第35話 パーティ戦 その4
「一刀スイッチするぞ」
「了解だ」
「シールドアタック!」
「スラッシュ!!」
「〈トリオマジック ボール赤・青・黄〉」
不知火が油断なくラッシュボアのタゲを奪うとすかさずレオとロードがアーツを使って攻撃を加える。ついでに私も味方にバフ、ラッシュボアにはデバフを掛けてサポートをする。
ロードは今の攻撃でバレット系よりもダメージが大きいボール系のアーツを使用したので大きくラッシュボアのHPを削ることに成功した。
しかし、ロードがLV5で使用可能になるアーツを連続使用したため今はMP消費の少ないバレット系の魔術で援護に移っている。やはり、最初の頃はMPが足りず魔術士は長期戦が不利になってしまう。
「ヘビィショット。こっちは片付いたよ。それにしても順調だね」
「ああ、そうだな。これだけ連携が出来ていれば次も問題ないだろう」
ロードのMPの残量のことを考えると今のうちから白黒を上限まで上げ、十分なMP量になるまでレベルを上げた方が良いかもしれない。
そんなことを考えつつロードたちにまだ掛けていないバフ、ラッシュボアにはデバフを掛ける。
正直な話、ラッシュボア1体に対して何種類ものデバフを掛けるのは如何に私のレベルがここの推奨レベルよりも上だとしてもMPの残量からして遠慮したいことだ。
だが、このままでは確実にロードのMPが戦闘中に枯渇することになるので仕方が無い。
あれから20分ほど経過した。現状私達が倒したラッシュボアは70体を超えている。
単純に考えても1分に3体以上倒していることになる。何故こんなにもハイペースなのかと言うともちろん私のオリジナルスキル白黒が原因で、ロードのMPが尽きる前に高速レベリングをしようとして白黒を上限値限界まで引き上げた結果がこれだ。
NAME:ゼロ
HP:162/162
MP:196/196
STR:10(+27)
VIT:10(+27)
INT:64〈+13〉(+30)
MND:16(+27)
AGI:10〈+1〉(+27)
DEX:10(+27)
残念ながら白黒の効果で上昇したパラメータではHPやMPは上昇しないが、ご覧の通り全てのパラメータが+27されている。
バフ系アーツで+7され、白黒で+20の上昇だ。それが全てのパラメータに適用されているわけだ。
つまり白黒だけでパラメータが+120の上昇する。これはレベルにして24レベル分の上昇値に等しい。
そう考えれば私達のレベルはラッシュボアの討伐推奨レベルより遙かに上と言うことになる。そのおかげで今のラッシュボアの攻撃は不知火に大したダメージを与えられないし、レオやロード、聖の攻撃は1撃でラッシュボアのHPを軽く2割以上削り取る。
それにレベルがラッシュボアより低いためオリジナルスキルが発動しなかったが、一刀もラッシュボアのHPを通常攻撃で1割削ることに成功していた。
もしも、一刀のレベルがラッシュボアより上だったら今頃は周辺にいるラッシュボアは一瞬にして狩り尽くされていたことだろう。
一刀のオリジナルスキルは利便性は無いが非常に強力だな。それはさておき、これだけラッシュボアを倒したことだし、そろそろ街に戻って次の敵に挑むのもありだ。
「ここでラッシュボア狩りは切り上げようと思うが皆もそれでいいか?」
「ああ、特に異論は無い。これだけの量を倒したんだからレベルもかなり上がることだろうし良いんじゃないか?」
「俺も疲れてきたから休憩がてら街に戻ろうぜ」
私の問いに次の敵を釣ってこようとしていた一刀が返答した。それに被せるように不知火も答える。
「それじゃあ、ここで連戦は終了だな。レオ、止めを頼む」
「任せな!!」
〈戦闘が終了しました〉
〈種族LVが上昇しました〉
〈JOBLVが上昇しました〉
〈光魔術のLVが上昇しました〉
〈光魔術の新しいアーツを習得しました〉
〈闇魔術のLVが上昇しました〉
〈闇魔術の新しいアーツを習得しました〉
〈INT上昇のLVが上昇しました〉
〈魔力操作のLVが上昇しました〉
〈鑑定のLVが上昇しました〉
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NAME:ゼロ
RACE:デミヒューマン LV14
JOB:神官 LV14
SP:0
JP:70
HP:62/62
MP:25/230
STR:10
VIT:10
INT:74〈+15〉(+3)
MND:16
AGI:10〈+1〉
DEX:10
オリジナルスキル
<白黒LV2>
スキル
〈光魔術LV15〉
〈闇魔術LV15〉
〈書術LV6〉
〈INT上昇LV15〉
〈魔力操作LV15〉
〈鑑定LV8〉
称号
〈チュートリアル完全達成者〉
〈ゴールドハンター〉
〈疾風迅雷〉
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戦闘終了。嬉しいことに私のレベルも2だけ上昇したようだ。
今回は私1人では無くパーティ戦だったので予想以上に速くレベリングが済んだ。
なんと言ってもこの戦いで如何にオリジナルスキルが通常のスキルよりも優れているのかを実感してしまった。
もしかすると次のアップデートで私のオリジナルスキルに修正が入るかもしれない。それほどにオリジナルスキルは強力だ。
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