#002 人類を滅ぼすの私でした。

 彼女達とみんなで話す時は必ず家でする。私が彼女達に聞きたい事は沢山あるがまず、パンデミックになったらどうなるのか、それを聞かずに何を考える。


 始めは、夢かと思いつつ、詳しくは聞かなかったが

 だが今は違う、それと猫になった理由も。


 まずはこの二つを聞きたかった。彼女達に聞いた。


「 何故私が猫になったのか教えて欲しい。それからみんなが人間になった理由も教えて欲しい。真面目に答えてくれないか? 」


 この答えに対して、菫が言ってくれた。

「 それには、私達も詳しくは答えられません、ですけど私達が此処に人間として転生して来たのは、

『 弓弦さんが人類を滅ぼす存在になったからなんです 』それを抑えるのに猫になる必要があったの、だから弓弦さんが猫にならなかったらもう終わってたから。」



「 ・・・・・・!? 」



( 私が人間を滅ぼすって言った・・・・・・ )


( それも猫にならなかったら終わってた!? )


 だいぶ時間が止まっていたと思うほどその答えを待ってた・・・・・・




 菫も考えたのか、間が空いた。


「 人類を滅ぼす理由は、罪悪感、孤独感が原因であるのは間違いありません。弓弦さんは人よりも百倍くらいもっとかも、二つの感情が高かった事で即死になった可能性はあります。それがきっかけで、その存在になったと思います。 」



( ・・・・・・え!? )




「 即死だったの? 」


「 え!・・・・・・死んだの? 」


 菫が話を続けた。

「 この話を直ぐに言い出せなかったのは、鍵を開けてしまうと思って

 警戒してたから、でも今言っても大丈夫って確信したから言いました。」


「 ちょっと待て! 鍵って私が人間を滅ぼすって意味? 」


「 そうです弓弦さんがという意味です、そして私達が人間に転生した事によって、弓弦さんが猫になって生き返ったのは、私達が弓弦さんと人類を守る意味もあるの。 」


 菫の言った事には間違い無く嘘はついて無いのは、聞いててわかる。


『 冗談で言う内容じゃない!!! 』


 菫の身体を見て理解出来た、少しの動きの中には無意識の身体の行動と仕草を見逃さないそこに嘘は無いから!


( 私には確信がある。今はまだ問い詰めなくとも、

そのうち分かるのは私の経験からだった。

 メンタリストはそこのところは普通の人よりも観察力が違う。私の仕事の事なんだけど、この事を知りたくてなった訳じゃ無いのに、わかっちゃうんだよな〜。 )




( ・・・・・・だったら後、十年の意味はなんだ!? )



 これ以上は想像になってしまうから、もう少し詳しく聞いてみよう。


「 菫ちゃん、もうパンデミックは、始まってるの? 」


( 私が猫にならなかったら終わってたとハッキリ言われたのをしっかりと覚えている。)


 その時はまだ詳しく聞かないで流していたのは、具体的に理解出来ていなかったのと他人事すぎて。


 菫は頬に手を置いて、一度口を隠してから私に言った。


「 実は今は食い止めている状況と様子を見ている状態なの。

 ハッキリ言うと、弓弦さんが猫になった事で、もう一度言うけど、弓弦さんが鍵になったのね!

 パンドラの箱を開ける鍵に、具体的に言うと、その箱を開いてしまうと、今いる人類は全滅してしまうの。とりあえず先に日本の人類がね!

 日本だけでも人類が駄目になれば、もう世界的に大きな影響を受けてパンデミックになるの、でも箱は実在しないから例えとして聞いてね。」


 まだ、なにかハッキリと言ってないのは『鍵』とは何かを隠しているのかそれとも、私にわかりやすく言ってくれたのかもしれないけど、もしかして時限爆弾みたいな事?

(心の声)


 続けて菫は他の三人を一度見てから、三人も菫の目を見て、任せると言ったみたいな目で菫に応えた。菫は頭を少し頷き《うなずき》髪を一度たくし上げてから、髪がサラサラなので直ぐに戻ったが、私にはその仕草がスローに見えた。あまりに綺麗だったから。


( 見惚れてる場合じゃ無いのに。)


 そのあと私に付け加えるように言った。


「 弓弦さん、もう気づいているかもしれないけど、弓弦さんは生き返ったけど、もう人間ではないの。」


 なんとなく気づいていたけど言われるとショックは隠しきれない!


( やっぱりそうなのか〜 まじですか〜 )


 覚悟はしていたけど、だがその事でもう一つ疑問が出て来た。


『 人類を救うという事だ。 』


( もう人間では無いのに、そもそも私が人間を滅ぼす存在なのに意味あるのか!? )


( もう猫だし、人間でも無いし。)


 なんとなく聞いていた。

「 それは義務ですか? 」


( 正直言って合った事もない人に対して、

 誰が死んだところで私には関係無い!

