が鑑定できませんでした。】
スキルしかわからなかった…。でもココロノメっていうのは?
[スキル:ココロノメ…レアスキル。相手の思考を一部読み取れる。読み取った情報が多いほど負担がかかる。軽いもので頭痛から重いもので即死となる。相手のレベルによって読み取れる情報の量は変わる]
なるほど…。私はレベル1だから読み取るときの負荷が少なかったんだ。さっきブラックウルフ倒したんたけど、上がらなかったんだよな〜。
「!ブラックウルフを倒せるお方とは知らず………申し訳ございません」
「読まれた…」
「あれ?フーラ、スキルを使ったの?」
「えぇ、そうだけど…」
「!?あなたッ、負荷は?!なんでミカさんの心を読んで平気なの!?」
Lv1だから。それ以外にないです。自分で言いたくないです。
「この子、Lv1ですよ?とてつもなく強い魔力を持っていますがLv1です」
「えっ……。Lv1?これが?」
これ扱い。少しヒドイナー。私人外扱いされてたのかなー。
「そうですよ。…全くシスさんはいつもドジばかりなんですから…。さてはまた冒険者登録したときの鑑定忘れたでしょ」
「あっ!忘れてた…」
「まぁ、忙しかったのもあるし、仕方がないと思いますよ、シスさん。私は大丈夫です!」
早く立ち直ってくれないかな…。はよ部屋で休みたい。
「…………部屋まで案内しますね。シスさんは外で待っておいてください」
「むぅ〜〜〜!わかりましたぁ〜」
その時、シスさんのお腹がキュゥゥゥと音を立ててなる。顔真っ赤。
「お腹すいたし、3人でご飯食べに行きましょう!ユーラ姉ももうそろそろ帰ってくるだろうし」
ユーラさんが帰ってくる間に私は部屋に荷物をおいて、整理整頓をしていた。
「フーラさん!この近辺の酒場に行くんですか?」
「サカバ?なんです、それ」
「酒場は酒場ですよ。冒険者がよく駄弁っている…」
「そんなものはありませんよ?今から私達が行くのは商人街のお店です。有名店でなかなか入れないと言われるほどに豪華なものですよ?」
まさか……まさかそんな……。
この世界に酒場がないなんて!冒険者の夢と言える酒場が!ないなんてぇ〜〜〜!!!!!
ちなみにですが、酒場はないけど、レストランとかはあるみたいです。
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