第8話
「何言ってんの。俺に彼女なんかいないってことぐらい、ひばりちゃんだって知ってんだろ」
「ふうん。とぼけるんだ。ならあの人はいったいだれ」
ひばりちゃんが指差す方を見た瞬間、頭の中が真っ白になった。
あの
「えっ、なんでここにいるの……」
「動揺してる。やっぱり
ますます
いや、それよりもなんであの
「はいはい、女の人を待たせるもんじゃありませんよ」
グダグダしてたらひばりちゃんに
「どうも……、お待たせしました」
「本当にね。まさか違う道を通って帰るとは思ってもいなかったわ」
相変わらず見えるのは両の目だけ。表情は読み取れない。声のトーンもあの時と変わらないから、どういう感情なのかわからない。
「ここでは話せないから外へ出ましょうか」
あの
「ちょっと出てくる。すぐ戻るから」
「はいはい、行ってらっしゃい。おふたりで、ど・う・ぞ、ごゆっくり。……二度と帰ってこなくていいから」
冗談キツいなあ。
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