7話目 安藤さん、10歳になる。前半パート
「おめでとう、ミカ。今日はお前の誕生日だ!」
「おめでとう、ミカももう10歳になるのねぇ。道理で私も老けたわけね」
「ありがとう、パパ、ママ。でもママはまだきれいだよ、老けてないって」
二人のお祝いの言葉が嬉しい。自然ににやけてしまう。
そう。誕生日である。正確に言うなら私が両親(二人)に拾われた日だ。あの日私はこの二人の養娘として生きることを決めた。
10歳は区切りの歳。この世界ではこの年齢から働ける。夢を追う者は冒険者に。堅実な未来を望む者は農民、商人に。自分にあった職を求める者もいる。
そいて私は……。
「本当に王都の魔術学校に行くの?」
「うん、せっかく魔術を使えるスキルを持ってるし、私もママみたいな魔術師になりたいんだ〜!
この間受けた入学試験は余裕だったし。学校の校長先生はママのお友達なんでしょう?」
「ミカ、慢心しすぎよ。その一瞬の油断で何が起こるのかわからないんだから」
「…………はーい」
魔術学校に行くので剣術とはしばらく離れる。
ヘンリーはとても残念そうだ。
アリスは困った顔をしながらもどこか嬉しそうだ。
ちなみにだが、アリスは王都の魔術学校を卒業している。
それでも嬉しそうな顔と寂しそうな顔をしながら二人は私の成長を喜んでくれた。。
お祝いのパーティーの後、私は部屋に戻った。
私が魔術師を目指す理由。
それはアリスに憧れたからだ。
4年前、6歳のときにアリスを鑑定することができた。
【個体名 アリス・ゼルティア Lv80
職業:魔術師 種族:エルフ
HP:5900 MP:6200
攻撃:1400 防御:1200
魔攻:5500 魔防:4200
俊敏:3200
スキル:火魔術Lv10
:火炎魔術Lv8
:水魔術Lv10
:氷結魔術Lv10
:絶氷魔術Lv10
:回復魔術Lv10
:治癒魔術Lv6
称号:吹雪の精霊王
:絶えない氷】
なんて素晴らしいステータスなのだと、感動した。
こんなふうになりたいと強くそう思った。
改めて。
多才の一言に限るなぁ、このステータスを見ると。
普通魔術師は一属性の魔術を使えるのが当たり前…らしい。知らないけど。
それだけしか使えないわけではないが、二属性の魔術が使えるのは町にいるかいないかわからない程珍しい。
三属性となると、宮廷魔術師の扱いを受けてもおかしくないほど。しかも上級魔術、スキルで言う絶氷魔術は100年に一度極める者がいるという言い伝えがあるほどの偉大さ。知らないけど。
それだけ言われることもあって威力は国一つを凍てつかせることも容易………な〜んて言われる魔術が使えるアリスママ。
当時の私は怖すぎて震えた。若干チビッた。
女の子がこんなこと言うのもなんだけど…。
ちなみにヘンリーのステータスは………。
【個体名 ヘンリー・ゼルディア Lv81
職業:剣士 種族:人族
HP:4300 MP:1200
攻撃:6200 防御:3200
魔攻:1000 魔防:2500
俊敏:6000
スキル:初級剣術Lv10
:中級剣術Lv10
:上級剣術Lv10
:超級剣術Lv7
:遠視Lv8
:隠匿Lv7
鬼神法Lv10
称号:剣帝
:鬼神
:信念を貫く者】
なんです、このステータス。攻撃と俊敏に振られている。ええと?超級剣術はかつて剣神が使っていたとされる剣術だそうだ。
あと鬼神法?これは…HPを削ってステータスを爆発的に上げるスキル。
称号もスキル入手の際に得たんだろう。
それにしてもツヨイナーこの二人。
普通にバトルしたら瞬殺されるほど。
でもその強さに憧れてしまったのだ。どれだけ相手が上にいようと私はめげずに進むのみよ!
私のステータス?やっぱ気になる?どうしよ、教えようかなー!よし、ではとくとご覧あれ!
と、その前にCM入りまーす。
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