001 突然ですが猫になりました

( 目が覚めた、いつも通りの朝だと思ったら、いつもと違う!?

身体が小さい!? )

[ これは心の声です。]


 ( 夢はよく見るけど変な夢、今日はなんの夢だ? )


 ・・・・・・ん!?


 ( 人間じゃない!? )


手を見てみた動物だ!!! 


( なんの設定の夢なんだ!? )


大きさ、尻尾などを見てわかった。

 ( 嗚呼、猫なのか! )


 ( なるほどね、猫になった夢なのか、そういう事なら猫になり切る。)


 ( 夢なら自由だ! )


( 家は自分の部屋の中、とりあえず楽しもう、走ってみよう! )


 全力ダッシュしたら部屋が狭くてあっという間に部屋の端に着く。


( 猫って早いなぁ〜。)


そう言えばさっきから一人で頭の中で話してたけど、実際に声出してなかった。気づくの遅い!声を出してみよう!


どっちか試してみよう。ワクワク 人間の声かはたまた猫の鳴き声か。


( まさか言える日が来るとは、猫になったら

言ってみたい、セリフナンバーワン )


「 吾輩は猫である。」


( 言ってやった〜 !

夏目先生聞いてくれましたか、私も言えたよ! )


だけど実際に聞こえた声は、いや鳴き声か。

「 ナァーーー。」という残念な声だった、 ( まじか〜 )

夏目先生すいません、猫の鳴き声でした。

( 夢なら話せるだろう、そこはリアルいらないから、話せる猫でいいから! )


 周りを見渡すと、あまりにも自分の変化に驚きすぎて気づくのが遅かった、自分しか見て無かった、うかれてた〜 恥ずい。

視界も低いせいかもしれないが、居るんです私の家に女の子達が!


(『可愛い四人の女の子がいた、女の子がいる設定なのか!』)


( 部屋は私の部屋だけど、それ以外は理解するのには情報が全く無い

 だって夢だから、説明有る訳ないか! )


 鏡を見たら可愛い猫でした、

 自分の猫姿を見てうっとりしてしまった!

 ( 元々はバリバリの犬派だったけどな )


 別に夢だしこんな日もあるだろう・・・・・・


 彼女も居ないし、後ろめたさも無い






 その時、女の子が私を優しく持ち上げて言った。


「 ご主人様のお陰で、人間になれました、その代わりご主人が猫になりました! 」


( 見た目はアイドル並みの可愛い女の子、中学生くらいかな? )


 見とれている場合じゃない!!!


 その言葉を聞いたら、夢でない確率がグンと上がった。


( ・・・・・・はい!? )


( これは、説明!?

 短すぎるし、夢にしては説明なんか要らない!

 夢じゃなければね! )


( 冗談じゃない! )


 その声を聞いて全身の毛が逆立った頭から尻尾まで!!!


( 思い出そう。まずは冷静になって考えないとな。混乱したままいたら何も入ってこないからな )


( もしかして、うちの猫なのか!? )


 なんとなく、さっきからそう感じている自分がいる。

 なんとなくだけど・・・



 家には四匹の猫を飼っていた、家の近くで捨てられていて、雨の日だったから、とりあえず家に連れて来て保護しておこうという理由から。

 今でも飼っているきっかけだった。


( 仲良く一緒に暮らしていたから、家族みたいな感じでいたけど、なんで人間になってるの? )


 さっき持ち上げてくれた子が言った。

「 もしかして、夢だと思ってますか? 」


( ん!?  今、心の声でも聞こえた?  当たり前だ〜! )


( 夢じゃ無かったら、人間の私はどうなったんだ? 一生このまま猫で生きていくのかよ! )


「 流石ご主人様! そうですよご主人の猫なんです、突然猫になって驚いたと思うけど、これは決まったことだったんですよ、私達の最後のお願いは人間になりたかったそれで人間になれたの、ご主人様ありがとうございます! 」


( あれ、心の声なのに通じた? なんの感謝!?

 相変わらず理解が出来ない、なんで私が猫になったのか、説明不足は言うまでもない、何も考えずに、部屋の中をうろうろ歩きながら考える、なぜなら落ち着かないからだ!!! )


 いつも通りに声を出して、聞いてみた一応、『 猫の鳴き声 』でも言うしかないからな。


「 私はなんで、猫になったのか教えて! 」


 と言ったのだが、やっぱりその声は猫の鳴き声だった。


( あらまー ・・・・・・ 夢なら早く覚めてください! )


( 相手の言葉はわかるのに! )


「 喋れないんかい! 」 ( 自分にツッコミした。 )


