第4話 キャラクタークリエイト その2
「次にスキルの選択を行います。ウィンドウに表示されているスキルの中から5つ選択してください。また、戦闘職を選択したゼロ様は戦闘スキル〈物理〉から1つ、スキルを選ぶことを推奨いたします。プレイ開始時に選んだ戦闘スキル〈物理〉に対応する武器がインベントリに送られます」
戦闘系物理スキルを選ばないといけないのは前回と同じだな。
一応、生産職が戦闘系物理スキルを選ばなくていい理由だが、当たり前のことながら生産職は物を作る職業であって戦闘は殆どなく武器が必要ないからだ。
戦闘スキル
〈物理〉
剣術/槍術/斧術/槌術/盾術/体術/弓術/杖術/書術
〈魔術〉
火魔術/風魔術/土魔術/雷魔術/水魔術/無魔術/光魔術/闇魔術/召喚魔術/生活魔術
生産スキル
鍛冶/調薬/錬金/裁縫/木工/細工/調理
補助スキル
HP自動回復/MP自動回復/STR上昇/VIT上昇/INT上昇/MND上昇/AGI上昇/DEX上昇/鑑定/識別/看破/隠密/隠蔽/遠目/暗視/危機感知/気配察知/魔力視/魔力操作/採掘/採取/解体/平衡感覚......
さて、スキルだがこれは不親切すぎるのではないだろうか。
前もスキルについての詳細が表示されなく、勘でスキルを習得する羽目になったが、今回も補助スキルなどの詳細が分からないので勘で当てるしかない。
これでは製品版から始めるプレイヤー達はかなり困惑することになるだろう。
「スキルの詳細について教えてもらえますか?」
「すみませんがそれは禁則事項となっております。スキルの詳細については大神様の意向によりお教えすることはできません。ただし、ステータスが確定した際にはスキルの効果の確認が可能になります」
やはり詳細は教えてもらえないか。
まあ、スキルの効果についてはβテストの時と余り変わっていないことに賭けるとしよう。
もし変わっていないのなら有志のプレイヤーによってまとめられた、β時代のスキル効果一覧がネットの掲示板に貼ってあるので、そこを見れば今回から始めるプレイヤーでもなんとかなる。
それよりもこの中から5つのスキルを選ばなければいけないが、これについてはJOBを神官にした時から決めている。
戦闘スキルの光魔術、闇魔術、書術の3つと補助スキルのINT上昇、魔力操作の2つだ。INT上昇は鑑定と迷ったが悩み抜いた末にこちらにした。
鑑定があればスキルやアイテムの詳細について知ることが出来るだろうが、初期の内からパラメータ上昇系のスキルを持っていた方がなにかと有利だ。
それに他にもスキルを増やす機会があると思うのでここはINT上昇の方が良いだろう。
ちなみに補助スキルの効果だがINT上昇は名前の通りだから置いておくとして、魔力操作はスキルの効果が変わっていなければ消費MPの減少だ。
レベルが低いと余り実感は出来ないがレベルが上昇するにつれて確実に消費MPが減少するので、このスキルは魔術を使うプレイヤーにとって必須と言ってもいい。
これでスキルも決まったし、これなら神官として申し分ない。
もしソロで戦う時は自分にバフ、相手にデバフを掛けて物理で殴ればいいか。
いや、嘘だぞ。流石に神官で前衛の真似事はしないからな。まあ、すると思うが。
「最後にオリジナルスキルの作成を行います。オリジナルスキルとはプレイヤーの皆様が考えた効果を持つスキルです。それではウィンドウにオリジナルスキルの名称、制約、効果を入力してください。
名称はオリジナルスキルのスキル名となります。次に制約についてです。制約は発動条件、解除条件などの条件のことです。条件はより具体的な内容の方が好ましいですが制約がないオリジナルスキルも作成することが出来ます。
最後に効果です。効果はプレイヤーの皆様が自由に決めることが出来ます。ただし制約に見合った効果でなければなりません。制約と効果のつり合いが取れていない場合は神々により制約か効果の改訂が行なわれますのでご注意ください。また、オリジナスキルは制約、効果が明確なほど強力になります」
