4話 『スキル試運転』

 ヨチヨチ家に入って一生懸命に階段とかの難所をいくつか超えた俺は今、自室のベットで寝転がりながら幼少より遊んでいた角の丸い八つ角の歪なブロックで遊んでいる。


 このブロックには色々と世話になったもんだ、ファーストコンタクトは確か転生から数日した日だったかな?


 父さんが初めて部屋に来て、ボヤけた目でもソレが父と直ぐに分かった。


 言葉は猫撫で声、しかし重い空気を纏った矛盾を孕む声はずっと覚えている。


 そんな父が持ってきたのは幼児向けのオモチャ数個と歪な形をしたブロック。


 その中でコイツは父の手を逃れあろう事か俺の頭に角から降ってきやがった。


 そこから先の事は殆ど覚えてないけど、後から聞いた話だと俺は直ぐ白目を剥いて気絶したらしい。


 内部にまで響く大惨事だったらしいけど、まあ俺の場合は不老不死なお陰で直ぐに修復が始まったらしい。


 と、この辺の特殊な事はエレナーが上手く誤魔化してくれたらしい。


 こうゆう世界だからテッキリ不老不死くらい対してめずらしくもないとおもってたけど、、、


 まあそんな事もないらしく不老不死はコッチの世界でも永遠の研究テーマとのことだった。


 要するに誤魔化したのは不老不死が知られると実験動物にされるから、ってわけ。


 ああ、そうそう不老不死で思い出した。


 不老不死って力は厳密に言うと不老じゃないらしい。


 と言うのも不老不死って力自体は持ってる存在がこの世にいくらか居るらしいんだけど、その全ては生まれながらに容姿が変わらないって事はないらしい。


 いや、もっと正確に言えば生物が本来持つ寿命の1/7までは成長するように出来てるらしい。


 この辺は神様の粋な計らいってヤツなんだろうな。


 ソレと俺にとってのエレナーみたいば特例を除くと不老不死の所持者は殆どが転生者らしい。


 そんな風に考えると不老不死とかって王道だよな〜っとか思ってくる。


 、、、あれ?



「あれ?そいえば俺、何しようとしたんだっけ???」



 ふと、何か忘れてる気がして手元で遊んでたブロックをマジマジとみる、、、


 、、、あ!


 そうだよ!


 俺スキルの試運転しようとしてたんだ!


 うわ〜、


 昔話に花咲かせててすっかり抜け落ちてた、、、


 そうだよな、考えてみりゃ何でスキルの実験しようとしてんのに昔話なんだよ、、、


 我ながら知能が低い、あまりにも!



「自虐は良いので始めませんか? そろそろ部屋に来て30分ですよ?」


「うわっ! ビックリし、て え⁉︎ もう30分経ってんの⁉︎」


「はい。 しかしそんなに驚かれるとは心外ですよ? ってゆうか私の方が先に部屋いましたからね?」


「え、そうなの? 用事は? 終わったの?」


「はい、思いの外直ぐに終わりましたのでお部屋の掃除をしてたんです」


「はぁ〜 そりゃまたご苦労な事だけど、、、 でも声くらいかけてくれても良くないか?」


「ソレを言いますか? ならコッチだって部屋で掃除機かけてたのにソレでも無視されて凄いムカついたんですけど‼︎」


「集中してたんだよ! 実験のこと色々と考えてたの! ソレで気付けなかったの!」


「はぁ、まあ今日に始まったことじゃないし良いですよ。 ソレで? 実験って具体的に何やるんです? 0歳の時から魔力の扱いは練習してたし直ぐに始めるんでしょう?」


「うん? まあ確かに始めたいんだけど、何にも良い実験が思いつかないんだよな〜」


「そうなんですか? 物質回転でしょう? 確か本が幾つかあったと思いますけど?」


「え⁉︎ マジで⁉︎ 直ぐ書庫いくぞ!」


「はいはい、」



 俺はエレナーの言葉に目の色を変えて飛ぶ出しただろう。


 エレナーのバカにするような笑い声が微かに聞こえた。


 けど気にならない!


 もうエレナーのエスパーみ慣れたし気にせん!


 ソレより今は本だからな‼︎

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