章間 大丈夫だろうか……?


「行ったな………」


「行ったわね………。というか、私達の注意ちゃんと聞いていたのかしら、あの子」


ため息を吐きながらアリスが言う。

俺もうなずき、答える。


「あれは絶対聞いてなかった。どうする?ミカのやつ、何かしらやらかしそうだぞ?」


「やめてよ、本当に起きる気がして来たよ…」




ミカのことを一言で表すなら天災だ。

文字通り天の災害と言ってもいいほど。



あれは訓練を始めたときのこと。

ミカに剣術を教えていると、初級剣術を一時間程度でLv10まで上げた。腰を抜かしそうになった。

その一ヶ月後、ミカは中級剣術をLv10まで上げた。



そこから怖くなってとりあえず対人戦を経験させるべく、俺と一対一の訓練をした。

最初の方は剣がぶれていたが、コツを掴んだのか、すげぇ鋭い剣筋を見せた。俺でもヒヤッとするほどの。



アリスの方もおんなじらしい。

なんでも、初級魔術を改善して中級魔術が出す威力まで高めたらしい。MPの消費は変わらずに。



ということを知ってからというもの、ミカには峰打ちや魔術のかすり当てを練習させた。


ミカにそれを言ったら驚いた顔をしていたが。

仕方なく訓練を続けていた。








ということがあったので最後に注意をした。



「「はぁ〜〜〜〜〜〜」」



二人揃って息を吐く。

ミカの王都への旅が始まる!




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