第206話 VS リアクティブスネーク その1
ダンジョンの攻略を進めついに49階層を突破した。なので、次は50階層となる。つまりフロアボスとの戦闘だ。そして、50階層のフロアボスはこの街で最初に師匠が課していた修行の相手でもある。師匠が最後の修行の相手に選んだのだ。油断などできるはずがない。まあ、実際のところは修行内容が変わってしまっているのだが。それでも今まで通り楽に勝てる相手ではないだろう。
そういうわけで天下の宝刀、ダンジョンの攻略本を使うことにした。攻略本と言っても一刀から送られてきたダンジョンの情報だがアーマーボア戦では役に立っているので攻略本と言っても過言ではないだろう。早速、50階層のフロアボスであるリアクティブスネークについての情報を調べていく。名称から考えるにして蛇の魔物だろう。さて、どう対処するべきか。
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50階層フロアボス リアクティブスネーク
外見は蛇そのものであるが体長は15メートル以上、体高は2メートルを超える大蛇。また、腹以外はアーマーボアと同様に装甲を纏っている。ただし、アーマーボアの装甲とは違い鱗が変質してできた装甲だと考えられる。さらにリアクティブスネークの名称及び噂から推測するにリアクティブアーマー、つまり爆発反応装甲をモチーフにしている可能性が高い。ただし、完全な性質を有するのではなく部分的な性質を持っているものと推測される。
住民からの話によれば攻撃すると鱗が爆発し攻撃を無効化されると言う情報が得られたので近接攻撃では爆破による反撃を受ける可能性がある。その点を考えれば遠距離攻撃により装甲を剝いでから攻撃するのが正攻法だと考えられる。しかし、装甲は時間経過で修復されるそうなので密に連携を取らなければならないと予想できる。ここまではリアクティブスネークの基本的な特徴になる。
次にリアクティブスネークの行動パターンだがこちらはリアクティブスネークに挑んだプレイヤーがいないため住民から得られた情報をもとに考察したものになる。攻撃方法は主に2パターンある。一つは自身を使った締め付けや尻尾による振り払いなど、二つ目が鱗を飛ばして攻撃する方法。
一つ目の方法では装甲に触れると爆破を起こすので注意しなければいけない。二つ目の方法は衝撃が加わると爆破するが一度に飛ばす鱗の数は10枚程度らしい。戦闘においては締め付け攻撃に注意を払いながら遠距離攻撃によって装甲を剝がした後に近接でダメージを重ねていくのが良いと思われる。
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徐々にボスも単調ではなくなってきたと言うのが第一印象だろうか。今までは単純明快な相手が多かったが今回は爆発する装甲と言う絡め手を使うようになってきた。師匠が最後の修行に選んだだけはある。だが、この情報を見ただけでも攻略法は存在するので負けることはない。しかし、チャンスはそう多くはないだろう。確実に倒すためにはイメージを強固にしていく必要がある。
リアクティブスネークとの戦闘を脳内に描いていく。実物を見ない限りは想像の姿でしかないがそれでも大蛇だ。私など一飲みされてしまう。そして、長い胴体だ。締め付ける力は強大で捕らわれればそれが最後になるだろう。尻尾による攻撃もそうだ。横からの薙ぎ払いを喰らったらそこから相手のワンサイドになる。当たれば装甲による爆発も忘れてはいけないな。
やはり、近接戦では分が悪い。しかし、魔術で攻撃するにもヘルオーラしか攻撃手段がない。デバフもフロアボスなので耐性が高く、そうそう貫くことはないだろう。どう考えても神官一人で勝つのは不可能に近い。だが、変更された最後の修行の内容がさらに難易度が高くなったと言うことは今の私なら勝てると考えたからだろう。ならば、勝てるはずだ。修行に達成不可能なお題を課すことはないはずだからな。
チラリと鉱山の街での修業がふと脳裏をよぎったがあれも意外と何とかなったので今回のリアクティブスネークとの戦いも、必ず私でも攻略できる道が存在するに違いない。多少の緊張はあるがそれを抑え自身にバフを掛けていく。そして、全てのバフを掛け終えた後に魔法陣に乗る。すると、魔法陣から光が溢れ、転移が完了した後にーーー
〈ボスエリアに侵入しました。戦闘を開始します〉
とアナウンスが流れ私は森の中に跳ばされていた。
......ちょっと待て。戦闘エリアが森の中だとは聞いていない。今までのフロアボスとの戦闘が広間のようなところだったのでてっきりリアクティブスネークもそこが戦闘エリアになるのだと踏んでいたがエリアが変わるとは予想外だ。しかし、ここで驚いていても仕方がない。すぐに気配察知などのスキルで目的のリアクティブスネークを探していく。目視では乱立する樹が邪魔をして上手く全体を見渡すことができないからだ。
樹と樹の間隔はかなり広いので戦闘を行う分には問題はない。だが、問題は乱立する樹が全て巨大だと言うことだ。さらに、幹の太さは人が四人程手を伸ばさないと囲うことができない程太い。これは少しめんどくさい戦いになりそうだ。場合によっては周囲の樹を全て切り落とすことも視野に入れないとだな。
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