 ニュースを見て人が死んだのを見ても、関わりのない人が死んでも、

 今まで何とも思わなかった。

 そうなんだ程度しか思わなかった。)


( そんな私が人類を救うなんて、ヒーローでもあるまいし、それとあと十年あるなら私がしなくても良い気がする! )

 

( なんか面倒臭さそう。)


「 私の存在意義がハッキリしてない、君達もだけど。

 これはハッキリしないと納得できません。」


 この事を菫に聞くと下を向いて考えている、相当重要なのだろう、直ぐには答えは来なかったが、その間にも三人の桜と向日葵と桔梗は菫を見て何も言えないで黙り込んでいた。部屋の物を色々見て菫に任せて、自由に部屋の物を探索してる。


 覚悟を決めたのか菫が私に言った。


「 弓弦さんは生き返ったけどもう人間ではないから何回も言うけど全く新しい存在になった方がわかりやすいかもしれません。説明が難しいのです。でもまだ滅ぼすのは確定してないから、今のところそれは確かだよ。」


 菫はわかっているみたいだけど、言葉に例えるのが出来ないって事なのかな、聞いてみよう。


「 どうすると私が人類を滅ぼすの? 」


 とにかく少しずつは、わかり初めて来たのは良い事だ、私はもう人間では無い事だけはわかった。、それと人間を滅ぼす存在になった事も。

(心の声)


 菫が教えてくれた。

「 弓弦さんが人間の姿になって、人類に対して恨みの《うらみ》感情を思い切り出すと、弓弦さんを中心に近くにいる人が失明します! 」



「 おいおい、それって、私が人間になるとやばいって事ですか? 」


「 そう言う事ですね、なので猫になって居るのがある意味、止まっているということになってます、その代わりに私達が人間になっているんです! 」


「 なるほど、お互いが猫と人間になって均一が取れてるって事か! 」


なんとか納得したけど、もう少し頭の中で整理しないとだな。

 今は現状を受け入れすぎるのは精神的にもたないからな、後、気になっているのは彼女達以外に転生して来た者が居るのかだ、菫も疲れたみたいだから、向日葵に聞いてみよう、向日葵は生き物の声が聞けるみたいだから、一番適しているだろう。


「 向日葵ちゃん、四人以外に転生して来た者は居るの? 」


 菫はソファーに座り込み、桜と桔梗が一緒に座って、向日葵が私の前に来た。


 何故か向日葵は私を持ち上げて高い高いをした、特に意味はないみたいだから、足掻いて《あがいて》逃げた、向日葵ちゃんは天然だな!

 

 向日葵は目を上に向けた後、私をまっすぐ見て言った。


「 ハッキリ言うと、居ると思うし、まだ確認が出来てないのだよ。

 弓弦さん、敵か味方かもわからないよ。でも来たら直ぐに教えるね。」


 向日葵は軽く言ったので気が抜けた。


( 私的には居ると思ったけど、その事は向日葵に任せていいだろう、一番適しているしな。それは様子を見てからでもいいか、みんな人間の生活を楽しんでいるみたいだからなあ。)


( わかった事は私はもう人間ではないという事。ついでに人間を滅ぼす存在になった事だ! まったくなんで私なんだよ!!! )


( そうかぁ〜 もう人間ではないのか、結局彼女も出来なかったな〜

 人間の友達も出来なかったなあ〜

 それでも今生きているのは彼女達がいるからだから、まあいいだろう、滅んだところで私は人間じゃないから猫だから! )

 

( この事を考えるのはいったん辞めよ。)


( 何故か心が落ち着いているのは他人事だからかな? 

いや猫だからだ! )


 まぁどうせ、いつかはみんな死ぬんだから、私が鍵でも開けなければ大丈夫なんだろうけど、なんか違うよね、あ〜 自然じゃないからだ!


 気にしても意味は無いから、とりあえずわかった事には理解は出来た。


 スッキリした気分だ、この気持ちになったのはいつ以来だろう。

考えても意味無いから、なるほど私が鍵なのか、神でなくて鍵ねなるほどな。





 今はこの程度で思っていたが、この後生きていくうちに自分が今までの気持ちではなくなるとは、今はまだ知るよしも無い、この先、色々な人間に関わって行く事で、友達も居なかった、彼女も居なかった、その事で何か人間らしさってのが欠落していたのかもしれない、そんな事を考えた事も無かった、あらためて思い起こすと今まで関わった人に良い想いはない!


 猫になってみて、今までより なんか気楽になったのは人間関係をしなくていいからかもしれないなぁ〜。

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