12話目 安藤さんと夢と酒場の憧れを…。前半パート



王都ユグルド。

4つの門があるこの都市はある特徴を持つ。

区画として分かれていて、貴族街、聖人街、平民街、商人街で作られている。


貴族街には貴族が。聖人街には聖人、いわゆる聖職者(教会関係者)が。平民街は平民が。商人街には商人が住み、王都を構成している。

奴隷の制度はあるものの、奴隷に街は与えられないという判断から奴隷街というのは半世紀前に消えたそうだ。今では商人街でも工場区画として利用されている。


そんな都市に一人のハーフエルフが商人街へと歩いていた。


「ひぁぁぁ〜!!人、人、人!たまにドワーフ、エルフ、ケット・シー!やっぱすごいね、ファンタジー!見知らぬ食べ物と見世物に心躍る!!」



どこぞのヲタクが言うようなセリフはその少女から出てきた。


ミカはついに王都にたどり着いたのである。


「はぁ〜、長かったな〜。平原についたらお偉い様っぽい人助けることになったし。王都目指して来たらこの人だかりだし…」



う〜ん、とりあえず狼をどうにかしよう。あんまり収納魔術の中を汚くしたくないんだよね〜。


死骸のままだし、こんなん往来で解体したらそりゃえらい騒ぎになるだろうし。


キュゥゥゥ〜。


お腹も空いてるのか…。どっかお店ないかな…。せっかくならギルドの酒場で腹ごしらえしたいし…。

うん!ギルドだ!ギルドに向かおう!そうしよう。


!そこのいい感じのお姉さんに聞こ!

褐色の肌と巨大なお胸。すらっとした高身長。

羨ましい。

花屋の前でお花に水を与えている。花屋のお姉さんってイメージないなぁ。

聞きやすそうな雰囲気。それも美徳だと思うなぁ、私。前世ではそんなの欠片もなかったしなぁ…。



「あの、すいません。ギルドってどこにあるんでしょうか。王都に来たばかりでわからなくて…」


「はいはいどうしたのって……!あら!随分まぁ別嬪さんじゃない!ハーフエルフなんだね!きれいねぇ〜」



いきなり褒められるとは…。ハーフエルフって珍しいのかな?というか、どうやってエルフと見分けてんだろ。今度調べたいけど今は…。



「ありがとうございます。それでその…」


「あぁ、ギルドね。どっちの方だい?」


「??どっちとはどういう…」


「あんた、本当に来たばかりなんだね…。王都には冒険者ギルドと商人ギルドの2つがあるのさ。で?どっちだい?」


「ん〜、なら冒険者ギルドのほうですね〜。モンスターを討伐したのでそれを解体してほしいな、と。」


「あら!冒険者なのかい!?そうは見えないねぇ。本当に討伐したのかい?嬢ちゃんがモンスターを倒すとこなんて想像つかないけどねぇ…」


「あははは…よく言われます」


言えない…まさかこんな女の子が狼をなんとかしたとか言ったら…。黙っとくが吉。



「冒険者ギルドならこの道をまっすぐ行って左さ。あそこに精肉屋があるだろう?あそこを曲がると行けるよ。商人ギルドはもう少し奥に行かないといけないからそこで迷う人が多いんだよ」


「そうだったんですね…。ありがとうございました!」


「お役に立てたら何よりさ。それよりあんた、今晩泊まるところはあるのかい?」


「いえ、まだないですが…」


「ならうちの宿『風龍亭』に泊まるといい。いい宿だから旅の疲れも取れるよ。後で言ってくれれば部屋も取るし。ギルドでユーラっていう名前を出せばいいさ!」


えっ、お姉さん宿屋の人なん?花は?


「ええと…失礼ですけど花屋さんではないのですか?」


「ん?これかい?たまに手伝いに来てるんだよ。ここの店長と昔馴染みでね。体調が優れないから私が花に水をやってるわけさ。」


な~る。そういう事情ね。しかし、店長さんは体調不良なのかー。それで手伝ってあげるお姉さんは優しいな。


「わかりました、終わったらまたたずねさせてもらいますね!」






お姉さんに教えてもらった道を歩いてすぐのところにでかい建物が。



「でか〜い。あとちょっとカビ臭い。だいぶ古い建物だから仕方ないんだろうけど」


ギルドに入るときになめられてはいけないなんてことをどっかの雑誌でみたことがあるな…。

ガツン!と行かなきゃ!



