第5話 チュートリアル その1
「これにて、キャラクタークリエイトは終了です。このままチュートリアルを開始するか始まりの街に降り立つかを選んでください」
チュートリアルか。これはやらなくても大丈夫だろう。操作方法とかは分かっているし、変わったところはそんなにないだろうからな。
「それでは始まりの街に降ろしてください」
始まりの街に着いたらまずは何をしようか。とりあえず冒険者ギルドで登録だな。
「チュートリアルを受けないで始まりの街に降り立つで本当によろしいでしょうか?」
......なんだ? なにかあるのか? そう言われると心配になるのだが。
「チュートリアルを受けると何かあるのでしょうか?」
もしかして特典なんかが貰えたりするのか?
「禁則事項なのでお教えできません」
いや、それはあるって言っているようなものではないか。
「そうですか。では、やはりチュートリアルを受けようと思います」
果たしてどんな特典が貰えるのか。
もしかしたら特典は貰えないかもしれないが、操作方法が多少は変更されている可能性もある。それを確かめると言う意味でもチュートリアルを受けるとしよう。
決して特典に惹かれたわけではない。
「承知しました。では、移動いたします」
周囲が眩い光を放ち、気が付いたら今度は草原に立っていた。
見渡す限りに緑の大地が広がっており、上を見上げれば青い空に悠然と浮かぶ雲々がある。たまに肌をなでるそよ風が心地よい。
「それではチュートリアルを始めます。まず最初にメニューオープンと声に出して言ってください」
「メニューオープン」
私がそう言うと目の前にウィンドウが現れ、そこにはステータス、装備、インベントリ、その他の4項目が表示された。
「メニュー画面が表示されましたね。続いてはメニュークローズと声に出して言ってください」
掲示板がなくなっている。きっとその他に統合されたのだろう。
そんなことは考えつつ『メニュークローズ』と言えば特に問題もなくメニュー画面を閉じることができた。
「今度はメニューオープンと心の中で念じてください」
口には出さず頭の中で『メニューオープン』と唱える。
このやり方は余り慣れていないので、上手くできなければ少し恥ずかしい思いをするところだったが、無事にメニュー画面を開くことができた。
「次にメニュークローズと心の中で念じてください」
メニュークローズ......ふぅ、今度も失敗はなかった。良かった、良かった。
「声に出しての操作を発声操作、心の中で念じる操作を思考操作と言います。AWOの世界ではどちらの操作も可能になっておりますのでご自身に合った操作方法を見つけてください」
私はどちらかと言うと発声操作の方が扱い易い。
前に思考操作が上手くできなくて恥をかいたことがあり、それが軽いトラウマになってしまっているので、思考操作には苦手意識があるからだ。
だが、思考操作が出来ると戦闘で有利に立てたりするので上位陣だと両方できて当たり前だったりする。
「続きまして各項目について説明いたします。まず、ステータスですがこれは自身のステータスを表示させるものです。次に装備です。装備には武器が2枠、頭、胴、腕、腰、脚、アクセサリーが3枠あります。現在ゼロ様は、このようになっております」
武器:初心者の聖書(INT+1)
武器:ーーーー
頭:----
胴:初心者の神官服(INT+1 MND+1)
腕:----
腰:初心者の神官下服(MND+1)
脚:----
アクセサリー:----
アクセサリー:----
アクセサリー:----
「初心者とつく武具は耐久値が∞となる代わりに種族LVが10以下でないと効果を発揮しません。武器については短剣等の片手で扱える武器は武器の枠が1つ、大剣等の両手で扱う武器は武器の枠を2つ使用します。また、アクセサリーは1つにつきアクセサリーの枠1つを使用します。
続いてインベントリです。インベントリには一枠に最大で99個、10枠まで保持することができます。また、インベントリは内部の時間が停止しているため生物などの収納はできません。
さらに、AWOで使用される通貨であるバースもインベントリ内で保持することが可能です。この時にバースは保持可能種類及び最大容量にはカウントされないためいくらでも収納できます。また、種族LVが10の倍数に到達するごとにインベントリの最大容量が5枠分追加されます。しかし、保持できるのは一枠につき99個に変更はありません。
最後にその他です。その他にはログアウト、掲示板、GMコール、ヘルプなどがあります。より詳しく知りたい場合はヘルプにより確認ください」
そんなにβテストと変わったところはないようだ。この分では、チュートリアルはスキップしても良かったかもしれないな。
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