3話 『物質回転』
教会に入ると直ぐに教祖を担う男が出てきてペコペコしてから神像の所に案内した。
ウチの家が入ってる国は宗教が強く根付いててアビル教、とゆう宗教が国内の至る所に教団を構えている。
あ、因みにウチはカータール神橋国テイルズ領に位置する。
ウチも例に漏れず、まあ信仰が強いとゆうより言われたから祈ってるような人がほとんどな国だけどスキルの審査なんかはこうして教会を訪れる場合が多い。
無宗教な国は普通に生まれた時専用の機械でスキルを魔力質から分析するそうだから、まあこの教会もそうゆう機会で計ってるんだろうな〜って思いながらもみんなここで受けてる。
国の方針なんだから仕方ないって事なんだろうな。
「では儀式を始めさせていただきます」
話は戻って神像の前、担当の修道服を着た女は言うと教典を暗誦し始める。
よく覚えれるな〜ってゆう長い呪文みたいなのが唱え終わると女性はツラツラと話し出す。
「終了です、アナタが神より与えられたスキルは『物質回転』。 万物に回転するエネルギーを与えるとゆう神聖で崇高なスキル、お大事になさりなさい」
『物質回転』、、、
言い回しは難しいけど要するに物を回すだけのスキルか。
単純な使い方じゃ使い勝手の悪い、応用とか慣れが直に生きるタイプのスキルだな多分。
うん、まあ分かんないけど。
使いようによっては、まあまあかな?
なかなか強そうなの貰えたかもな〜
「有難うございました、ではこれで」
セリスが言うと俺はセリスに抱き上げられた心早足に教会を出た。
直ぐ車に乗せられて逃げるように家へ帰る。
事情は知らないけど数ヶ月前からウチと教会の仲が悪い。
だから世話になっても長居はしたくないって事なんだろう、けど、、、
「なあセリス? なんでウチは教団と仲が悪いんだ?」
「それは、まあ大人には色々あるのです」
「、、、そっか、じゃ良いや」
こんな感じで毎回誤魔化されてしまうから憶測でしか理由なんて分からない。
まあ良いけどね、俺別に宗教好きじゃないし。
ってゆうか宗教って日本のイメージだけど胡散臭い気がして嫌いだし。
ーーーーー
、、、数分して家に到着すると屋敷から父さんが出てくる。
「どうしました? 仕事忙しいんじゃ?」
「いや、少しセリスに用があってな」
「、、、そうですか」
俺は少し残念に思いつつ言うとセリスの手から這い出てヨチヨチと空いた家の戸から中に入った。
ーーーーー
「1歳の子供に気を使わせてどうするんですか、、、」
メイドのセリスは頭を抱えて自らの主人にため息混じり言う。
男の方は言われて気付いたとでも言うように罰が悪そうな顔で目を逸らすと、、、
「だ、だってアイツなんか賢いんだよ、、、 下手なこと言ったら失望されそうでさ、、、」
「まあ確かに賢い子ではありますね、、、 まさかアンタの脚色物語を体現した子が現れるなんてね〜w」
「い、いや別に脚色じゃないよ? ただちょっと噂が一人歩きしちゃっただけで、、、」
「ああ、そうだったね。 別に嘘わついてないものね?」
「そ、そうだよ! 別に嘘じゃない! あ、そうそう忘れるとこだった。 で? 結果はどうだった?」
「ああスキルね、そんな事聞くために態々出てきたのかい?w 安心しな、ちょんと真っ当なスキルだったよ。 物質回転だとさ」
「物質回転、ああアレか、、、 なかなか悪くないスキル、連中が煩かったわけだ」
「しかし良かったのかい? アイツら不問にしちまって?」
「ああ、別に情報を流したわけじゃなく極秘で調べてただけだからね。 それに警告を出すには良い餌だし」
「ふん、まあアンタが良いなら良いけどね。 それじゃ私は屋敷の掃除にでも戻るよ」
およそメイドとは思えない口ぶりで主人を揶揄っていたセリスは一区切りつくと手を振って屋敷の掃除に行った。
残された男、現領主 兼 グレンの父親である彼は一瞬暗い影を顔に落とすとまだシートの温かい真っ白な車の運転席に座ると車を出した。
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