012 高校生デビュー ニャン!

 とにかく、家で学校の事は色々教えておいたから、あとは実行するだけ


 菫に頼んで、書き換えは、二年生、外国留学生の期間は一ヵ月。

 アメリカからの親の仕事の都合で日本の高校に体験してみたかったという理由で、校長先生との友人で期間限定の入学ということと、双子だという事、部活には入らず、授業だけということにした。学校に行かせるの大変だな〜。


 名前は桔梗と、桜のままにした。教師は女性の若い先生なので

 私なら問題ない。何かあれば直ぐに対応できる。


 人間相手ならメンタリストには得意分野であるからだ。

 無意識の動き、仕草、手の組み方から、足の向き、人間の動きには、

 全て意味がある。

 なので、私には嘘をついても、効かない。逆に嘘をついても、

 わからせない。威張って言うことでは無いけど、ようは使い方。


 簡単な催眠術にかかりやすい子になら、直ぐに出来る。

 

それよりも学校の制服姿を見て桔梗は喜んでいる、色々ポーズをしてみんなに見てもたっている、桔梗が一番女の子してるなぁ〜。

猫の時からおとなしかったらから、人間になると更に可愛さ増したな。

髪型も色々ためしてるのは可愛い。


 学校に着いて教室に入ったら、桔梗はあがり症みたい、手は硬くギュッとグーになって、肩が上に上がっている、みんなと目が合わせられない。めちゃくちゃ緊張している。

なんとかまぎらわそうと、桔梗は髪を撫でている、猫が緊張している時によくする仕草!


 桜から、お手本とばかりに自己紹介をした、ついでに桔梗の分の自己紹介もしてあげた。桜も桔梗の緊張が伝わったのだろう。

 クラスの生徒から定例の拍手をもらい

 席は特別に一番後ろに用意してもらった、人の観察は後ろからが丁度いい、桔梗のあがり症もこれで安心です。


 観察し放題、桔梗も落ち着ける、二人には質問は来ないことになっているので、桔梗は存分に学校を楽しめるように設定した。


 向日葵は小鳥になって援護してもらい。

 菫も同じく小鳥で援護している。


 準備は問題ない。


 学校は久しぶりだ、私の頃はノートだったが、今はタブレットだ。

 だけど、雰囲気は、学生らしい感じは同じだった、此処には学食がないので、お昼のお弁当は私の手作りだ、自身はある、桔梗に楽しみにしててと言って、授業を聞いている桔梗をよそに、クラスメイトの状況の確認を始めた。

 直ぐに、いじめられている子といじめてる子がわかった。


 桔梗にも教えとくお昼休みになったら桜が声をかけるから、

 桔梗はついてきてと桔梗は直ぐに。了解と言った。チャイムが鳴ると

 桜は他の子に目もくれず、その子に声を掛けて、学校の案内付きで

 お昼ご飯のお弁当を一緒にたでるべく、屋上に案内してもらう。


 桜は普通に話を始めた。

「 学校の屋上でお弁当食べてみたかったんだ、外の空気を吸いながら

 食べるお弁当は格別なんだよ。」


桜はあぐらをしながらだけど、桔梗は正座をしている、これは二人の個性かなと思う。すーちゃんは正座をくずした女の子座りだった。


 「 あらためて、私は叶桜と桔梗です。一ヶ月よろしくお願いします。

 他の子達とは気が合いそうにないから、えーっと、お名前は? 」


「 私は鈴木鈴音です、よろしくお願いします、えーっと部活は芸術部に入ってます、なんで私に声を掛けてくれたのですか? 」


「 ひとめ見て、気に入ったからだよ、とりあえず、一緒にお弁当食べよ、私の手作りです、おかずを交換こしながら食べよ。」


「 私も手作りです、まだ、料理の勉強中だから、恥ずかしいけど、

 他の子と一緒に食べるのは、はじめてだから、ちょっと恥ずかしい。」


桜は気にしないタイプだな。

「 どれどれ、美味しそうじゃない、卵焼きは欠かせないよね、私のと交換しよ、甘い卵焼きだ、私も甘い卵焼き好きなの、鈴音さんは、何を入れてるの? 」


「 私は砂糖だけれど、鈴音さんのは違うみたい、何を入れてるの? 」


「 みりんです。 」


「 へぇーみりんだったのか、ただ、甘いだけでなくて私のより美味しい、今度試してみよう、いいかな? 鈴音さん。」


「 そんなに気にしないでください。だけどみりんの量はお好みで良いと思うよ。」


すーちゃんの話し方は、気を使いすぎてる気がする。

「 鈴音さんはみんなから、なんて呼ばれてるの? 」


「 普通に鈴木さんです、他には特にないよ、初めから鈴木さんです。」

 

