011 学校の思い出は私には無い

( 家に着いて考えていた。私は今まで、いじめられて。

 友達もいない。

 彼女もいない。

 そんな私が人間を救うのは、何のために? )


 だけど、同じ境遇なら話は別だ、それに病で苦しんでいる人もいる、

なのに何故、平等にならないのは、歴史があるからだ、世界の戦争はなくならないし、貧困層を生み出しているのは、裕福な人間が与えないから。

子供から大人まで、いじめはあるし、考え出すとキリがないな。


 ボス猫の言葉がそのまま、『愚かだ』 がそのまま私だ。

 カウンセラーとして、沢山の人を見てきたが

『原因は人間関係が全部だ』


 彼女達に聞いてみた。

「 人類はどうなればいいと思う? 」


 彼女達に私は言った。


桜が応えた。

「 私達は人間をそれが全てだと思わないよ、お母さんの優しさは嘘ではなかったし、生まれたばかりの赤ちゃんは悪では無いよ! 」


 桜のいう通りだった、では、どうすればいいのか? 


 私はもっと人間を知る必要がある。

 とりあえず、彼女達にもっと人間を知ってもらえれば、何かしら、答えが見つかるかもしれない。


『 今まで、私は逃げて来たのだ、人間と自分と向き合うことに 』


 ならば、次は桔梗の行きたい、学校に行くことにしてみよう。

そのかわり、桔梗一人では学校は厳しい、菫の書き換えはどこまで出来るかに、委ねるしかない、菫の書き換えの制限を詳しく教えてもらおう。


「 菫ちゃんの書き換えを詳しく教えてくれてる? 」


「 私の書き換えは、状況が基本ですね、記憶はできません、簡単に言うと物理的な状況の変化ですね。」


「 なるほど、時間の変更はできない、強いていうのなら、これから起こることの変更で合ってる? 」

  

「 そうですね、過去は変えられません、未来を変えるとは違う物理的の状況変化です。簡単に言うと偶然を作れるみたいなものなのかな。」

 

菫が言いたい事が自分でもよくわかって無いみたいだ、それなら私がわかる訳ないか。


「 桔梗ちゃんの変身は物には出来るの? 」


「 例えば大きさに制限はあるの? 」


「 生き物に限ります、大きさは特にはありませんが、服を違う服にできることは簡単です、物を違うものには変身可能です。身体の変身だけは生き物だけですよ。物なら何にでも出来るかも、わたくしの知識に関係あるかもしれませんよ。 」


なるほど桔梗の知識があれば良いのか。

「 向日葵ちゃんは声を聞く以外には何が出来るの? 」

 

「 他の生き物の声を真似出来ます。 」


 そう言った後にどこで覚えたのか、突然モノマネをした。

 朝のニュースのアナウンサーになって、天気予報を言い出した。

 録音したみたいに同じ声だった、これは何かに使えるか、考えてみよう。


「 桜ちゃんは心の声を聞く以外には何が出来るの? 」


「 そうですね、心の声でも更に本人が気づいていないところまで聞けるかな。」


「 ということは、向日葵ちゃんは人間以外の声を聞けて、更にモノマネが出来て、桜ちゃんは人間の心の声が聞けるついでに本人が意識してない事も聞けると言う事でいいんだね。 」

 二人は息ぴったりに言った。


「 その通り正解! 」


「 クイズ番組見た? 」


 全てを整理してみた、これなら桔梗を学校に連れて行くことができる。

 あとは打ち合わせだけだ、ここから少し離れた学校がいいだろう。


 設定がしやすい、留学生にして期間を決めれば問題ない、

あとは菫の書き換え能力を上手く使えば良いな。


向日葵と菫を目立たない動物に変身させれば良い。


 私は、菫に学校でみんなから認識出来ないようにして貰えば、猫のままでも問題無いな。猫が学校に居ると騒ぐからな!

近くでアドバイスができる。

 桜と桔梗を双子にすれば、問題無い、一人にしないのはアドリブが効くようにしておこう。

 もう一度整理して、綿密に考えて、家で練習してから、行けば大丈夫だろう。

 こうして、桔梗の学校生活がスタート出来る。これで桔梗の夢が一つ叶えてあげられる。


 学校は女子校がいいだろう、私が共学だったから転校生が来ると男子がうざいからな。


 これで、少しずつ人間をわかってくれれば彼女達も何か変わるかも知れない、私が少しずつ変わってきているように、人間の奥深さが、良いも悪いも無い、私は高校生活ほとんど行って無いから、初めて普通の高校生活を見れるかもしれないな、私には思い出なんか無いから。

 人間を教えるのは高校生くらいからがちょうど良いだろう、大人になる前の人間関係は大事だからなあ、私は良い思い出がないから、見てみたい。

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