第0話-2
男というものは馬鹿なもので、なんであれ、女が綺麗だというだけで幸せな気分になれる。
妹が綺麗だ、近所のお姉さんが綺麗だ、更には隣の奥さんが綺麗だ、それだけで男の世界というのは幸せなのだ。
別に友達でも無い、話す機会も無い、ただ、時々見かけるだけ。
そんな関係でも居るだけで男はやる気を出すものだし、さらには相手から冷たくされるような関係だったとしても綺麗だ、というだけでなんだか幸せな気分になれる。
だからこそ、男というのは綺麗な女を求めるし、女も綺麗になろうと努力し必死になる。
物語の中でも、女性が出てくると大抵は綺麗な子で、ぱっと出るだけの端役でも美女、美少女だ。
想像の中でも、綺麗な女性が出る、というだけでなんだか嬉しくなる。
たとえ、小説の中でははっきりと言及していなかったとしても、映画化、映像化するとなると出てくるのはやはり美女。
そうじゃないと売れないし、そうじゃないのは求められないからだ。
キモチワルイ
なぜ、ただ一緒に仕事するだけなのに髪から服装、身嗜みまで。
見た目が綺麗だという事を求められるのか?
男女平等と言いながら、ジェンダーフリーだとか言いながら。
そんな風に、間接的に「性的に消費する」傾向を煽る世界の価値観は気持ち悪い。
それが分からなくなるくらいに、綺麗、可愛い、美しい、というのが世間に満ち溢れて飽和している。
だからこそ。
こんな世界を変えてやりたい。
見た目を気にしなくてもいい世界にしたい。
私が変な目で見られない世界にしたい
そんな事を。
ただ
思ったのだ。
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