003 仕方ない、だって飼い主だから!

 菫から聞く所によれば、彼女達がここに来た時から少しずつ、状況が進んでいるらしい。


 特に私は何もして無いのだが・・・・・・


 その前に私の職業の説明が、必要だと思ったので、彼女達にわかりやすく、丁寧に説明した。


「 カウンセラーといえばわかりやすいけど、正直『メンタリスト』なんです、人の心理と心の中を除いて、相手の心を誘導するとか言われているけど、よく相手を観察して判断するのに長けてるんだ。

 私はその人の為になる事を考えてやってるから、金額はその人によって変えますが、催眠術を使うので効果はあります、催眠術が使えないと

『メンタリスト』とはいえないからね。 」


更に続ける。

「 そもそも『催眠術』は誰でもかかるからコツはいるけど、この仕事も私が人とは何かって思い初めて、沢山の本を読んで自分を理解したかったからなんだよ。」


次いでに今の状況も教えておく。

「 それで、今現代『2050年』では、かなり心の病、が増えてきてるんだ、日本の人口も今は一億人くらいで36%は高齢者だから結構来るんだけど、若い人もくるようになったね。」


もう一度説明しておこう。

「 必要な技術は、観察力と人の心理を操る事とマジックもするかな。

 薬よりはこの方が効果があるし負担も少ないし、自分の弱さを誰かのために、なりたくて、始めたのが一番わかりやすい説明になるけど、菫ちゃんの話を聞く限りただごとではないね。」




 私の話を聞いてから、菫はもう一度詳しく話し始めた。


「 私達は人間の世界は知らないけど、環境の変化には、気付いてます。

 その原因が人類だって事にもね、奪い続けて地球の生き物は変わり始めているよ、人間を排除しようと、ウイルスよりは『恨み』の方が合っていると思う、その媒体ばいたいが弓弦さんです。 」


菫は私を見ながら、髪をクルクルまわしながら、時々みんなも見て話を続けた。

「 弓弦さんが人間に対して不愉快に思えば、思考能力が衰えて視力が悪くなるのが初期症状、重症になると視力はなくなり感受性もなくなる、かかりやすいのは、

『罪悪感が強い人間』から、人のことを『いじめる人間』それと

『孤独感が強い人間』もう始まっているよ、弓弦さんが死んだ時から。」



 その言葉を聞いて、唾を大きく飲み込んだのは、最近の患者に当てはまる人が増えていたのを思い出したからだった、私は心の不安からきているのだと思い、催眠術で落ち着かせていた、これではっきり理解ができた、原因が私だったんだ!

 

 そこでふと、思ったのはいつ?


そんな事を思ったのは覚えがない。(心の声)


 考えていた時、ぴょんと立ち上がって桜が私の前に来て、目線を合わせるように私の目と桜の目の位置を合わせてから、少し近いと思いつつ私が後ろにバックした。そのあと話始めた。


「 弓弦さんに責任はないからね、ただ〜 私達は人類がいなくなる前に、人間になりたいって思っただけなのだけれど、誰かに言った訳ではなくね、それで弓弦さんの支えになっている私は人間が好きなの、弓弦さんに助けて貰って、弓弦さんが優しくしてくれたからだよ。」 


 さっきと同じく大きな目で私の顔を見て言った。

言い終わった後は私の身体をなんか撫でているけど、マッサージみたいに気持ち良かった、やっぱり猫のツボを知ってると思った。


 確かには動物の中でも猫が好きになった、この子達を飼ってから野良猫にもエサを上げていたし、元々は犬派だったけど、飼ってみたら楽だった。散歩も必要がないし。おトイレもちゃんと同じところでしてくれる。


甘えてくる時は気にせず来てたのは可愛いかった、今でもまだ猫が抜けきれてないから、可愛いは継続中です!



 それで、これからどうするのかを聞きたかった、もちろん考えただけで伝わているのは知っていたので少し時間を空けて何も考えないでいた・・・



( 私が滅ぼす存在になったのだから、救うのにはどうすればいいのかは今はわからなくてもいいだろう。私が何もしなければいいんだ、よくわかってないけど、なんか彼女達を見ていると落ち着くから猫でも良い。)


 すると桜が飛んで来て真剣な目で言った。

「 違うよ、弓弦さんが人間を孤独感やいじめや罪悪感を減らしていかないとダメなの! 」


心の声聞いたな〜 桜ちゃんはもう勝手に!


いきなりやる事あるんですか!

「 えーーー! 」


「 それやらないとダメですか? 」


「 ダメですよ、そうしないと私達も居なくなっちゃうから手伝ってください! 」


「 まじですか! 」


どういう意味からそうなったんだ、居なくなるは聞いてません。


「 それは嫌だな、桜達は家族として思っているからなぁ〜。」


「 自由に猫として優雅に暮らしていこうと思って居たのに!

 そもそも人類何人居るかわかってますか、桜ちゃん! 」


「 とにかく、少しずつでもいいので、お願いします、弓弦さん! 」


「 あ〜 もう仕方ないなぁ〜 でもそこまで期待しないで下さい。

 猫は気まぐれなので! 」




 仕方なく、了承したけど、これからこの子達ともう少し一緒に居たいから、もともとこの子達、私の可愛い猫だから、付き合ってあげよう、飼い主として!

 責任は取らないと、それだけは守りたい!


 人類よりも彼女達を私は選ぶ!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る