第2話時空操作

 放課後SHRが終わると同時にかばんを拾い即座に教室から出る。

 昼ごはんをハルと一緒に食べたときに勇気との話でも出てきた『手紙』の話になり、存在を知らなかったことを伝えると『放課後ダッシュで見に行ってきて』と言われたので、普段使わない筋肉を使い徒歩3分、走って1分弱の我が家まで全力疾走で走って帰った。


 ハルが『ながTの話が終わったらひぃの教室に向かうからそれまでに手紙持ってきてね』と言ってきたので、10分以内に自分の教室に向かわないといけない。

 

 エレベーターを使うと時間がかかるので、階段を使い部屋のある4階に向かって階段を駆け上がった。

 かばんを玄関に投げ捨て、靴を脱ぎ部屋の中に入る。

 

 手紙がどこにあるのかを探すと、枕元に黒色の封筒が置いてあった。

 なんで気が付かなかったんだろ?こんなに堂々と置いてあるのに。

 

 横型封筒を手に取り、ダッシュで来た道を戻る。

 かばんは持たずに、靴も普段履く靴を履いて家から出る。

 ローファーでよく走ってこれたな。


 エレベーターに乗って休憩したいと思いながら、エレベーターを見るが、3つあるエレベータ全て20回前後にある。一つは最上階にある。

 階段ダッシュが決まった。







「ただいま……」


 階段のせいで時間以上につかれた体をひこずりながら、自分の教室に入ると、ハルがもう教室の俺の席でスマホを使いながら待っていた。

 

「ごめん。今日のながTの話短かった。」

「なんで今日に限って早いんだよ。疲れたー」


 ハルがかばんを漁り水筒を取り出す。


「はいよ。お飲み爺さんや」

「いただくよ婆さん――いたっ」

「ピッチピチのJKに婆さんって言うな。」


 俺がお茶を飲み終わるのを確認すると、右手を突き出してきたので、『手紙』をその手の上に置いた。

 

「この手紙もらった本人しか開けれないから開けて渡してよ。」

「はいよ」


 封筒を丁寧に開け、中の紙をハルと一緒に確認する。

 


 

♢■♢■♢■♢■♢■♢■♢■♢■♢


はじめまして緋色様。


あなたに与えられて能力は【時空操作】です。

能力の詳細を提示します。


能力1

【未来干渉】

自身が行った行為が最大で3秒後までの未来に干渉できる。


能力2

【過去干渉】

自身が行う行為が最大3秒前の過去に干渉することができる。


能力3

【時操作】

自分以外の時の流れを100%から99%にする。


能力4

【空間拡張】

入れ物の空間を20%拡張する。


能力5

【空間魔法】

世界に平面的に干渉することができる。

効果範囲は手の届く範囲。


能力6

【時間魔法】

自分以外の物の時の流れを操作する。

最大3分まで。

連続して同じものに使用すると、疲労をおう。



♢■♢■♢■♢■♢■♢■♢■♢■♢



「しょぼくね?」

「そうだね。なんか微妙?」

「可もなく不可もなくって感じだな。効果の制限のせいでめっちゃ弱く感じる。」

「3秒とか手の届く範囲は弱すぎかな。」

「そうだな。そういえばハルってなんの能力なんだ?」


 ふと気になったので聞いてみる。

 俺だけ言うのはフェアじゃないし。


「あ、私部活4時からだった。部活行ってくる!」

「ああ、行ってらっしゃい。」

「放課後終わったら教室に戻ってくるから。」


「うん、4時まで15分あるからなんの能力なのかを話してから部活行こうか。」

「ひぃ、離して!私は部活に行かないと。」

「こっちが言ったんだから、そっちが言わないとフェアじゃないだろ。さあ、さあ」

「………」


 ハルが顔を真赤にしながらなにか口にしたが、声が小さすぎて何を言っているのか聞こえなかった。


「何って言ったんだ?」

「ッ―――恥ずかしいからお家に帰ったらMes《メッセージ》で送るね。じゃ!」


ハルはそう言うと俺の手を振り払って一目散に部活に逃げていった。


「一緒に帰るし、帰るときに聞けばいいか…」


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