002 人間になった理由が納得出来ません!
もう夢では無いと理解して、話を聞いていた。
「 そういえば、みんなうちの猫なんだよね? 」
一番小さい桜が言った。
「 一番小さいのが桜で次が向日葵ちゃん桔梗ちゃん菫ちゃんだよ〜。」
( やっぱりうちの猫なんだ〜。ならいいか。ちょっと待て、そこじゃあないだろう! )
( 顔も似てないけど、みんな可愛いのはいいことだ。)
だがこれだけは聞きたい!
「 だけど何故、菫ちゃんだけが金髪で青い目なんだ? 」
( 一番気になってたのはこの事! )
菫は私を見て
「 外国人になりたかったんです! 」
少し恥ずかしそうに両手で髪を上げてから手を戻した。気に入っているんだなと直ぐにわかった。
( はい、そうですか・・・ふむふむ、なるほど、わかりません! )
「 そういえば、名前はわかるよね、飼ってたんだから、もちろん私とみんなの。」
また、息ぴったりで言った、みんなに同じ質問すると必ず息が合う。
「 わかるよ、ずっと呼んでくれていたし、みんなの名前もご主人様の名前も覚えているよ。」
「 だったら、ご主人様じゃなくて普通に弓弦さんでいいよ。」
( そういえば、なんで私は猫になったのだろうか? )
( まだまだ理解が追いつかい。彼女達は知っているのだろうか? )
まぁこの心の声が桜ちゃんだけ聞こえるのはもう理解している。
そう思った時に桜が答えてくれた。
「 私達が人間になるには弓弦さんが『猫』になることなんだ、だから私達が猫に戻れば人間に戻れるからね、どう安心した? 」
( なるほど、戻れるのなら問題ない。
時間制限とかあるのかはわからないが、どうせ考えていることは聞こえているのだから わざわざ聞くまでもないか。)
それよりも何故、家の
( たまたまな訳がない、それに、未だに夢かもと思っているくらいだ、科学的に無理がある。)
また心の声を聞いたのか、直ぐに返事が来た。
桜が話し始めた。
「 うん、たまたまでは無いよ、弓弦さんが私達の命を助けてくれたからお願いしたの、人間になりたいって弓弦さんの支えにね。 」
( 誰にですか!?・・・・・・
そうなのか、まあわかりやすいのは間違いない。だけどそこじゃあないだろう! )
以外と冷静になって思った、あらためて考えてみる・・・・・・
というか私は生まれてきた理由がわからない、いくら考えても今まで、彼女も居ないし、学校ではいじめられて、今は完全にボッチだし!!!
( 思い出したくないけどね。もうだいぶ経つから一人には慣れたけどね。いつのまにか三十歳だし! )
( それでも彼女達は人間になりたいとは、なった事が無いからその感情は普通なのかもしれないな、人間関係知らないのもあるな! )
( ある偉人が人は生まれてきた時は平等だが、そのあと、
どれだけ勉学に励んだかでその後の差が決まる、と言っていたけれど、それは間違いだ! )
( 世界にはそんな言葉は通用しない、今はネットワークが進んで情報は簡単に手に入るのに、子供の世界でも、大人の世界でも!!! )
( いじめは、存在しているし、それが社会だ! )
少し怒っている自分がいた
( 意味もなくさげすまされたり。バカにされ助ける人は無く法律でも罰せられない! )
( ほぼ泣き寝入りで何も言えずに、私もその一人だった、訳もなく殴られたり、みんなの前でそれでも、誰も見て見ぬふりだった。)
なんか、むなしくなった。
別に助けを求めていた訳ではないけれど、いじめられる意味がわからなかった。
でもチャットの友達はいた、これでも普通には会話はできるのだ。
これが何よりの救いでもあった。
実は本気で『死のう』かと考えて結局はいざとなると、出来なかった。自分はこんなにも臆病者だと情けなく自分の弱さを知った、もうだいぶ前だけど。
家族も居ないから基本自炊で、一人で食べている。
( 他人から見たら寂しいとか思うんだろう。)
( まぁ料理は得意だから、いいんだけど、両親は交通事故だったから、なんとか生活費は安く抑えて贅沢はしないから、不満はない。
それなりに仕事で収入あるからな。)
( それなのに人間になりたいなんて、この子達には、わかるとは思えない、人間の社会を知らないからなぁ〜。)
( まあでもみんなで生きていくには、今までずっと一人だったから、
この子達、猫だったんだけど〜 でも人間になられると一人よりも人間と居るみたいになってる。)
『 私が猫なんだけどね! 』
( 一緒にいてくれるのは、寂しくないのかもしれない、今までは話も出来なかったから、その違いは大きいな。まぁこれからわかる事だから、時間が経てば今までとは違うのは直ぐにわかるだろう。)
私は少し期待しつつある。それを聞いた桜は私に言った。
「 私達も弓弦さんが拾ってくれなかったら、わからなかったよ。実際生きてるかなんて。」
