第25話 薬草採取 その1

今回も光魔術と闇魔術に新しいアーツが追加された。


〈光魔術〉

LV13・・レジスト・ウィンド


〈闇魔術〉

LV13・・ディルシャン・ウィンド


 鑑定もレベルが上がったが元々アーツがないのでただ単に効果が上昇するだけだと思われる。


レジスト・ウィンド・・対象への風属性のダメージを減少させる

ディルシャン・ウィンド・・対象への風属性のダメージを増加させる


 今回追加されたアーツは前回のアーツと効果が同じだ。ファイヤ、ウィンドと来ているから次回もこの属性順に新しいアーツが追加されていくだろう。


「二人はレベル上がりましたか?」

「ええ、おかげさまでLV7まであげることができたわ。ありがとね、ゼロ」

「私もLV6まで上がりました。ゼロさん、ありがとうございます」


 二人とも無事にレベルを上げることが出来たみたいだ。ただ、適正レベルの魔物では無いため後半は獲得経験値が少なくなっているのだろう。


「まだ時間はありますがこの後はどうしますか?」

「そうね。流石に私も疲れちゃったから西門で薬草でも採取しに行きましょう」

「良いんですか? 私は助かりますが」

「そうですね。薬草採取に行きましょうか。もうホーンラビットを倒してもレベルを上げるのは難しそうですしね。それか、ラッシュボアというのもありますけど、また戦闘はきついでしょうし」


 ミサキさんたちはもう戦闘する気力が無いみたいだ。西門の先には魔物がいないし、それに薬草採取はリアさんのポーション作りの素材になるから是非とも多く採取しときたい。


 私達はホーンラビットの生息地である東門から西門まで移動を開始するが薬草の生息地がこことは真反対なのでかなり時間が掛かってしまうだろう。

 こんな時に空間魔術があればテレポートですぐに移動出来るがあの魔術はβの時にも使えたプレイヤーが少なかった。それに検証班も何が条件で出現するのか分からなかったみたいだからな。




 西門を出てその先の森の麓に到着した。ここにはポーションの材料となる薬草や料理の材料である山菜などがある。

 ここに来るまでに時間が掛かってしまい残り時間は1時間くらいだろうか。常時バフで移動速度を上げたがままならないものだ。

 そういえばスキルショップに騎乗のスキルの書が販売されていたが始まりの街には騎乗出来る馬などはいなかった。もしかしたら召喚魔術で呼び出した魔物に使うのだろうか? 出来るならドラゴンに騎乗してみたいものだな。ロマンがある。


「やっと着きましたね」

「ええ、思ったより時間が掛かってしまったわ」

「私のために時間を掛けてもらって、すみません」

「気にすることありませんよ。何かを成すには必ず時間が掛かるものですから」


 リアさんが少し責任感を感じているみたいだが移動に時間が掛かることなんて百も承知だし、私としても高品質のMP回復ポーションが手に入るなら多少の手間は惜しまないつもりだ。


「ゼロの言うとおりよ。時間も無いしさっそくとりかかりましょ」

「先輩とゼロさん、ありがとうございます。このお礼はしっかりしますので楽しみにしていてください」


 私としてもそのお礼とやらが楽しみなのでとやかく言うわけでも無いが、リアさんは少し気負っているが気楽にやって欲しい。ミサキさんも私も面倒くさいなんて思っていないからな。

 AWOをやっていればこれも時間が解決してくれるだろう。それではミサキさんが言ったようにさっそく薬草を探すとしよう。この場所は西門からそんなに離れてはいないが山の麓と言うこともあり、多くの山の幸がある。


 ここには動物はいるが何故か魔物がいないので多くの生産職のプレイヤーが素材を集めに来ている。そして、今回私達が探すのはポーションの材料となる薬草だ。

 正直私からしたら殆ど雑草にしか見えないので何がどの薬草なのか見当もつかない。だが、鑑定先生がいるから大丈夫だ。


「これとか良いのではないかな」


〈太陽草〉 一般級 ☆1

HP回復ポーションの原料となる素材。そのまま食べても少しだけ効力を発揮する


〈月草〉 一般級 ☆1

MP回復ポーションの原料となる素材。そのまま食べても少しだけ効力を発揮する


 近くに生えていた草を茎を折るようにして採取する。

 鑑定してみるとそれぞれポーションの材料になるみたいだ。それにそのまま食べても良いらしい。だが、このゲームは料理の味も再現されているから嫌な予感がするな。

 そして、今は鑑定を使ってから採取したが鑑定が無い状態で見ると2つとも同じにしか見えないが太陽草はほんのりオレンジ色で、月草は少し灰色に近い色合いをしている。本当に鑑定があって助かった。これを初見で見抜くことなんて大体の人が出来ないだろう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る