さて、AWOの独自システム、オリジナルスキルの作成だ。
私のウィンドウにはスキル名、制約そして効果が空白の状態で表示されている。
さてと、どのようなオリジナルスキルにしようか。
βテストの時は魔術の効果が倍増するというシンプルなオリジナルスキルを作ったが、正直ありきたりすぎてオリジナル感がなかった。なので今回はオンリーワンなオリジナルスキルを作りたいと思う。
βテスターの中には正午になるにつれて自身のSTRなどのパラメータを超強化するオリジナルスキルを作っていた猛者もいた。
だが、それも昼はとにかく強いのだが、夕方ぐらいからパラメータに弱体化が掛かるデバフ効果も兼ねそろえたオリジナルスキルだったようで、夕方は一人で生産活動していたと聞いたことがある。
つまり、強力なオリジナルスキルには大きな制約が付くと言うことだ。
そのことも踏まえて制約と効果を決めなければいけない。
私のJOBは神官でスキルも味方の補助や敵への妨害だ。なのでそこを強化できる効果が好ましい。
そうすると補助、妨害効果を上昇させるのがベストだが制約をどうするかが問題だ。理想としては制約はあるがそこまで自分に不利にならないような条件が良いな。
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スキル名:
制約:戦闘中に光・闇魔術のアーツのみを交互に発動する。オリジナルスキル・光魔術・闇魔術以外のアーツを使用した時、ダメージを受けた時にこの効果はリセットされる
効果:光魔術発動時、自身を含めパーティメンバーに掛かっている自身が掛けた補助効果(バフ)を上昇させる白い十字架を召喚する。闇魔術発動時、パーティメンバー以外に掛かっている自身が掛けた妨害効果(デバフ)と状態異常の効果を上昇させる黒い十字架を召喚する。この効果は発動条件が満たされるごとに上昇する
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さて、完成だ。
効果としてはバフとデバフ、さらには毒や麻痺などの状態異常の効果を上昇させる感じにした。
そして肝心な制約だが光魔術と闇魔術を交互に発動させなければならず、他のスキルのアーツを使ったらアウトにしてみた。
さらにはダメージを受けてもアウトと言うことを制約に追加したが、これはパーティプレイをする時には余り意味がない制約だが、ソロで活動する際にはかなり重い制約になると思い追加した。
ついでに十字架を召喚することでこの効果がオリジナルスキルであると周知されるのも制約につながるのではないだろうか。
あえて制約には明記していないがこれだけ派手な効果なら相手も勘ぐるだろう。
これで効果と制約のつり合いが取れないと言うことはないはずだ。
それにしてもかなり強力なオリジナルスキルを作ることができたのではないだろうか。
この効果なら光魔術と闇魔術を交互に発動させ続ければパラメータが大変なことになるぞ。
「完成しましたがどうすればいいですか?」
他のプレイヤーはどんなオリジナルスキルを作っているのか。私はこの内容を考えるのにかなり時間が掛かってしまった。
言うならばオリジナルスキルとは自分の想像力との勝負だ。しかし、私の想像力ではこの辺りが限界のようだ。
「承知しました。完成したオリジナルスキルは七神様方により審査されます。......審査が完了しました。ゼロ様が作成したオリジナルスキルは審査を通過しました。オリジナルスキルの上昇値、効果発動上限等は七神様により決定されましたのでご了承ください」
効果発動上限があったのか!? それは盲点だった。それに上昇値もあちら側で決められるのか。
ゲームバランスの観点から見たら仕方がないが私が先に決めておけばよかったな。
だが、そうすると制約に釣り合わなくなって逆に大きなデメリットを抱えることになる可能性もあるので結局はこれで正解だったのかもしれない。
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