なのに顔の変化あまり無いな、普通ならあると思うけどあだ名一つくらい

何かあるな。


「 そうなんだね、私は桜ちゃんって呼ばれる、桔梗はきょうちゃんだよ、鈴音さんなら、すーちゃんはどうかな? 」


「 えー、初めて呼ばれたから、少し嬉しいです。」 


これは本当に嬉しそうだな、素直なところもあるんだな。

隠し事が多いと思っていたが、初めて会ったのと、

すーちゃんの過去を知らないからかもしれないな、

まぁ初対面は良い印象を持って欲しい気持ちがあるのは確かだから、

自分から避ける人や一人が好きな人はわざと悪い印象を持って欲しくてやるけど、そこは私には全部わかるから意味ないけどな。


「 じゃぁ、これからは、お互いを、あだ名で呼び合いましょうね、すーちゃん。」


「 わかりました、桜ちゃんとキョウちゃん! よろしくお願いします。短い時間だけど仲良くしてください。」


桔梗はすーちゃんの部活に興味があるみたいだなぁ。さっきから色々絵を見ているからな、たまらず桔梗が言った。


「 すーちゃんは芸術部なんだよね、だから来てもいいように部長さんに、言っといてもらえますか? 是非、描いているところも見てみたいです。」


「 わかりました、静かにしていれば問題無いですよ、ちゃんと言っておきますね、部活は授業が終わってからですので来てみますか? 」


 私は桜に空手部があるか聞いてみて、と言った、理由はもちろんある。

「 あ、その前に空手部ってあるの? 」


「 ありますよ、主将は全国大会行ったから有名です。」


 そっちに先に行ってみたいって言って。

桜は直ぐに応えてくれるのは打ち合わせしてたから、打ち合わせ大事だな。スムーズに事が進むな。


「 そうなんだ、ならそっちに先に行ってみたいから、すーちゃんの部活はその後に行くね。」


「 わかりました。その時は色々説明するので、まだ午後の授業まで、時間があるから、学校の案内をさせてください。」


 図書室、科学室、音楽教室、職員室、体育館、家庭科室、などなど。

「 それと、ここが芸術部私の部活の場所です。」


 こっそり桜が聞いてきた。

「 弓弦さんなんで空手部なの? 理由があるの? 」


「 もちろん、あるよ! そういえば桜ちゃんと桔梗ちゃんは運動能力はどれくらいなの? 」


「 猫の能力があるから、そうだなぁ普通の人間より五倍くらいかなぁ よくわからんけどたぶんだよ。」


これ、たぶん十倍くらいあるな!


「 それは金メダル余裕って事になるけど、まじか〜 まあいいだろう、そんな気がしてたから。」

 

( もしかして私もそうなのかな? )


 すーちゃんは、優しく丁寧に教えてくれた、この子がいじめられている理由は未だにわからない、午後の授業のために、教室に戻ると、明らかにみんなの視線が優しく無いのがわかりやすい。


すーちゃんを見る目がにらんでいるし、なんかぶつぶつ言ってるし。


桜にみんなの、心の声を聞いてもらった、ある程度想像はできるけど、

桜と桔梗にはそこまでの、視線はこない、二人に話しかけたがってた人が

いじめてるすーちゃんに、取られたと、ジェラシーがあるのだろう。


この高校は女子高だから、特に共学とは雰囲気が違うと思うのは、

私が共学だったので女子校が全然違うのは当たり前なんだけど、

想像以上だった、男子がいないので外見をおろそかにしてる子が多いのには驚いた、しかも女子だけなので、姿勢を気にしないので下着が見えても全く気にしていないのには、これが女子校なのだと理解した、男子がいないだけで、気が緩みすぎ!


 桜がみんなの声を教えてくれた。


「 なんで? なんで? ばっかりだよ、今はまだよく、みんな状況を把握してないみたいですね。」


「 ありがとう桜ちゃん、それと向日葵ちゃん、みんなが、すーちゃんをいじめてる理由をその木に聞いてみてくれるかな、教室から一番近いから見てるなら分かると思う。頼んだよ。」


 向日葵も直ぐに聞き始めた。

「 わかったよん。見た目が可愛いのをねたんでるみたい、それと、大人しいから、それにつけ込まれているみたいだよ、いじめは仲間外れが目立つね、見ただけだからそれ以上は知らないってさ。」


 なるほど、これ以上の悪化は、なんとかしないといけないね。

子供のいじめはわかりやすいから、経験者はが言うんだからな。

みんなにも手伝ってもらうからね。

そう言って、午後の授業が終わり、すーちゃんと一緒に部活に向かった。


 私には確認したい事がある、みんなにはわからなくても。

私だけには気づく事が多いのは職業柄に自然に見たしまうからだ、だから私には嘘をついても無駄なので。すーちゃんの事で多分勘違いしている気がする、納得出来ない、ところがある、なんであんな事を言ったんだろう、まあそれはもうすぐわかるから、いいか。

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