桜ちゃんの表情は目を大きくして、上を見ながら懐かしさを思い出しているのがわかった、特に甘えん坊さんだったからな。
今更だけど、思い出したように立て続けにみんなが服を見たいと言った、私ばかりで話してたから、忘れてた。
( しかし私は猫のままだ! )
「 人間に戻してくれないと出来ません! 」
はっきり言った。
桔梗が言った。
「 わかりました、では人間に戻します、でも私達が猫になっても同じように会話は出来るから安心してね。」
そのあと直ぐに私は人間に戻った。今思うと猫って視界が低いのをリアルに理解した。ほとんど地面に近いから、ほぼ見上げてたから、みんなもそうだったのを思い出した。
早速パソコンを開いて女の子の服を検索した、四匹の猫が画面を
私の顔の横に満員電車のごとく押し寄せる、相変わらず目が可愛い猫達だ、色々見た結果、四匹の猫達はそれぞれ気に入った服を選んだみたいだ、直ぐに着てみたいらしく、私はまた猫に戻された。
短い人間の時間だった。
その時ふと、四人が言った言葉が頭から急に出てきた。
(『パンデミック』そう言ってたな。あれはいったいなんだろう? )
世界的大流行これは、良くも悪くも全人類が共通して起こる事態であり根源の元は未だに解決していない事由である。( パンデミック )
( 内容は聞いていないが後、十年後に人類が滅びるなんて大袈裟だ! )
私は思っていたが、そんなことよりも彼女達は着替えに夢中になってた。
( 初めて女の子の着替えを目の前で見た、女子更衣室ってこんな感じなのかな、でもうちの猫と思うと複雑だけど、見るのはいいか。)
( それにしても、みんなスタイルが良い、髪はサラサラだし、何故かみんな胸が標準よりも大きい。もの凄くではないけど無駄な脂肪も無いから余計に目立つ。)
今は猫だから気になっても問題無い。表情も変わらないしね。
「 そう言えば服とかどうやって出しているんだ? 」
桜が答えてくれた。
「 言い忘れてた、みんなにはそれぞれ能力があるんだよ。」
「 私は心の声が聞こえるのさっきも言ったけど。
向日葵ちゃんは生き物の声が聞こえるの動物とか植物とかの。
桔梗ちゃんは変身ができるんだよ。
菫ちゃんは書き換える能力があるんだよ。」
「『弓弦さんの人間を滅ぼすにはかなわないけどね。』」
「 ちょっとまてーい! しかも凄く重大な事をあっさり言った〜
聞いて無いぞ!!! 」
菫が私を見て言った。
「 下着は着るんだよね、弓弦さん。
たまに見てたよね、なんか女の子の映像をコソコソ。」
「 辞めてー 菫ちゃん! そこは触れないでください。」
( まったく余計なことを言ってからに! )
リアル女子の下着姿を見たことがないのを忘れていたが、そんなことは、彼女達にはどうでもいいことで、勝手に進めてる。私を無視して、恥ずかしいとか無いのか?
( 今猫だし視界が低いから、見上げることになったが、正直中身が猫でも良い! )
一人ずつ着替えを観察してみた。
桜ちゃんは小さいけどなんか、大人っぽく見えるのは出てるとこがあるのもそうなんだけど、なんか下着姿が子供ぽく無いからだ、向日葵ちゃんはどれどれ、おぉ、ショートが似合うスポーツ女子だ、下着姿は以外と色気があるのが好きなのか、なんかギャップ萌えするな!
桔梗ちゃんはめちゃくちゃ女の子だな、シンプルな下着が逆に清楚な感じで似合うな!
菫ちゃんはド派手だな〜 初めてTバック見た〜胸もダントツにデカイから迫力ある〜。
( ありがとうございます! )
心の中で叫んだ、聞こえてるのは桜ちゃんだけなのはラッキーだった。
言わない約束したから、彼女達は次々と下着と服を変えている。
その時ふと想像で服を変えれるのかと唖然として見ていた・・・・・
便利だなぁ〜 と思っていたら菫ちゃんが私に言った。
「 裸が見たいなら見せようか? 」
( やべ、のぞいていたのを見られてた! からかっているのか、本気なのか、見たいに決まってる! )
と思ったがなんとなく遠慮した、自分の飼っていた猫と思うとなんか違う感じがして、でも見てみたいから、今度は上から見てみようっと本棚の上に移動した。
見たいとは言わずにそのまま、彼女達の着替えに付き合っていた、ついでに髪型も自由だと知ったのは、彼女達がみんなバラバラな髪型だったのを見て理解した、沢山の服を満喫してから。
ついに彼女達からここにきた意味、理由、を私に話し始めた、
代表として一番大人の菫ちゃんが説明してくれた。
まさか、まったく考えられない、むしろ混乱する事になるとは話を聞いてから思ったのは言うまでもなく、だけどその事で余計に話が単純でない事がわかる事になった。さっき言った人類を滅ぼすの意味がね!
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