 いらだちをかくせずに思ったら、直ぐに一番小さい子が応えてくれた。


「 桜だけはご主人の心の声がわかります。猫の鳴き声はみんなに言葉で通じますよ。 私達が此処に来た理由はズバリ! 」


「『後、十年後に人類が滅びる』からです!」


 私は直ぐに応えた。

「 全然わかりません、説明になってません。夢なら早く覚めてください。 」


 その子が、更に付け加えた。

「 私達が人間になってご主人と人類を救う為に来たんです。 」


( あれ、もしかしてだけど桜ちゃんなのか、さっきからご主人様って言ってるし。)

 うちの猫達にはみんなちゃん付けしてるので。


( うちの猫の!  思わずそう思った、何故か一緒に居てなんとなく。 )


( だけど、その言葉を聞いて何を言っているんだ、いったいこの子は

 まだ理解不能の私に四人が同時に声を揃えて私の顔を見て言った。)


四人が私の前に来て、かたまっていきなり言った。

「『パンデミック!』それを止めるために人間になって来たんです!!! 」


息ぴったりすぎたのと、いきなり同時に言うから、ビックリした! 

 

( 人間の声だから理解出来る。当たり前すぎたけど、

 よくよく考えたらこれは私がもともと人間だったからなのか!? )


「 猫なのにわかるんだ、ラッキ〜 」 


 良かったぁ〜 と思いつつ、その時、初めてみんなの姿が目に入った。


「 服装ボロボロだけどなんで? 」


 さっき桜ちゃんが猫の鳴き声でも通じるって言ったから、普通に言ってみた。

ヨレヨレの小汚い服だった。女の子の大事な部分だけはちゃんと隠れてる。それが逆にいやらしく見える。猫だから表情は変わらないけどね!


「 その服どうしたの? 」


 もちろん鳴き声は猫である、喋れないのは理解できたが、とにかく伝わるのはさっき桜が教えてくれたから理解したので聞いてみたのである。


 見た目は完璧な女の子だから、そのチョイスが聞きたかった。


 目の前の見えそうで見えない部分の女の子の方が気になるのは

 私が人間だからである。 男ならわかってください!


 二番目に大きい女の子が言った。


「 私達、初めてだから人間になったのは、とりあえず人間の裸は寒いからね。適当に着てるだけなのよ、寒いんだね人間の裸は。」


 確かに裸は寒い、猫は毛皮着てると同じだからなぁ、今は九月だけど、朝は季節変わらず、裸は寒いのは言うまでもない。


( 仕方ない、うちには女の子の服無いからネットで買うか。)


 一番小さい小学生くらいの可愛い桜が大きい声で言った。


「 見たい女の子の服! 」


「 ・・・・・・え!? 」


( そこに興味あるんだ〜 人間ならそうか・・・・・・

 女の子だしね。)


 と、思ったら立て続けに桜は言った。


「 桜だけが心の声が聞こえるの、さっきも言ったけど、買ってくれるって思ったでしょ! だからだよ。」


( え!・・・・・ )


聞き流してた、夢だろうって思っていたので。

「 どんな能力ですか! 」


桜が説明してくれた。

「 実は、他の子には心の声は聞こえないのです、桜だけの能力で〜す

みんなは猫の鳴き声を言葉で聞けるけど、普通にわかるよ。 」


「 桜ちゃんだけなんだね、さっきから私が心の中で考えてた事知っていたのは。」


「 そうだよ、桜だけだよ、なんかまずいの? 」


( 桜ちゃん、他の子には言うなよ、私これでも男なんだから、二人だけの約束だよ、それ以上は聞かないでくれ。)


「 わかった、そうするね、何かあれば心の声で教えてね。」


向日葵が聞いてきた。

「 何か内緒にしようとしてる? 」


「 向日葵ちゃん、内緒では無いから安心してください。」


( 危な! もちろんそうするよ、何だよ心の声って、おいおい。これか! )


( 他にも居たけど一人だけ外国人が居る〜。

 一番背が高くて髪が金髪で目が青い、スタイル抜群モデル並み! )

 

 今さらだけどまだ夢でいて欲しいと思うのは、初めて家に女の子が居るからだ、リアルに家に女性入れた事ないから、なんか不思議です。


 心の声が聞けるのは聞いた事ないし、無理でしょと思いつつも受け入れ始めている、夢とまだ思っているから・・・・・・


( 彼女無しの人生でいきなり四人の女の子が家に居る事で男として興奮しないのは無理無理。まだ夢と思っているみたいだ、嬉しくてたまらん! )




 今は浮かれているけど、この後とんでもない事になるとは、今は知らないけど、もう運命には逆らえない事はしるよしも無かった。まさか自分が人類を滅ぼすなんて・・・・・・

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