「頼も〜ぅ!」


………。なんかすごい見られてる。こういうのじゃなかったのかな恥ずかしい穴があったら入りたい…。


中は意外ときれい。5つのカウンターと壁にある大きいボードが目立つ。椅子や机が並べられているけど……。1つ気になる点が。

とりあえず話だけでもしようか。

私は一番端のカウンターにそそくさと向かい、受付嬢に話す。その受付嬢さんはちまっとしてかわいい。身長も私と同じくらいで親近感が湧くなぁ。


「あの〜、すいません。モンスターを倒したので換金をお願いしたいのですが…」


「素材の買い取りですか…。冒険者カードはお持ちですか?」


「冒険者カードですか?なんでしょう、それ?」


ん?もしかしてそういうのないと売れない?



「冒険者ではないのですか?………なら冒険者登録の手続きをしましょうか。」


「冒険者登録ですか?」


「はい。冒険者ギルドでは冒険者の身分を証明するために冒険者カードを作ります。それを持っていないと冒険者ではないんです。昔、冒険者カードがなかった時代はなりかわりなどが多発していました。ので、それを防ぐべく、冒険者カードを作り、自分の身分を証明できるようにしたんです。」


なるほど、そりゃそうですよね。



「では、冒険者登録をお願いします」


「承りました。担当は私、シスとなっています。

ではこちらの羊皮紙にサインと血判、それとなりたい職業をお書きください。そして…」


話が長かったので細かい説明をざっくりにすると、

・ギルドはランク制。S、A、B、C、D、E、Fの順番で強い。(Sが最上位でFが最下位)

・冒険者での喧嘩はご法度。

・依頼(クエスト)に連続で3回失敗すると降格。

・依頼を達成したらギルドに報告。報告していなければ未達成扱いになる。

・レイドバトル(モンスターの大群が来るなど)が         あったら、それに参加する。

・月5万リーン(お金の単位)を稼げない状態が3ヶ月続いたら、冒険者カードは剥奪となる。

と、こんな感じ。


よし、じゃあ早速、狼出しちゃおうか!


「これなんですけど…」


「えっ!収納魔術!あなたまだ10歳なのにすごいって………ええぇぇぇぇ!!!!????」


受付嬢と周りの冒険者が揃って驚く。



「「「「「「ブラックウルフ!?!?」」」」」」



どうしたんだろ、皆。口開いてまっせ。



そんな中、受付嬢が絞り出すように声を出して聞いた。


「……ほんとに、ほんとにこれを討伐したんですか?」


「うん、そうだけど?」



周りの人はなんか驚いて固まってた。

そんなまずいことしたっけな?




























ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


自然にポップするRyu-neです!


というわけで安藤さんの11話前半パートでした。この作品自体そんな長編にするつもりもないんですが、今回は長くしました。こんだけあったほうが読み応えありますかね?少ないですかね?


ご意見お待ちしてます。


さて、今回はユーラさんとシスさんが出てきました。あんまり詳しく書いていませんが、これからもう少し主人公との関係をつなぎたいなと思っています。ユーラさんは巨乳の姉御みたいなイメージ。シスさんは癒やし系の合法ロリとなっています。2人の年齢ですか?まだ内緒です。


長々と喋りましたがまとめを。

いつも『安藤ミカさん!手加減してください!世界が滅んでしまいます!!〜手加減してもチート級!?な転生ハーフエルフの異世界魔術師物語!』を読んで頂き、ありがとうございます。頑張って週1は最低でも投稿していくようにしたいです。面白ければぜひ評価を(評価ってどうやってするんでしょうね?私にゃ全くわかりません)。


何曜日に投稿してくるかはわかりません。家に帰って、投稿してあったらその日はラッキーだったと思っていただければ。


それではまた〜

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る