可愛い四人の女の子実は猫なんです

21ここから世界が変わった

　あれ？ここはどこだ、さっきまで学校にいたはずなのに

菫は？

桜は？

向日葵は？

桔梗は？

文化祭の途中なのに辺りは、時間が止まったみたいに

静かで、俺一人になってる、あれ？

今までの出来事は夢だったのか？

「おーい、みんな出て来てくれよ、もう一人は寂しいからさ」

　それでもまだ、四匹の猫たちは出て来ない

もしかして俺の能力が関係あるのか？

分からない、何をすればいいんだっけ？

「ユズル、キコエル？

コノママダト、ダメミタイ

ヤリナオサナイト」

「誰だ？」

　確かに声が聞こえる、俺の名前を呼んだ

やり直すってどういう事だ？

今までの時間はどうなるんだ？

俺が生きて来た時間は無くなるのか？

なんだこれは、もしかして時間軸が変わるのか？

調べた事がある、宇宙の始まりの前には何が起きていたのかを

ビックバンが起こって宇宙が誕生したと言う概念を変える理論

それは宇宙が一つじゃないって事だ・・・

　宇宙は無限にあって、今生きているこの時間と宇宙は

地球の全人口よりも多く存在しているって

そこには時間が無くて重さも無い、全てが粒子より小さくて

今でもどこかでビックバンが起こっていると

そこにはもう一人の自分がいて道が木の枝のように分かれてて

そのたびに自分が増える、そして交わることは無いと・・・

　どこの世界に行ってもそこには自分が存在して

いろんな人生を体験している、時代も分からない

そうやって繰り返される・・・

　俺はその世界を旅することになるのか？

終わらない世界をぐるぐる廻ってどこに行くんだろう

なんか、これが死ぬって事なのか？

　全然苦しく無い、むしろ自由を感じる、空を飛べる気がする

このまま身をゆだねていけば、俺はまた違い世界にいくんだろう

やっぱり人間なんか好きになれない、何もかもどうでもいい

このまま身をゆだねてそのままにしてやろう

そうだ俺は自由だ、最後にあの四匹の猫に会いたい！

　その気持ちだけは、せめて残して欲しい・・・