006 早速、能力発動!

 みんなで外に出かけた、 久しぶりの外出だ、なんか新鮮だ!


 私の職業の癖で人の観察が当たり前になっている、大体は、見て職業、性格、趣味、食べたもの、見てるとわかる、服に付いていたり、匂いとかまあそこまで、私みたいに気にする人が少ないだけの事なんだけど。


 今は猫なのでより詳しくわかるようになっていた、仕方なくゲージを持ってきているけど、乗り物以外は外に出して貰っている。


 そういえば、罪悪感、いじめている人、孤独感が強い人から発症するのを思い出して、あたりの人間に目を見張ることにした一応約束はしたからなぁ〜。


この世界の人間に罪悪感がない人はいないし。

いじめが無いこともない。

孤独感も無い人はいない。

ついでに偏見も無い人も少ない。


( どの程度が発症対象になるんだ? )


 私は直ぐにある人間に目を見張る、歳は十代、高校生だろう。


「 桜ちゃん、あの男の子の心の声を聞いてみて! 」


 早速、桜は心の声を聞いた。

 

「 いじめられてるよ、毎日いじめっ子から、内容は暴力とパシリみたい、かなり心が壊れてるよ。流石弓弦さん! よくわかりましたね。」

 

 桜の能力便利だなぁ〜 私は観察するだけだから、それでも予想通り、肩を落として、目は虚ろ《うつろ》下を向いて歩いてる、しかも一人で、学生服に汚れがある、よくみないとわからないくらいだけど、本人が気づかれないようにしていても私はわかった。


「 私の目に狂いはない菫ちゃん、書き換えにはどこまで出来る? 」


 菫は言った

「 私の書き換えは物理的な状況くらい、記憶は出来ないよ。」


「 わかった、なら男の子の書き換えはいじめが無くなるだけでいいから書き換えて、それともう一つ、友達をいじめている子に書き換えて!

それで充分です。」


「 わかりました書き換えます、今直ぐに実行しますか? 」


( なんか菫ちゃんが能力使う時AIの人型ロボットみたいだな〜 )


「 やってくれ! 」


「 了解しました、書き換えます! 」


 すると、その男の子の後ろから友達が現れた。

 ( 元々はいじめっ子なんだけどね )


 肩を組み普通に話し始めた、いじめられてた子は少し戸惑って《とまどって》いた。記憶は変更出来ないなら、ちょっと気になる所がある。

今は黙っておこう。


( これで二人とも、私の恨みは受けないだろう )

 と思っていたところで桜が言った。

 

「 心が変化した、孤独感がなくなったよ! 」


 四人同時に。

「 弓弦さん凄いです! 」


 当然だ、私はこれでもメンタリストだから、書き換えられるのなら、私の催眠術を使わなくてもいいからね、それにしても・・・・・・


 ( 菫ちゃんも桜ちゃんも能力は凄い便利だ。)


( だが『世界規模』となるとまだ、これだけでは無理だが、能力は確認できたのは一つ前進だ、まあ少しずつだけどね。)


( あとは桔梗の変身能力が知りたい、向日葵は生き物の声だからどこまでの範囲の生き物か聞きたい。 )


「 向日葵ちゃんは植物の声も聞けるのかい? 」


 向日葵は言った。 

「 そうだよ、地球上の生き物の声が聞けるよ。」

 

 なんかいきなり規模が大きい気がするが・・・


( それは良い、私は人間専門だから、それならかなりの、範囲が理解出来る。)


「 桔梗ちゃんの変身能力はどこまで出来るの? 」


「 私の変身能力は身体を何にでもできます、服装なんて簡単ですよ、年齢も、他人の人間にもなれますけど。」


「 ということは、私を有名人にも出来るということで理解してもいいんだね。」

 ザックリと、簡潔に言った。

 

「 そういうことになりますね。」


 桔梗はたんたんと話すな。

「 わかりました、とりあえず約束は守ったんだから沖縄に行こう。」


( みんなのやりたいこともしないとね。)


( 世界を救うなんて、まったく、私は最初から厳しいなと思ったが、これだけの能力が有ればあとは私の考え方次第だけれど、もう一つ気になっている事があるしな。)


( なんとかなりそうな気がしてきた。今直ぐにはしないけど、今は彼女達を人間として楽しんで欲しい方が優先でーす。猫は自由なのだ。)


( まだ世界的大流行いわゆる

 パンデミックは起こっていない、それにしてもなんで、私なのだろうかと、まったく責任重大ではないか! )


( 一人で慎ましく生活してたのに、彼女達の存在で一変してしまった。

 とにかく、今は沖縄で遊んでみるか、深く考えるのはその後で良い。

 一応家族だけど、女性と付き合ったことのない私は、人類よりも彼女達と今を楽しみたい! )


 秋だけど、沖縄ならまだ海に入れるだろう、彼女達は猫だけど泳げるのか、みてみたい。 


 なんせ最初があれだったからな、足で首を掻いていたくらいだ。

 思い出して笑いを堪えていて彼女達の顔を見ると、四人が私をキッと睨んだ、私は目を逸らした。野生の感なのかと思った。まだ猫抜けきれて無いな。


 旅行の準備も終わって、彼女達にもある程度説明したし、行くか。

 そろそろ、空港だ、飛行機に乗るのはみんな初めてなのでワクワクしていた。


「 さあ行こう!目指すは沖縄! 」


 ネットで見たけど綺麗だっだな、彼女達の目も輝いていた、相変わらず、猫のあの訴えかける、眼差しが可愛い。


 私にも出来るかは慣れてきてからでいいか、私も猫は初めてなんだから、猫になったらやってみたいあの訴える眼差し!



 まさかこれから向こうで、起こる事は今は知るよしも無い、私の考えが少しずつ変わって来る出来事があるなんて。少しずつ私の何かが変わっていっている。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る