第71話 護衛依頼 その2

「よし!! お前ら休憩の時間だ!!」


「「 了解!! 」」


〈戦闘が終了しました〉

〈書術のLVが上昇しました〉

〈STR上昇のLVが上昇しました〉

〈VIT上昇のLVが上昇しました〉

〈MND上昇のLVが上昇しました〉

〈AGI上昇のLVが上昇しました〉

〈DEX上昇のLVが上昇しました〉

〈平衡感覚のLVが上昇しました〉


「兄弟も休んでくれや。休憩時間はあいつらが見張りをやるからよ」


 そうだな。私も少し疲れてきたところだったので兄弟の言葉にうなずき休憩に入る。鉱夫の人たちもそこら辺に座り昼食を食べている。そういえば、昼のことを考えていなかった。ゲームの中は食事をしなくても大丈夫だが、リアルの私は腹が減っているだろう。

 一食くらい抜いても問題ない、か。死ぬわけではないからな。危険な状態になれば警告メッセージが出るし出てない今は問題ないということだ。


「どうした兄弟? 昼飯食わねえのか?」


「昼のことを忘れていてな。だが、問題ないぞ、私たち訪問者は腹は減らないからな」


「そうなのか。そりゃあ、もったいねえな。体を動かした後に食う飯はいつも食う飯より何倍もうまいってんのによ」


 同感だよ兄弟。鍛錬の後に食べる飯はいつもと同じはずなのになにか違う感じがするんだよな。そんなこと言っても昼飯を持ってきていないから食べれないのだが。

 

 仕方がないので兄弟たちが休憩している間に今の成果を確認しよう。今回倒した魔物はスケルトンと潜りモグラだ。スケルトンはノーマル、アーチャー、ソードマン、ナイト、マジシャンの5種類がいた。ノーマル、アーチャー、ソードマンはランクFでナイトとマジシャンがランクEだ。

 ランクEのスケルトンは普通のスケルトンよりもランクが高いだけはあり、レベルも20とそれなりに高かったが、それよりもターンアンデットが強すぎて存在が霞んでしまった。

 ノーマルスケルトンでも3回ターンアンデットを放てばHPが溶けるのだ。たかがレベルが10高い程度のスケルトンの親戚など相手にならんのだよ。我がターンアンデットの前には8回も耐えることのできない軟弱ものさ。

  で、結局は魔石が何個落ちたかが重要だ。結果から言うと潜りモグラの魔石が3個、そしてスケルトンの魔石が19個だ。ちなみに、修行の内容に一人で倒さなければならないと書いてあったが住民がいても攻撃を加えなければ条件は満たせるようだ。

 それはそうと、スケルトンの魔石落ちすぎじゃね? とか思ってる人がいるだろうから説明すると、スケルトン系の魔物は共通してドロップする魔石が〈スケルトンの魔石〉で固定なのだ。つまり、ノーマルスケルトンだろうがスケルトンナイトだろうが落とす魔石は〈スケルトンの魔石〉ということだ。

 これは本当にありがたいよな。もし、各スケルトンごとに魔石が違ったら発狂もんだぞ。ここだけは運営を褒めてもいい。

 ちなみになぜ魔石が1種類しかないのかは、なんとなくだが想像はつく。こいつらは、ただのスケルトンがソードマンなら剣を、ナイトなら鎧を身に着けてるだけだからだ。防具外せばただのスケルトンと見分けがつかない。だから魔石も一種類しかないのではないだろうか。


 これでスケルトンの魔石は集まったわけだが潜りモグラの魔石がぜんぜん集まっていない。スケルトン自体はかなりの数がいるのだが潜りモグラは鉱夫が掘り起こすか、たまに採掘中の鉱夫目掛け飛び出してくる個体しかいないからだ。

 早く出てきてくれないかな。魔石も欲しいしあいつがドロップするアイテムは使えるものばかりだからな。スケルトンのドロップアイテムと違って。

 スケルトンは魔石が手に入ったから用済みなのだよ。あいつらのドロップアイテムのせいで私のインベントリは圧迫されまくってる。なにが〈スケルトンの骨〉だよ。骨粉にして畑に蒔く以外に活用法を教えて欲しいくらいだ。


 思い出しただけでもイラっとするドロップ内容だったのでせっかくだから確認しておこう。

 とりあえずどうしようもないゴミアイテムをくれたスケルトンたちのドロップアイテムからだ。


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スケルトンの骨 一般級 ☆3

スケルトンの骨。どこかの骨


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スケルトンの肋骨 一般級 ☆3

スケルトンの肋骨。何かにつかえるかもしれない


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スケルトンの大腿骨 一般級 ☆3

スケルトンの大腿骨。犬が好きそうな大きさ


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スケルトンの頭蓋骨 一般級 ☆3

スケルトンの頭蓋骨。観賞用には最適


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古びた剣 一般級 ☆3

古びた剣。叩き直すには無理がある


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ボロボロの弓矢 一般級 ☆3

ボロボロの弓矢。弦を引けば壊れてしまいそう


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古びた盾 一般級 ☆3

古びた盾。攻撃を受ければ簡単に砕けるであろう


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古びた甲冑 一般級 ☆3

古びた甲冑。関節部が錆付き動かしづらい


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ボロボロのローブ 一般級 ☆3

ボロボロのローブ。これを装備すればたちまち衛兵に捕まるだろう


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ボロボロの杖 一般級 ☆3

ボロボロの杖。魔術の溶媒に使えそうだ


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スケルトンの魔石 一般級 ☆3

スケルトンの魔石。体内で魔素が硬化したもの


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 これがスケルトンたちがドロップしたアイテムだ。まずは骨だが......これ何に使うんだよ。まじめに畑に蒔く以外の使用方法はあるのかね? 農家のプレイヤーがいるなら全部あげたい気分だよ。骨だけで4種類もあるとか運営は何を考えているんだまったく。 

 そして古びたシリーズとボロボロシリーズだ。兄弟が言うには古びたシリーズは鍛冶師に頼めばインゴットに変えて貰えるらしい。多少手間ではあるが有効活用できるならまあ、いいだろ。問題はボロボロシリーズだ。いいか? 人はこれを廃材というんだよ。

 特に〈ボロボロのローブ〉の説明なんてひどいなんてもんじゃない。身に着けるだけで衛兵に捕まるとか地獄でしかないんだが。

 このままだとスケルトンは割に合わない魔物としてプレイヤーから嫌われていくのだろう。これもスケルトンの宿命だな。神官職なら楽に倒せるが経験値でも割に合わなそうだし......。

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