第7話
「まさか、とは思いますが……。さっきの救急車と何か関係が」
「あっ、
そこから先はあんまり記憶がない。ただ覚えてるのは若い社員が話した以下のことだけ。
・俺が到着する十数分前、廊下を歩いてた富野課長が突然胸を押さえてうめき声を上げて倒れたこと。
・倒れた時に床で頭を激しく打ったこと。
・救急車が来るまでの間、救命処置ができる者が運悪くひとりもいなかったこと。
・救急隊員が心臓マッサージなどを
「俺が到着する十数分前」だって? それってあの
そんなことが頭の中をグルグル回り続けてたので、どこをどう通って帰ったのか全然記憶にない。
どれくらい
「宇山さん、宇山さんってばぁ」
若い女性の声と体を
「ここは……、会社?」
「もう、宇山さんったら。やけに早く帰ってきたと思ったら、ぼうっとしちゃって」
声の主は会社の受付をやってるひばりちゃんだった。
うちの会社は小さい。特に俺のいるフロアは受付とパーティションで
「なんだ。ひばりちゃんか」
「『なんだ』なんて。私で悪うございましたね」
「ごめんごめん。そんなつもりで言ったんじゃないんだよ」
「どうだか。どうやら会社の外で綺麗な彼女さんをこしらえているみたいだし」
言葉にトゲがあるぞ。いったいどうした。
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