015 いじめ撲滅

 打ち合わせは、私の指示に通り言うだけだ。

桜は桔梗と二人で教室の前に立つ。向日葵には学校中の一年前の情報集めを頼んだ、菫には桔梗と桜の教室でのいじめについて、

話す機会を作って貰う事にした。


 桜に言ってもらう事にする。

まずは、他人事みたいに桜が向こうの学校でいじめられていたという事をクラスメイトに事細かく話始める。


「 私の学校では、殴るそれを見て笑う、誰も助けて来ない。

 泣くと余計に叩かれるので、笑って誤魔化す。これが向こうのいじめで、

 いじめの対象は、見た目、身体が人よりも弱い、頭が良くてもそれだけでいじめの対象になります。」


 この事をみんなに話すと、クラスメイトが引いてるのがわかった、それと同時に桜から罪悪感が出て来てるのを、知って間髪いれずにみんなに言って貰った。


「 みんなはいじめの経験はありますか? いじめた事ありますか?

 嘘をついて他の人に加担させた事ありますか? 今ならまだ間に合いますよ。もし心あたりがあるのなら、今すぐにスマホを出してください。」


 今度は桔梗がみんなに言って貰う、私の指示だが。

「 私の親はカウンセラーをしています、日本には根付いていませんが、アメリカでは当たり前の様に相談するのが、常識です。何故なら今でも黒人に対する偏見はあるし、この世界には子供も大人にもいじめが存在するからです。

 日本にはアメリカの様にあからさまないじめはありませんが、調べたらかなり、陰険いんけんな、いじめみたいですねなので、

 今から、スマホにいじめたことと、いじめられた事を全部書いてみてください、書き終わったら、直接本人に心の気持ちを伝えてください、それで今回の件は終わります、私達はみんなと仲良くして欲しいだけです。」


「 いきなりこんな話を聞いて、もし不満や馬鹿馬鹿しいと思うのなら、

 これから先、大人になっても変わることも出来ないし、助けることも、助けられることも出来ません、後は自分で決めて下さい、だけど今、心の中の気持ちを言うことはこれから先、孤独になることはありません、本当はみんな優しい人だから。」


 更に付け加えた。

「 楽しく生きるには、一度、気持ちの整理が必要だから今しておかないと大人になってから後悔しますよ、お願いします。」


 そのあと、みんなはお互いを見ながら、声を出さずに、しばらくスマホを見てから書き出した、そのみんなの様子を見て、二人は後ろの席に着いた、しばらくしてから、向日葵ちゃんから話を聞けた、予想通りまだそこまで酷く無い。

 これなら今の話でこの学校の生徒は大丈夫だと確信した。

菫に書き換えを、もう一つ、付け加えて貰う事にした、みんなでお昼ご飯を教室で食べる事、それで良い。

高校生活残り少し、みんなと四人の彼女達に遊んで貰えるといいだろう、高校生くらいの方が彼女達も慣れやすいはずだ。


 これでクラスメイト達が仲良くなったのを見ていてわかった、お互いの言いたい事を素直に言うこと、以外とできないのが世の常、だから私が一肌脱ぐことになったのだが、これも彼女達を学校生活を楽しめるように必要な事だからなぁ。だけど菫のお願いだけは難問だなぁ。


 桜が 「 弓弦さんは本当にわかるんだね、心を読んだわけでもないのに、ちゃんと約束守ってくれてありがとう。」


 まあ少しずつだけでもやってみるって言ったからな、

それにみんながまだもう少し学校にいるから人間関係は教えておかないと、まだまだ桜も桔梗も向日葵も菫も人間になって少しだけだから私も色々教えたいことあるんだよ。

 なんてたって私が人間を滅ぼす存在なんだからなあ。



「 人間関係って何が正解なんて今でもわからないよ、桜達もそうは思わないか? 」


桜はちょっとムキになって言った。

「 それはそうだけど、まだ答えを見つけるのは先だと思う、まだ人間は滅んで欲しくないよ! 」


「わかったよ、桜ちゃん、じゃあさ、一つ提案があるんだ、桜ちゃん神崎主将にいじめ撲滅のために空手部を参加させるようにしたいから、詳しくはその時に言うね。」


神崎さんと会った時にでも上手くいい言葉を考えておこう、このために桜と桔梗を空手部に行かせたんだからな。


一ヵ月で彼女達にもっと人間関係を教えてあげないとだな、まだまだみれて無い事が沢山ある、いい事ばかりではないのを知って初めてわかってきたり、それぞれの考え方が出てくるだろう、大人の世界はもっと厳しいからな、丁寧に教えてあげないとこれから来るであろう敵に対して迷わないようにね。この子達はまだ人間になって歩き始めたばかりだから。

  

次の日、桜に空手部に行ってもらった、ここは私の知恵と言い方で神崎主将を丸めこめよう、ついでに学校側も巻き込んでしまおう。

学校教育法を適用させよう、法律を出せば、学校側は簡単だ。

第50条一、三、この二つで問題ない。大人は法律を出されると弱い、

あとは桜を神崎さんと学校側に申し立てるだけ、まあ新しい委員会が出来る事になりそうだけど直ぐに作れるだろう。


この内容には、やっぱり、いじめる側といじめられる側両方とも助けることができる、今の世間では必要の教育の一つに加えられればいいのに、まったく、政治家は役に立たない、選んでいる国民も問題だが、先ずは行動しないとだからな!


生徒が個人個人をまずは精神的と物理的に強くなるのが一番だからな。

そこで空手部を絡ませる事で、自分の弱さ、身体を鍛えることと空手での礼儀作法を知ることはいい効果が出るだろう。


そう言う事で桜に神崎主将にいじめの解決策として話がまとまって、学校側にも理解してもらえた。これでこの学校の新しい取り組みが出来た。

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